通知

 

生食発0517第1号

平成28年05月17日

都道府県知事

政令市長

特別区長

殿

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長

 

 

香料の指定に関する指針

 

食品添加物の指定等の要請については、「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針について」(平成8年3月22日付け衛化第29号厚生省生活衛生局長通知。以下「衛化第29号通知」という。)に基づき、食品添加物の指定等を要請する者は、厚生労働大臣宛てに要請書を提出することができ、要請書には、添付資料として当該食品添加物の成分規格案及び使用基準案並びに安全性に関する資料等の提出を求めているところです。
今般、食品安全委員会において、「香料に関する食品健康影響評価指針」が決定されたことを受けて、香料の指定の要請について、別添のとおり、その対象、当該要請の手続、要請書に添付すべき安全性に関する試験成績等必要な資料の範囲に関する指針を作成したので、関係者への周知方よろしくお願いします。
なお、香料以外の用途による使用の方法につき指定又は規格基準を改正する場合並びに香料以外の用途及び香料の用途につき同時に指定又は規格基準を改正する場合の要請の手続、要請書に添付すべき安全性に関する試験成績等必要な資料の範囲、資料を作成するために必要な試験の標準的な実施方法等については、これまでどおり衛化第29号通知が適用されるので、関係者への周知方よろしくお願いします。

Ⅰ 目的
本指針は、香料について、厚生労働大臣が食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)別表第1の指定を行うための要請手続、要請書に添付すべき安全性に関する試験成績等必要な資料の範囲等を規定するものである。
本指針の対象となる香料は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第4条第2項に規定する添加物であって、食品の着香の目的で使用されるものである。
したがって、本指針に基づき指定された添加物については、食品の着香の目的以外の用途で使用する場合には、「食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」(平成8年3月22日付け衛化第29号厚生省生活衛生局長通知)に基づく規格基準改正の手続が必要となる。

Ⅱ 香料の指定に関する基本的考え方
香料は、食品の着香の目的で食品に添加されるものであり、安全性が確保されたものでなければならない。
したがって、香料の指定に当たっては、次の点が科学的に評価されることが重要である。
このため、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)の規格等を参考にするとともに、我が国の食品摂取の状況等を勘案し、科学的見地に基づき、厚生労働省薬事・食品衛生審議会において調査審議される必要がある。また、内閣府食品安全委員会において食品健康影響評価が行われる。

1.安全性
要請する品目について、食品の着香の目的で使用された場合において、安全性が実証又は確認されること。
2.有効性/必要性
要請する品目について、食品の味覚等の感覚刺激特性を改善させることが実証又は確認されること。

Ⅲ 香料の指定に係る手続
1.要請
香料について、指定を要請する者は、厚生労働大臣宛てに別紙様式により要請書を提出することができる(提出先:厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部基準審査課)。要請書には、香料の規格基準案、安全性に関する資料等を添付しなければならない。
なお、要請者が外国に在住する場合には、当該要請に関する事項について責任をもって日本語で対応できる者を要請書に明記すること。
2.指定手続
香料の指定の要請については、食品安全基本法(平成15年法律第48号)第24条の規定に基づき、厚生労働省から内閣府食品安全委員会に対して、食品健康影響評価を依頼し、内閣府食品安全委員会では安全性に関する資料等に基づき、食品健康影響評価が行われる。
食品健康影響評価の結果が内閣府食品安全委員会から通知された後、厚生労働省では、薬事・食品衛生審議会への諮問を行う。
諮問を受けた薬事・食品衛生審議会は諮問事項について審査を終了した後、当該事項に関して厚生労働大臣宛てに答申を行う。厚生労働省は、薬事・食品衛生審議会の答申を踏まえ、食品衛生法施行規則改正等必要な措置を行う。なお、内閣府食品安全委員会における調査審議、厚生労働省薬事・食品衛生審議会における審査の過程等において、必要とされる場合には、要請者に資料の追加提出等を求めることがある。

Ⅳ 香料の指定の要請書に添付すべき資料
1.添付資料の範囲

(1)香料の指定の要請に際しては、原則として、表に示された資料を添付する。
(2)(1)にかかわらず、既に指定されている香料と塩基部分のみが異なる又はその異性体である場合その他の合理的な理由がある場合は、その理由を説明した上で、適宜資料の添付を省略することができる。
(3)指定の要請を行う香料の品質、安全性又は有効性を疑わせる資料については、当該資料の信頼性等にかかわらず、提出しなければならない。

2.添付資料作成上の一般的注意

(1)添付資料は、要請者がその責任において提出するものであり、資料内容の信頼性は要請者が確保しなくてはならない。
(2)資料概要は邦文で記載されていなければならない。ただし、資料概要以外の添付資料(表の区分2~5の資料)については英文で記載されたものであっても差し支えない。なお、資料概要以外の添付資料(表の区分2~5の資料)として日本語又は英語以外の言語で記載されているものを添付する場合は、邦文に訳した資料を添付すること。
(3)添付資料を作成するために必要とされる試験は、試験成績の信頼性を確保するために必要な施設、機器、職員等を有し、かつ適正に運営管理されていると認められる試験施設において実施されなければならない。

3.指定要請添付資料の作成上の留意事項

(1)資料概要
  ① 作成に当たっては、「食品添加物の指定及び使用基準改正要請資料作成に関する手引について」(平成26年9月9日付け食安基発0909第2号厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課長通知)の別添を考慮して作成すること。
  ② 項目ごとに簡潔にまとめ、各資料との関連を明らかにするよう資料番号を肩に明記する。なお、通しで頁をつけること。
  ③ 表に示された資料であって、記載を省略した項目については、その理由を記載する。
  ④ 原則として、規格基準案を資料概要に含め、要請書に添付すること。
  ⑤ 使用基準案は「着香の目的以外に使用してはならない。」とすること。

(2)起源又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料
  ① 起源又は発見の経緯
   要請された品目の天然での存在例や、いつ、どの国で開発され、その後どの国で香料として使用されるようになったか等、要請に至る経緯について可能な限り記載すること。
  ② 外国における使用状況
   要請された品目の諸外国における許可状況、具体的な使用食品、規格基準等を記載すること。併せて、国際機関における安全性評価、規格基準等も記載する。

(3)物理化学的性質及び成分規格に関する資料 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の第2 添加物中A 通則、B 一般試験法等を参考にして、適切な方法により試験した結果に基づき作成する。
  ① 名称  一般名、化学名(IUPAC名に準拠する。)等を記載すること。
  ② 構造式又は示性式 告示の第2 添加物を参考に構造式又は示性式を記載すること。
  ③ 分子式及び分子量 告示の第2 添加物中A 通則に準拠すること。
  ④ 含量規格
   含量規格は、製造過程、定量誤差及び安定性等に基づき、安全性と有効性に関して同等とみなせる一定品質を保証するのに必要な値を設定する。
   香料としての有効成分の含量を%で示し、有効成分が2種以上存在する場合は、それぞれについて記載する。
  ⑤ 製造方法
   製造方法によっては、不純物の種類又は量が異なる可能性もあるので、製造工程を簡明に記載する。
  ⑥ 性状
   性状は、使用時の識別及び取扱い上必要となる事項について、通例、におい、色、形状等を記載する。
  ⑦ 確認試験
   確認試験は、当該物質が目的の香料であるか否かをその特性に基づいて確認するための試験である。従って、香料の化学構造上の特徴に基づいた特異性のある試験である必要がある。
   確認試験を行う方法としては、通例、スペクトル分析に基づく方法及び化学反応による方法が考えられる。なお、化学反応については、化学構造の特徴を確認するのに適切なものがある場合に設定する。
  ⑧ 示性値
   示性値とは、吸光度、旋光度、pH及び融点等の物理的化学的方法により測定される数値をいい、品質を確保するうえで必要な項目を記載する。
  ⑨ 純度試験
   純度試験は、香料中の不純物を試験するために行うもので、定量法とともに香料の純度を規定する試験である。香料中に混在する可能性のある物質(原料、中間体、副生成物、分解生成物、試薬・触媒、重金属・無機塩及び溶媒)のうち必要なものを対象とする。
  ⑩ 乾燥減量、強熱減量又は水分
   乾燥減量試験は、乾燥することによって失われる香料中の水分、結晶水の全部又は一部及び揮発性物質等の量を測定するために行う。強熱減量試験は、強熱することによって、その構成成分の一部又は混在物を失う無機物について行う。水分試験は、香料中に含まれる水分含量を知る目的で行う。
  ⑪ 強熱残留物(強熱残分)
   強熱残留物試験は、通例、有機物中に不純物として含まれる無機物の含量を知るために行うが、場合によっては、有機物中に構成成分として含まれる無機物又は熱時揮発する無機物中に含まれる不純物の量を測定するために行う。
  ⑫ 定量法
   定量法は、有効成分の含量を、物理的、化学的又は生物学的方法により測定する試験であり、通例、告示の第2 添加物中B 一般試験法の16.香料試験法の9.香料のガスクロマトグラフィーを用いる。
   ただし、十分な再現性及び特異性を有する試験法が設定できないときは、再現性のよい絶対量を測定しうる試験法を設定して差し支えない。混在物の限度が規制されている場合には、純度試験等に特異性の高い方法を設定し、特異性に欠ける部分について相互に補完し合う必要がある。
   なお、定量しようとする成分が2種以上ある場合は、重要なものから記載する。
  ⑬ 香料の安定性
   香料の安定性について、分解物の検索を含め、検討を行う。
  ⑭ 食品中の香料の分析法
   必要があれば香料を使用する可能性の高い食品につき、当該食品の化学分析等によりその添加を定性的及び定量的に確認できる方法を設定する。なお、他の香料との分離定量に留意すること。
  ⑮ 成分規格案の設定根拠
   ア) 成分規格案は、国際機関によって設定された成分規格を参考とし、 上記①~⑫の資料に基づき、当該香料の安全性、有効性に関し、一定の品質を担保するために必要なものを設定する。
   イ) 国際機関によって設定された成分規格及び諸外国の成分規格と成分規格案との対照表を添付する。

(4)有効性に関する資料
  ① 有効性に関する資料については、要請する品目について、その使用が食品に風味を添え、又は変化させることが実証又は確認できる資料を添付すること。
  ② 香料の食品中における安定性について検討を行う。なお、安定でない場合は、主な分解物の種類及び生成程度について検討すること。
  ③ 香料の食品中の主要な栄養成分に及ぼす影響についても検討する。

(5)安全性に関する資料 「香料に関する食品健康影響評価指針」(平成28年5月食品安全委員会決定)に従い、必要となる資料を添付すること。


通知(香料の指定に関する指針).pdf


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