通知

 

食安基発第0601001号

平成16年06月01日

都道府県

保健所設置市衛生主管部(局)長

特別区

殿

医薬食品局食品安全部基準審査課

 

 

「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱いの改正について

 


 「無承認無許可医薬品の指導取締について(昭和46年6月1日付薬発第476号厚生省薬務局長通知)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」別添3「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に収載されているものに係る食品衛生法上の取扱いについては、「『医薬品的効能効果を標ぼうしない限り食品と認められる成分本質(原材料)』の取扱いについて」(平成13年6月28日付食基発第20号厚生労働省医薬局食品保健部基準課長通知。以下「13年課長通知」という。)及び「『医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)』の取扱いの改正について」(平成14年12月25日付食基発第1225001号厚生労働省医薬局食品保健部基準課長通知。以下「14年課長通知」という。)をもって示しているところであるが、今般、「医薬品の範囲に関する基準の一部改正について」(平成16年3月31日付薬食発第0331009号厚生労働省医薬食品局長通知。以下「16年局長通知」という。)により「医薬品の範囲に関する基準」が改正されたこと等から、その取扱いを下記のとおり改め、今後、別添により取り扱うこととしたので、貴職におかれては御了知の上、貴管内関係者に対する指導等について遺憾のないようにされたい。
なお、この通知に伴い、13年課長通知及び14年課長通知は、廃止する。
 

 
1 改正の概要
(1)16年局長通知別紙第7により「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」の3.その他(化学物質等)の表に追加された「チオクト酸」については、別添の2(4)に追加したものであること。
 なお、本成分の使用に当たっては、国内において医療用医薬品「チオクト酸」として「通常成人1日1回10~25mgを静脈内、筋肉内又は皮下に注射」の旨の用法・用量が設定されていること等から、食品等事業者においては、自らの責任において食品の安全性を確保するため、過剰摂取しないよう必要な配慮をするとともに、消費者への情報提供を適切に行うこと。

(2)16年局長通知別紙第7により「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」の3.その他(化学物質等)の表に追加された「D-chiro-イノシトール」及び「フェルラ酸」については、別添の2(2)イに追加したものであること。
 なお、これらについて、例えば化学的合成品であるなど、既存添加物名簿(平成8年4月厚生省告示第120号)に収載されているもの以外を使用することは、食品衛生法第10条に違反するので留意されたいこと。

(3)13年課長通知の記2(3)で示した「ビオチン」については、平成15年 6月26日厚生労働省令110号により、食品添加物として指定したことから、別添の2(2)アに該当するものに改めたこと。

(4)13年課長通知の記2(5)で示した「フルボ酸」については、輸入販売しようとする事業者から使用目的、食経験等の資料が提出され、これをもとに判断した結果、別添の2(4)に該当するものに改めたこと。

2 その他
 16年局長通知別紙第5及び第6により「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」の「1.植物由来等」及び「2.動物由来等」に追加された物については、別添の2(1)に従い、疑義がある場合にはあらかじめ、その使用目的、食経験等の資料を提出し、食品又は食品添加物に該当するか否かの判断を受けるよう指導されたいこと。
 


(別添)

「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない
成分本質(原材料)」の食品衛生法上の取扱い



1 「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト(以下「同リスト」という)の基本的な考え方」。
医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しないとは、薬事法の規制を受けないという趣旨であり、同リストに収載されているものを食品又は食品添加物として使用する場合には、当然に食品衛生法の規制の対象となるものであることに留意されたい。

2  同リストの取扱いについて
(1) 同リスト中「1.植物由来物等」及び「2.動物由来物等」については、既存添加物に該当するもの及び一般に飲食に供されている物か否かを直ちに判断し難いものも含まれているため、管下関係者への指導に際してはその点御留意願いたく、疑義がある場合には、あらかじめ、その使用目的、食経験等の資料を厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課添加物係あて提出し、食品または食品添加物に該当するか否かの判断を受けるよう指導されたい。

(2) 同リスト中「3.その他(化学物質等」のうち以下に示すものは、食品添加)物に該当する。これらについて、食品衛生法施行規則別表第1及び既存添加物名簿(平成8年4月厚生省告示第120号)に収載されているもの以外のものを使用することは、食品衛生法第10条違反となるので留意されたい。
 また、食品衛生法施行規則別表第1及び既存添加物名簿に収載されているものにあっては、食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)に規定する食品添加物としての規格及び基準を遵守する必要があること。

ア 指定添加物
亜鉛、アスパラギン酸、アラニン、イソロイシン、カリウム、カルシウム、キシリトール、クエン酸、グリシン、グリセリン、グルコン酸亜鉛、グルコン酸鉄、グルタミン酸、ケイ素、システイン、脂肪酸、酒石酸、鉄、鉄クロロフィリンナトリウム、銅、トリプトファン、トレオニン、ナイアシン、バリン、パントテン酸、ビオチン、ヒスチジン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、フェニルアラニン、ベータカロチン、マグネシウム、メチオニン、葉酸リジン

イ 既存添加物
アスパラギン、アスタキサンチン注1)、アスパラギン酸、アラニン、イノシトール(D-chiro-イノシトールを含む)注2)、N-アセチルグルコサミン、カテキン、カフェイン、カラギーナン、カリウム、カルシウム、カロチン、岩石粉、キチン、キトサン、金、グアガム、クルクミン、グルコサミン塩酸塩、グルタミン、クロロフィル、ケルセチン、サポニン、シスチン、脂肪酸、植物性酵素・果汁酵素、植物性ステロール、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、セリン、タルク、チロシン、鉄、銅、トコトリエノール、トレハロース、麦飯石、ヒアルロン酸、ヒスチジン、ビタミンB12、ビタミンE、ビタミンK(メナキノン)、4-ヒドロキシプロリン、フィコシアニン、フェリチン鉄、フェルラ酸注3)、プルラン、プロアントシアニジン、プロポリス、プロリン、ヘスペリジン、ヘマトコッカス藻色素、ヘム鉄、マグネシウム、ムコ多糖類、木灰、ラクトフェリン、リジン、流動パラフィン、ルチン、ルテイン、レシチン、ロイシン

注1)当品目は、通常は、既存添加物「ヘマトコッカス藻色素」又は「カニ色素」に包含されるものと思料されるが、食品衛生法第10条に基づく指定がなされていない食品添加物に該当する場合もあることに留意されたい。
注2)当品目は、通常は、既存添加物「イノシトール」に包含されるものと思料されるが、食品衛生法第10条に基づく指定がなされていない食品添加物に該当する場合もあることに留意されたい。
注3)当品目は、通常は、既存添加物「フェルラ酸」に包含されるものと思料されるが、食品衛生法第10条に基づく指定がなされていない食品添加物に該当する場合もあることに留意されたい。

(3)同リスト「3.その他(化学物質等」のうち以下に示すものは、現在食品衛)生法第10条に基づく指定がなされていないため、食品の製造等に使用する場合には、新たに食品添加物としての指定を受ける必要があること。

クロム(Ⅲ) 、セレン、ビタミンK(フィトナジオン、メナジオン)、フッ素、マンガン、モリブデン、ヨウ素、リン

(4)同リスト「3.その他(化学物質等)」のうち以下に示すものは、「一般に食品として飲食に供されるものであって添加物として使用される物」として取扱うこと。
なお、以下に示すものの製造の過程に用いられる溶媒等については、食品添加物に該当しないが、人の健康を損なうおそれがある不純物の混入等がないよう製造業者等に対し、製品について規格を設定する等指導を徹底されたい注1)。また、食品の製造の過程において使用される溶媒等は、食品添加物に該当することに留意されたい。

アルブミン、イオウ(ただし、メチルサルフォニルメタンとして)、イコサペント酸(EPA)、イヌリン、オリゴ糖、オルニチン、果糖、L-カルニチン注2)、還元麦芽糖、環状重合乳酸(ただし、乳酸オリゴマーとして)、γ-アミノ酪酸、絹(ただし、絹タンパクとして)、グルコマンナン、クレアチン、ゲルマニウム注3)、コエンザイムQ10、コラーゲン、コンドロイチン硫酸注4)、植物繊維、食物繊維、ゼラチン、チオクト酸注5)、デキストリン、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ドロマイト鉱石、乳清、乳糖、フルボ酸、ホスファチジルセリン、リノール酸、リノレン酸

注1)残留溶媒の規格設定の指導にあっては「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年12月厚生省告示第370号)の第2添加物のE 製造基準の添加物一般の製造又は加工する場合として規定されている溶媒に対する基準や「医薬品の残留溶媒ガイドライン」(平成10年3月30日付け医薬審第307号厚生省医薬安全局審査管理課長通知。以下「残留溶媒ガイドライン」という)等を参考にされたい。なお、トルエンなど食品衛生法において参考となる基準がなく、残留溶媒ガイドラインを参考とする場合にあっては、医薬品と食品の相違を鑑み、十分配慮することが必要である。
注2)本成分の使用に当たっては、米国では許容一日摂取量(ADI)が20mg/kg/日と評価されていることや、スイスでは1,000mg/日を摂取の条件としていることなどから、過剰摂取しないように配慮するとともに、消費者への情報提供を適切に行うこと。
注3)ゲルマニウムについては「ゲルマニウムを含有させた食品の取扱いについて(昭和63年10月12日付け衛新第12号生活衛生局長通知)」により、その取扱いについて指導をお願いしているところである。
注4)コンドロイチン硫酸ナトリウムは指定添加物である。
注5)本成分の使用に当たっては、国内において医療用医薬品「チオクト酸」として「通常成人1日1回10~25mgを静脈内、筋肉内又は皮下に注射」の旨の用法・用量が設定されていること等から、食品等事業者においては、自らの責任において食品の安全性を確保するため、過剰摂取しないよう必要な配慮をするとともに、消費者への情報提供を適切に行うこと。

(5)同リスト「3.その他(化学物質等)」のうち以下に示すものについては、食品添加物に該当する可能性が考えられるため、該当するものを輸入販売又は製造しようとする事業者がいる場合には、あらかじめ、その使用目的、食経験等の資料を厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課添加物係あて提出し、食品添加物に該当するか否かの判断を受けるよう指導されたい。

アリシン、アントシアニジン、イオウ(ただし、メチルサルフォニルメタンを除く)、イソフラキシジン、雲母、オクタコサノール、環状重合乳酸(ただし、乳酸オリゴマーを除く)、キトサンオリゴ糖、絹(ただし、絹タンパクを除く)、コエンザイムA、 コンドロムコタンパク、シスタチオン、スクワレン、炭焼の乾留水、石膏、セラミド、ピコリン酸クロム、ヒドロキシリシン、リグナン


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