通知

 

食安発第0916001号

平成17年09月16日

都道府県知事

保健所設置市長

特別区長

殿

医薬食品局食品安全部

 

 

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について

 


 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令(平成17年厚生労働省令第141号)及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成17年厚生労働省告示第423号、第424号及び第425号)が本日公布され、これにより乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の一部が改正されることとなるので、下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のなきよう取り計らわれたい。
 


第1 改正の概要
1 乳等省令関係
 食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第11条第1項の規定に基づき乳に係る残留基準値を設定する動物用医薬品ピルリマイシンについて、法第13条第2項の規定に基づき別表第2に規定すること。

2 告示関係
(1)法第11条第1項の規定に基づき、農薬ビフェナゼート、農薬フェンアミドン及び農薬プロヒドロジャスモン(以下「農薬ビフェナゼート等」という。)について、農産食品等に係る残留基準値を設定すること(別添1参照)。
(2)食品に残留する農薬等の成分である物質の量の限度を定める表について、食品名の規定順を改めること。
(3)法第11条第1項の規定に基づき、動物用医薬品ピルリマイシンについて、畜産食品に係る残留基準値を設定すること(別添2参照)。
(4)法第11条第1項の規定に基づき、亜塩素酸ナトリウムに係る使用基準を改正すること。

第2 施行・適用期日
1 乳等省令関係
 公布日から起算して1月を経過した日から施行すること。

2 告示関係 
(1)農薬ビフェナゼート等に係る改正告示の規定については、公布日から起算して1月を経過した日から適用すること。
(2)食品名の規定順に係る改正告示の規定については、公布日から適用すること。
(3)動物用医薬品に係る改正告示については、公布日から起算して1月を経過した日から適用すること。
(4)食品添加物に係る改正告示については、公布日から適用すること。

第3 運用上の注意
1 農薬に係る残留基準値について
 今回の改正による残留基準値の設定に併せ、農薬取締法(昭和23年法律第82号)に基づく農薬ビフェナゼート等に係る適用拡大のための変更登録が農林水産省において行われること。
 なお、農薬ビフェナゼート等の試験法については、後日、通知することとしている。

2 動物用医薬品に係る残留基準値について
 試験法については、本日付け食安発第0916004号当職通知を参照されたいこと。

3 食品添加物に係る使用基準について
 亜塩素酸ナトリウムの使用基準に「かずのこの調味加工品(干しかずのこ及び冷凍かずのこを除く。)」を追加すること。
 「かずのこの調味加工品」とは、ニシンの卵巣を調味液に浸漬するか、又は調味料、香辛料等を添加して加工処理を施したもののほか、軽度の施塩を行ったものであり、松前漬や山海漬等も含まれるものであること。なお、長期間の貯蔵を目的として塩に漬け込んだいわゆる塩かずのこは、含まれないものであること。
 また、調味加工品から除かれている「冷凍かずのこ」は、調味加工品を冷凍したものは含まれず、かずのこを冷凍したものであること。

4 その他
 亜塩素酸ナトリウムに係る使用基準で規定する「また、使用した亜塩素酸ナトリウムは、最終食品の完成前に分解し、又は除去しなくてはならない。」とは、有効塩素が最終食品に残留しないよう十分に水洗等を行わなければならないことであるが、水道水等にも有効塩素が含まれることから、当該使用基準に係る指導等に際しては、各地域における水道水中の有効塩素濃度を考慮する等、適切な対応を図られたい。なお、測定に際しては、本日付け食安基発第0916001号基準審査課長通知を参照されたいこと。


(別添1)

1.ビフェナゼート

食品名

残留基準値
ppm

トマト

2

ピーマン

2

なす

2

その他のなす科野菜(注1)

2

きゅうり(ガーキンを含む。)

2

かぼちゃ(スカッシュを含む。)

2

しろうり

0.75

すいか

0.2

メロン類果実

0.2

まくわうり

0.75

その他のうり科野菜(注2)

2

オクラ

2

スペアミント

25

ペパーミント

25

みかん

0.2

なつみかんの果実全体

0.7

レモン

0.7

オレンジ(ネーブルオレンジを含む。)

0.7

グレープフルーツ

0.7

ライム

0.7

その他のかんきつ類果実(注3)

0.7

りんご

2

日本なし

2

西洋なし

2

マルメロ

2

びわ

0.75

もも

0.2

ネクタリン

2

すもも(プルーンを含む。)

1

おうとう(チェリーを含む。)

2

いちご

5

ぶどう

3

かき

2

バナナ

2

パパイヤ

2

マンゴー

2

その他の果実(注4)

2

綿実

0.75

くり

0.2

ペカン

0.2

アーモンド

0.2

くるみ

0.2

その他のナッツ類(注5)

0.2

2

ホップ

15

 食品名

 残留基準値ppm

牛の筋肉

0.02

豚の筋肉

0.02

羊の筋肉

0.02

馬の筋肉

0.02

山羊の筋肉

0.02

牛の脂肪

0.1

豚の脂肪

 

0.1

羊の脂肪

 

0.1

馬の脂肪

 

0.1

山羊の脂肪

 

0.1

牛の肝臓

0.02

豚の肝臓

0.02

羊の肝臓

0.02

馬の肝臓

0.02

山羊の肝臓

0.02

牛の腎臓

0.02

豚の腎臓

0.02

羊の腎臓

0.02

馬の腎臓

0.02

山羊の腎臓

0.02

牛の食用に供される部分 (筋肉,脂肪,肝臓及び腎臓を除く。以下単に「食用部分」という。)

0.02

豚の食用部分

0.02

羊の食用部分

0.02

馬の食用部分

0.02

山羊の食用部分

0.02

0.02

干しぶどう

 

1.2

注)
 農産物及び畜産物(脂肪)の残留基準値(印なし)は、ビフェナゼート(イソプロピル=(4-メトキシビフェニル-3-イル)ヒドラジノホルマート)及びイソプロピル=(4-メトキシビフェニル-3-イル)ジアゼニルホルマートの総和をビフェナゼートとして示す。
 畜産物(脂肪を除く。)の残留基準値(※)は、ビフェナゼート(イソプロピル=(4-メトキシビフェニル-3-イル)ヒドラジノホルマート)、イソプロピル=(4-メトキシビフェニル-3-イル)ジアゼニルホルマート、4-ヒドロキシビフェニル及び4-スルファトビフェニルの総和をビフェナゼートとして示す。
注1)
「その他のなす科野菜」とは,なす科野菜のうち,トマト,ピーマン及びなす以外のものをいう。
注2)
「その他のうり科野菜」とは,うり科野菜のうち,きゆうり,かぼちや,しろうり,すいか,メロン類果実及びまくわうり以外のものをいう。
注3)
「その他のかんきつ類果実」とは,かんきつ類果実のうち,みかん,なつみかん,なつみかんの外果皮,なつみかんの果実全体,レモン,オレンジ,グレープフルーツ及びライム以外のものをいう。
注4)
 「その他の果実」とは,果実のうち,かんきつ類果実,りんご,日本なし,西洋なし,マルメロ,びわ,もも,ネクタリン,あんず,すもも,うめ,おうとう,ベリー類果実,ぶどう,かき,バナナ,キウイー,パパイヤ,アボカド,パイナップル,グアバ,マンゴー,パッションフルーツ,なつめやし以外のものをいう。
注5)
「その他のナッツ類」とは,ナッツ類のうち,ぎんなん,くり,ペカン,アーモンド及びくるみ以外のものをいう。

2.フェンアミドン

 食品名

 残留基準値
ppm

ばれいしよ

0.02

さといも類(やつがしらを含む。)

0.02

かんしよ

0.02

やまいも(長いもをいう。)

0.02

その他のいも類(注1)

 

0.02

はくさい

0.5

レタス(サラダ菜及びちしやを含む。)

 

20

たまねぎ

0.2

ねぎ(リーキを含む。)

1.5

にんにく

0.2

その他のゆり科野菜(注2)

 

1.5

トマト

1

きゆうり(ガーキンを含む。)

 

0.3

かぼちや(スカッシュを含む。)

0.15

しろうり

0.15

すいか

0.15

メロン類果実

0.15

まくわうり

0.15

その他のうり科野菜(注3)

 

0.15

しようが

0.02

その他の野菜(注4)

 

0.02

ぶどう

 

3

牛の筋肉

0.1

羊の筋肉

0.1

山羊の筋肉

0.1

牛の脂肪

0.1

羊の脂肪

0.1

山羊の脂肪

0.1

牛の肝臓

0.1

羊の肝臓

0.1

山羊の肝臓

0.1

牛の腎臓

0.1

羊の腎臓

0.1

山羊の腎臓

0.1

牛の食用に供される部分 (筋肉,脂肪,肝臓及び腎臓を除く。以下単に「食用部分」という。)

0.1

羊の食用部分

0.1

山羊の食用部分

0.1

0.02

トマトピューレー

2.0

トマトペースト

 

2.2

注1)
「その他のいも類」とは、いも類のうち、ばれいしよ、さといも類、かんしよ、やまいも及びこんにやくいも以外 のものをいう。
注2)
「その他のゆり科野菜」とは、ゆり科野菜のうち、たまねぎ、ねぎ、にんにく、アスパラガス及びわけぎ以外のものをいう。
注3)
「その他のうり科野菜」とは、うり科野菜のうち、きゆうり、かぼちや、しろうり、すいか、メロン類果実及びまくわうり以外のものをいう。
注4)
「その他の野菜」とは、野菜のうち、いも類、てんさい、さとうきび、あぶらな科野菜、きく科野菜、ゆり科野菜、せり科野菜、なす科野菜、うり科野菜、ほうれんそう、オクラ、しようが、未成熟えんどう、未成熟いんげん、えだまめ及びきのこ類以外のものをいう。

注)
 農産物及びその加工食品の残留基準値(印なし)は、フェンアミドン((S)-1-アニリノ-4-メチル-2-メチルチオ-4-フェニルイミダゾリン-5-オン)のみとする。
 畜産物の残留基準値(※)は、フェンアミドン((S)-1-アニリノ-4-メチル-2-メチルチオ-4-フェニルイミダゾリン-5-オン)及び5-メチル-5-フェニルイミダゾリジン-2,4-ジオンの総和をフェンアミドンとして示す。

3.プロヒドロジャスモン

 食品名

 残留基準値
ppm

りんご

0.05

ぶどう

0.05


      (別添2)

ピルリマイシン

食品名

残留基準値
ppm

筋肉(牛)

0.1

脂肪(牛)

0.1

肝臓(牛)

1

腎臓(牛)

0.4

食用部分(牛)※

0.4

0.3

※食用に供される部分であって、筋肉、脂肪、肝臓及び腎臓を除いた部分


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