通知

 

食監発第210号

平成13年09月27日

都道府県

政令市

特別区

衛生主幹部(局)長 殿

医薬局食品保健部監視安全課

 

 

畜水産食品の残留物質対策について

 

 畜水産食品の安全性確保については、日頃から種々ご配慮をいただいているところであります。

 今般、平成12年度に実施した畜水産食品の残留物質モニタリング検査の結果を別添のとおりとりまとめました。その結果、平成12年度においても、畜水産食品から抗生物質及び合成抗菌剤が検出されていることから、引き続き、農林部局とも連携を密にし、生産者等における動物用医薬品等の適正な使用について指導を依頼するとともに、効率的な監視の実施等により、畜水産食品の動物用医薬品等の残留防止に一層努められるようお願いいたします。
 



(別添)

平成12年度畜水産食品の残留物質モニタリング検査結果について
 

1 目的
 食用に供される家畜、養殖魚介類等に対して、生産段階で使用される動物用医薬品及び飼料添加物等が食肉、魚介類等の畜水産食品に残留している実態を把握し、適切な行政対応を図るため、畜水産食品について輸入品及び国産品の別に検査を実施した。
 
2 検査結果の概要
(1)輸入畜水産食品

ア 検査対象物質
 抗生物質、合成抗菌剤、内寄生虫用剤、ホルモン剤及び有機塩素系農薬の計25項目
イ 検査対象食品
 食肉(牛肉、豚肉、馬肉、羊肉及び鶏肉)、養殖魚介類(ウナギ、エビ、サケ・マス及びヒラメ)、鰻加工品、液卵及びハチミツ
ウ 検査実施機関
 輸入時に検疫所においてサンプリングを実施し、横浜検疫所輸入食品・検疫検査センター、神戸検疫所輸入食品・検疫検査センター及び各検疫所検査課において検査を実施した。
エ 検査時期
 平成12年4月1日~平成13年3月31日
オ 検査結果
別表1のとおり(違反事例がある場合、当該数をカッコ内に記載)。
カ 措置等
 各検疫所において、違反が認められた事例(6件)について当該貨物の状況を確認させ、積み戻し又は廃棄の手続きを指導した。また、当該貨物の輸出国に対して原因等の調査を依頼した。


(2)国産畜水産食品
ア 検査対象物質
 抗生物質、合成抗菌剤、内寄生虫用剤及び有機塩素系農薬の計18項目
イ 検査対象食品
 食肉(牛肉、豚肉及び鶏肉)、養殖魚介類(ブリ、マダイ等11魚種)、鶏卵、乳及びハチミツ
ウ 検査実施機関
 都道府県、政令市及び特別区の食肉、養殖魚介類等の流通拠点を管轄する食肉衛生検査所、市場食品衛生検査所等において検査を実施した。
エ 検査時期
 平成12年4月1日~平成13年3月31日
オ 検査結果
別表2のとおり(違反事例がある場合、当該数をカッコ内に記載)。
カ 措置等
 各自治体において、違反が認められた事例(6件)について農政部局、家畜保健衛生所等を通じて、生産者の指導を実施した。

 


別表1

平成12年度輸入畜水産食品の残留有害物質モニタリング検査結果
 

 

牛肉

豚肉

馬肉

羊肉

鶏肉

鹿肉

ウナギ


加工品

エビ

サケ
マス

ヒラメ

液卵

ハチ
ミツ

                             
検体数

611

385

11

20

460(1)

3

131

22

309(1)

72

19(4)

6

69

2,118(6)

                             
検査物質                            
1 抗生物質                            

 

オキシテトラサイクリン※1

21

15

5

5

32(1)

2

20

9

62(1)

10

19(4)

3

 

203(6)

スピラマイシン※2

10

8

   

12

 

7

 

10

6

     

53

ベンジルペニシリン※2

10

8

   

12

               

30

上記以外の抗生物質

610

385

11

20

458

3

131

21

292

68

18

6

69

2,092

                             
2 合成抗菌剤                            

 

オキソリン酸            

48

 

34

12

     

94

オルメトプリム  

50

   

49

           

3

 

102

カルバドックス  

26

                     

26

クロピドール        

49

           

3

 

52

ジフラゾン(パナゾン)  

50

5

                   

55

スルファキノキサリン 

61

50

5

5

49

2

7

   

12

 

3

 

194

スルファジミジン

61

50

5

5

49

2

7

   

12

 

3

 

194

スルファジメトキシン

61

50

5

5

49

2

7

   

12

 

3

 

194

スルファメラジン

61

50

5

5

49

2

7

   

12

 

3

 

194

スルファモノメトキシン

61

50

5

5

49

2

7

   

12

 

3

 

194

トリメトプリム   

50

   

49

           

3

 

102

ナイカルバジン        

49

           

3

 

52

ピリメタミン  

50

   

49

           

3

 

102

                             
3 内寄生虫用剤                            

 

アルベンダゾール

20

15

5

4

19

               

63

イソメタミジウム

19

                       

19

イベルメクチン 

21

15

5

4

                 

45

クロサンテル

21

   

2

                 

23

チアベンダゾール

20

15

 

2

                 

37

トリクラベンダゾール

10

   

4

                 

14

フルベンダゾール  

15

   

19

           

3

 

37

モキシデクチン

10

   

4

 

1

             

15

                             
4 ホルモン剤                            

 

トレンボロンアセテート

39

                       

39

ジエチルスチルベストロール(DES)

20

                       

20

ゼラノール 

38

                       

38

                             
5 農薬                            

 

DDT

19

15

5

5

19

               

63

ディルドリン

19

15

5

5

19

               

63

ヘプタクロル

19

15

5

5

19

               

63



違反件数を( )内に示す。

※1 平成13年1月1日以降に採取された検体については魚介類を除き、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン及びクロルテトラサイクリンについて実施。
※2 平成12年6月1日以降に採取された検体について実施。



別表2

平成12年度国産畜水産食品の畜水産食品の残留物質モニタリング検査結果

  

牛肉

豚肉(筋)

鶏肉(筋)

鶏卵

ハチミツ

ブリ

マダイ

ギンザケ

コイ

ニジマス

アユ

ウナギ

マアジ

ティラピア

ヒラメ

クルマエビ

 

                                        
検体数

1,818

4043(2)

1655(2)

676(1)

405

262

68

133

5

42

94(1)

74

71

11

10

44

36

2,979

9447(6)

                                        
検査物質                                      
1 抗生物質                                      

 
 
 
 

オキシテトラサイクリン※1

502

595(1)

561(1)

397

272

 

61

82

4

13

64

60

66

11

10

35

28

1,605

2761(2)

ベンジルペニシリン※2

151

179

145

 

86

                       

561

561

スピラマイシン※2

136

159

145

 

97

 

25

19

           

10

   

591

591

上記以外の抗生物質

1,818

4,043

1,655

676

405

262

68

133

2

42

94

73

69

7

10

44

35

9,436

9,436

                                        
2 合成抗菌剤                                      

 

サルファ剤

943

1,276

1109(1) 543(1)    

68

130

5

39

76

74

71

10

10

   

2,702

4354(2)
オキソリン酸

943

1,276

1,109

543

   

68

130

5

39

76(1)

74

71

10

10

 

36

4,314

4390(1)
チアンフェニコール

943

1,276

1,109

543

   

68

130

         

10

10

   

4,089

4,089

ジフラゾン  

1,276

                             

1,276

1,276

フラゾリドン  

1,276

                             

1,276

1,276

オルメトプリム  

1,276

1,109

543

             

74

71

       

3,073

3,073

トリメトプリム  

1,276

1,109

543

                         

2,928

2,928

ピリメタミン  

1,276

1,109

543

                         

2,928

2,928

カルバドックス  

309

                             

309

309

スルファジミジン

467

562(1)

559

 

222

                       

1,248

1810(1)
                                        
3 内寄生虫用剤                                      
 
 
 
 
イベルメクチン

267

288

                             

555

555

フルベンダゾール  

461

393

350

                         

1,204

1,204

チアベンダゾール

277

256

   

190

                       

723

723

トリクラベンダゾール※2

74

                               

74

74

                                        
4 残留農薬                                      

 
 
 

DDT

268

216

138

                           

622

622

ディルドリン

268

216

138

                           

622

622

ヘプタクロル

268

216

138

                           

622

622



違反件数を( )内に示す。

※1 平成13年1月1日以降に採取された検体については魚介類を除き、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン及びクロルテトラサイクリンについて実施。
※2 平成12年6月1日以降に採取された検体について実施。




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