通知

 

食安発第0722001号

平成16年07月22日

都道府県知事

保健所設置市長

特別区長

殿

医薬食品局食品安全部

 

 

食品、添加物等の規格基準の一部改正に係る食品中の残留農薬等試験法について

 


 食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の一部が、平成16年7月6日付け食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成16年厚生労働省告示第263号)をもって改正され、その運用についても同日、食安発第0706001号当職通知をもって別途通知したところである。
 ついては、今般、新たに残留基準を設定したオクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾールについて、別添のとおり試験法を定めたので、下記の事項に留意の上、関係者への周知方よろしくお願いする。
 なお、同日付けで告示した農薬ピリダリルの試験法については、平成16年7月6日付け食安発第0706002号により通知していることを申し添える。


1 試験法の概要
 新たに残留基準を設定したオクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾールにつき、その試験法を定めたこと。

2 運用上の留意事項
(1)通知に示す以外の方法により試験を実施する場合は、通知に示す試験法と同  等以上の性能を有する試験法によること。

(2)別添の試験法で使用する試薬・試液は、特に記載したものを除き、食品、添加物等の規格基準第1食品の部D各条の項の○穀類、豆類、果実、 野菜、種実類、茶及びホップの2穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目の(2) 試薬・試液及び第2添加物の部C試薬・試液等の項に記載されているものを使用すること。



(別添)

食品中の残留農薬等試験法

平成16年7月

厚生労働省医薬食品局食品安全部



  食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の試験法について、次のとおり定める。

オクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾール試験法




(注)用語の定義等
1 「定量限界」とは、一般に、試料に含まれる分析対象物の定量が可能な最低の量又は濃度のこと。概ねS/N=10となる分析対象物質の量を試料中の農薬等の濃度として示した。なお、Sは分析対象物のピーク高さ、Nはベースラインノイズを指す。
2 「類型」については、当該試験法の由来を示すものであり、以下のように分類した。
 A:日本国内の公定分析法(環境省告示試験法など)
 B:諸外国の公定分析法、マニュアル等(米、独、オランダ、EUなど)
 C:厚生労働省試験法検討班作成の試験法
 D:文献等から引用した試験法


食品中の残留農薬等の試験


オクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾール試験法


1.分析対象化合物
 オクスフェンダゾール
 オクスフェンダゾールスルホン
 フェバンテル
 フェンベンダゾール

2.装置
紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC(UV))又は多波長検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC(DAD))
液体クロマトグラフ・質量分析計(LC/MS)

3.試薬、試液
 次に示すもの以外は、第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目の(2) 試薬・試液に示すものを用いる。
 ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(200 mg) 内径 12~13 mmのポリエチレン製のカラム管にジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体 200mgを充填したもの又はこれと同等の分離特性を有するものを用いる。
 ヘプタフルオロ酪酸 ヘプタフルオロ-n-酪酸
 フェバンテル標準品 本品はフェバンテル 99%以上を含み、融点は 129~130℃である。
 フェンベンダゾール標準品 本品はフェンベンダゾール 98%以上を含み、融点は 233℃(分解)である。

4.試験溶液の調製
1) 抽出
 細切均一化した検体 5.0 gを量り採り、アセトニトリル 30 mL、アセトニトリル飽和 n-ヘキサン 20 mLおよび無水硫酸ナトリウム 10 gを加えてホモジナイズした後、3,000 rpmで 5分間遠心分離する。アセトニトリル層および n-ヘキサン層を分液ロートに移し、アセトニトリル層を採る。n-ヘキサン層を、遠心分離した残留物に加え、さらにアセトニトリル 20 mLを加えて激しく振り混ぜた後、3,000 rpmで 5分間遠心分離する。n-ヘキサン層を捨て、アセトニトリル層を先のアセトニトリル層に合わせ、n-プロパノール 10 mLを加えて、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。
2) スルホン化
 1) で得られた残留物を無水酢酸 0.5 mLに溶解後、過酸化水素 0.5 mLを加えて混和し、室温で 30分間放置する。これに 1 mol/L亜硫酸ナトリウム溶液 5 mLを加えて混和し、室温で 10分間放置後、1 mol/L水酸化ナトリウム溶液 10 mLを加える。
3) 精製
 ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(200 mg)にメタノール 10 mL、水 10 mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに、2) で得られた溶液を注入した後、水 10 mLを注入し、流出液は捨てる。このカラムにメタノール 10 mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にメタノール 1 mLを加えて溶解し、試験溶液とする。

5.検量線の作成
 フェバンテルの試験を行う場合は、フェバンテル標準品の 0.05~50 mg/L メタノール溶液を数点調製する。
 オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾールスルホン及びフェンベンダゾールの試験を行う場合は、フェンベンダゾール標準品の 0.05~50 mg/L メタノール溶液を数点調製する。
 それぞれの標準品のメタノール溶液 1 mLを40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。残留物に4.試験溶液の調製2) スルホン化及び3) 精製と同様の操作を行い、それぞれHPLCに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。

6.定量
 試験溶液をHPLCに注入し、5.の検量線でフェバンテル及びフェンベンダゾールの含量をそれぞれ求め、次式によりオクスフェンダゾールスルホンとしての含量を求める。
  オクスフェンダゾールスルホンの含量 
  =(フェバンテルの含量ラ 0.74)+(フェンベンダゾールの含量ラ 1.11)

7.測定条件
1) フェバンテルの試験を行う場合
① HPLC
 検出器: UV又はDAD(波長 280 nm付近の極大波長)
 カラム: オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径 2~5 mm)、内径 2.0~6.0 mm、長さ 100~250 mm
 カラム温度: 40℃
 移動相: アセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液の混液(2:3)
 保持時間の目安: 7~10分
② LC/MS
 カラム: オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径 2~5 mm)、 内径 2.0~6.0 mm、長さ 100~250 mm
 カラム温度: 40℃
 移動相: アセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液の混液(2:3)
主なイオン (m/z): ESI+において 479
 保持時間の目安: 7~10分
2) オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾールスルホン及びフェンベンダゾールの試験を行う場合
① HPLC
 検出器: UV又はDAD(波長 290 nm付近の極大波長)
 カラム: オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径 2~5 mm)、内径 2.0~6.0 mm、長さ 100~250 mm
 カラム温度: 40℃
 移動相: アセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液の混液(3:7)
 保持時間の目安: 7~10分
② LC/MS
 カラム: オクタデシルシリル化シリカゲル(粒径 2~5 mm)、内径 2.0~6.0 mm、長さ 100~250 mm
 カラム温度: 40℃
 移動相: アセトニトリル及び0.005 mol/Lヘプタフルオロ酪酸溶液の混液(3:7)
主なイオン (m/z): ESI+において 332
 保持時間の目安: 7~10分

8.定量限界
0.01 mg/kg(オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾールスルホン、フェバンテル及びフェンベンダゾール共にそれぞれオクスフェンダゾールスルホンとして)

9.留意事項
1) 試験法の概要
 オクスフェンダゾール、オクスフェンダゾールスルホン、フェバンテル及びフェンベンダゾールを試料からアセトニトリルで抽出し、アセトニトリル/ヘキサン分配により脱脂した後、無水酢酸及び30%過酸化水素によりフェバンテルを酸化しスルホン体にして、フェンベンダゾール及びオクスフェンダゾールを酸化しオクスフェンダゾールスルホンにして、それぞれHPLC(UV又はDAD)により測定し、LC/MSで確認する方法である。
2) 注意点
① 無水酢酸、30%過酸化水素、亜硫酸ナトリウムは反応性が高いので、取り扱いに注意を要する。また、これらの試薬は経時変化しやすいので、保管にも注意を要する。
② スルホン化において、1 mol/L亜硫酸ナトリウム溶液及び1 mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えた際に、激しく発熱するので注意を要する。
③ スルホン化の完了を確認するために、必要に応じてオクスフェンダゾール、フェバンテル及びフェンベンダゾールを HPLC及び LC/MSで測定すること。
 それぞれの測定条件の例としては、内径 3.0 mm、長さ 150 mmのカラムを使用した場合、オクスフェンダゾールでは、移動相:アセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸の混液(1:4)、流速:0.4 mL/min、UV測定波長: 290 nm、MS測定イオン: ESI+において 316 (m/z)、保持時間: 8分、フェバンテルでは、移動相:アセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸の混液(1:1)、流速:0.4 mL/min、UV測定波長: 280 nm、MS測定イオン: ESI+において 447 (m/z)、保持時間:約 11分、フェンベンダゾールでは、移動相:アセトニトリル及び0.05%トリフルオロ酢酸の混液(2:3)、流速:0.4 mL/min、UV測定波長: 290 nm、MS測定イオン: ESI+において 300 (m/z)、保持時間:約 5分である。他の測定条件は、7.測定条件に準じて行うこと。
④ ジビニルベンゼン-N-ビニルピロリドン共重合体ミニカラム(200 mg)に、スルホン化で得られた溶液を注入した際に、過酸化水素が残存すると、ミニカラム中で分解発泡し、溶液が流出しにくくなることがある。このような場合には、吸引または加圧して強制的に流出させること。

10.参考文献
 なし

11.類型
 C

12.その他
 平成16年7月22日付け厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課事務連絡「「食品中の残留農薬等試験法に係る分析上の注意事項」の改正について」の別添を参考にすること。


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