通知

 

厚生省告示第167号

平成11年07月30日

 

 

食品、添加物等の規格基準の一部改正

 
 

  厚生省告示第167号
 

 食品衛生法(昭和22年法律第233号)第7条第1項の規定に基づき、食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)の一部を次のように改正する。
  

平成11年7月30日
厚生大臣 官下 創平


 第2添加物の部D成分規格・保存基準各条の項の水溶性アナトーの目の次に次の一目を加える。

              スクラロース
              sucralose
              トリクロロガラクトスクロース



 C12H19Cl3O8                                                                                           分子量:397.64
 1,6-dichloro-1,6-dideoxy-β-D-fructofuranosyl-4-chloro-4-deoxy-α-D-galactopyranoside[56038-13-2]

含   量
 本品を無水物換算したものは、スクラロース(CI2HI9CI3O8)98.0~102.0%を含む。
性  状
 本品は、白~淡灰白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は甘い。本品は、 水、 メタノール及びエタノールに溶けやすく、酢酸エチルに溶けにくい。
確認試験
 (1)本品を赤外吸収スペクトル測定法中の臭化カリウム錠剤法により測定し、本品のスペクトルを参照スペクトルと比較するとき、同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。
 (2)本品1.0gにメタノール10mlを加えて溶かし、検液とする。検液5μlにつき、塩化ナトリウム溶液(1→20)・アセトニトリル混液(7:3)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーを行うとき、Rf値0.4~0.6付近にスポットを認める。ただし、薄層板は、担体として薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを使用する。展開溶媒の先端が15cmの高さに上昇したとき展開をやめ、風乾し、溶媒を除き、15%硫酸・メタノール試液を噴霧した後、125℃で10分間加熱して呈色させる。
純度試験
 (1)溶状 澄明(1.0g、水10ml)
 (2)比旋光度 +84.0~+87.5°(1.0g、水、10ml、無水物換算)
 (3)液性 pH3.0~6.0(2.0g、水20ml)
 (4)重金属 Pbとして10μg/g以下(1.0g、第2法、比較液 鉛標準液1.0ml)
 (5) ヒ素 As2O3として4.0μg/g以下(0.50g、第2法、装置B)
 (6)他の塩化二糖類 0.5%以下
  本品1.0gにメタノール10mlを加えて溶かし、検液とする。検液0.5mlを量り、メタノールを加えて100mlとし、対照液とする。検液及び対照液5μlにつき、確認試験(2)と同様に、薄層クロマトグラフィーを行うとき、検液は、対照液と同位置以外にスポットを認めないか又は他のスポットを認める場合であっても、対照液のスポットよりも濃くない。
 (7)塩化単糖類 果糖として0.16%以下
  本品2.5gを量り、メタノールを加えて正確に10mlとし、検液とする。別にD-マンニトール10.0gを正確に量り、水を加えて正確に100mlとし、対照液(A)とする。また、D-マンニトール10.0g及び果糖40mgを正確に量り、水を加えて正確に100mlとし、対照液(B)とする。検液、対照液(A)及び対照液(B)を、厚さ0.25mmのシリカゲル簿層板に、それぞれ1μlずつ付け、風乾した後、この操作を更に4回繰り返す。この薄層板にp一アニシジン・フタル酸試液を噴霧後、98~102℃で約10分間加熱して呈色させるとき、検液のスポットは、対照液(B)のスポットよりも濃くない。
なお、試験に供した対照液(A)に、スポットが現れた場合は、再度薄層板を作成し、同様の操作を繰り返す。
 (8)トリフェニルホスフィンオキシド  150μg/g以下
  本品約100mgを精密に量り、アセトニトリル・水混液(67:33)に溶かして正確に10mlとし、検液とする。別にトリフェニルホスフィンオキシド100mgを正確に量り、アセトニトリル・水混液(67:33)に溶かして正確に10mlとする。この液1mlを正確に量り、アセトニトリル・水混液(67:33)を加えて正確に100mlとする。さらに、この液1mlを正確に量り、アセトニトリル・水混液(67:33)を加えて正確に100mlとし、標準液とする。検液及び標準液それぞれ25μlずつにつき、次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行い、それぞれの液についてトリフェニルホスフィンオキシドのピーク面積、AT及びAsを求め、次式により含量を求める。
 
 操作条件
  検出器  紫外部吸収検出器(測定波長 220nm)
  力ラム充てん剤  5μmのオクタデシルシリル化シリカゲル
  カラム管  内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管
  力ラム温度  40℃
  移動層  アセトニトリル・水混液(67:33)
  流速  1.5ml/分
 (9)メタノール  0.1%以下
  本品約2.0gを精密に量り、水を加えて正確に10mlとし、混和し、検液とする。別にメタノール2mlを正確に量り、水を加えて正確に100 mlとし、混和する。この液1mlを正確に量り、水を加えて正確に100mlとし、混和し、比較液とする。検液及び比較液1μlずつを量り、次の操作条件でガスクロマトグラフイ一を行うとき、それぞれの液のメタノールのピーク面積、SA及びAsを求め、次式により含量を求める。

 ただし、Csは比較液中のメタノール濃度(%)
 
 操作条件
  検出器  水素炎イオン化検出器
  力ラム充てん剤  150~180μmのガスクロマトグラフイ一用ポーラスポリマーピーズ
  カラム管   内径2~4mm、長さ約2mのガラス管
  力ラム温度  140~160℃の一定温度
  力ラム入口温度  200℃
  検出器温度  250℃
  キャリアーガス及び流量  窒素又はヘリウムを用いる。メタノールのピークが約4分後に現れるようにキャリアーガスの流量又は力ラム温度を調節する。
強熱残分   0.7%以下
水    分   2.0%以下(1g、直接滴定)
定量法    本品約1gを精密に量り、水を加えて溶かして正確に100mlとする。この液10mlを正確に量り、水酸化ナトリウム溶液(1→10)10mlを加え、還流冷却器を付けて30分間穏やかに煮沸する。冷後、希硝酸で中和し、指示電極に銀電極、参照電極に銀一塩化銀電極を用い、0.1mol/1硝酸銀溶液で滴定する。別に空試験を行い補正し、更に無水物換算を行う。

0.1mol/1硝酸銀溶液lml=13.255mgC12HI9Cl308


 第2添加物の部F使用基準の項の水溶性アナトーの目の次に次の一目を加える。
スクラロース
 スクラロースの使用量は、生菓子及び菓子にあってはその1kgにつき1.8g以下(チューインガムにあってはその1kgにつき2.6g以下)、ジヤムにあってはその1kgにつき1.0g以下、清酒、合成清酒、果実酒、雑酒、清涼飲料水、乳飲料及び乳酸菌飲料(希釈して飲用に供する飲料水にあっては、希釈後の飲料水)にあってはその1kgにつき0.40g以下、砂糖代替食品(コーヒー、紅茶等に直接加え、砂糖に代替する食品として用いられるものをいう。)にあってはその1kgにつき12g以下並びにその他の食品にあってはその1kgにつき0.58g以下でなければならない。ただし、特別用途表示の許可又は承認を受けた場合は、この限りでない。       
  
    


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