通知

 

環食第52号

昭和57年02月27日

都道府県知事

政令市長

特別区長

環境衛生局

 

 

食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について

 
〔改正経過〕
第一次改正 〔平成5年11月29日衛食第156号

 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号) 及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の一部が、それぞれ昭和57年2月16日厚生省令第4号及び厚生省告示第20号をもって改正されたので、下記の諸点に留意の上その運用に遺憾のないようにされたい。
  

  
第一 改正の要旨
  
1 省令関係 食品衛生法施行規則第5条第1項第1号中ヌ「冷凍果実飲料」の定義が改められ、「冷凍果実飲料」から「冷凍した原料用果汁」が除かれたことその他所要の整理が行われたこと。  
2 告示関係(1) 清涼飲料水について
 近年の科学技術の進展に伴い、清涼飲料水の製造技術が高度化し、また、消費者し好の変化に伴い製品が多様化してきている状況を勘案し、清涼飲料水の成分規格、製造基準、保存基準及び調理基準が改正されたこと。
(2) 添加物の使用基準についてア 亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム(結晶)、亜硫酸ナトリウム(無水)、次亜硫酸ナトリウム、無水亜硫酸及びメタ重亜硫酸カリウム(以下「亜硫酸類」という。)の使用基準が改正されたこと。
イ ニコチン酸及びニコチン酸アミドの使用基準が新たに設定されたこと。(3) 器具及び容器包装についてア ポリメタクリル酸メチル、ナイロン及びポリメチルペンテンをそれぞれ主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装についてそれぞれの特性に応じた規格が定められたこと。また、合成樹脂製の器具又は容器包装に一般に適用される規格が定められたこと。
イ 金属缶(乾燥した食品(油脂及び脂肪性食品を除く。)を内容物とするものを除く。)について新たに規格が定められたこと。
ウ これらの改正に伴い、第三 器具及び容器包装の部を全面的に整理し、A 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料一般の規格、B 器具又は容器包装一般の試験法、C 試薬、試液等、D 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の材質別規格、E 器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の用途別規格及びF器具及び容器包装の製造基準の各項からなることとされたこと。
エ 清涼飲料水(原料用果汁を除く。)の容器包装について強度等試験法等による規格が整備されたこと。
第二 改正の要点
    
1 清涼飲料水関係(1) 成分規格についてア 着色の目的に使用される添加物に起因する混濁又は沈澱物について、これがあっても差し支えないこととされたこと。
イ 重金属等の規定について、ヒ素、鉛及びカドミウムを検出するものであってはならないこととされ、スズに関する規定については、容器包装に由来する場合に限らず150.0ppm以下とされたこと。
 なお、試験法が機器分析法等に改められたこと。(2) 製造基準についてア 製造基準が「冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水」、「冷凍果実飲料」及び「原料用果汁」に区分されて定められたこと。また改正前の容器包装に係る規定が第三 器具及び容器包装の部に移されたこと。
イ 冷凍果実飲料及び原料用果汁以外の清涼飲料水(ア) 廃止
(イ) 殺菌方法が改められ、pH4.0未満のものにあっては、その中心部の温度を65℃で10分間加熱する方法若しくはこれと同等以上の効力を有する方法で殺菌すること。又はpH4.0以上のものにあっては、その中心部の温度を85℃で30分間加熱する方法若しくはこれと同等以上の効力を有する方法で殺菌することとされたこと。また、炭酸を含有するものにあっては容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で1.0kgf/cm2以上であって、かつ、植物又は動物の組織成分を含有しないもの以外は殺菌を要することとされたこと。
(ウ) 殺菌の記録は、すべて6か月間保存しなければならないこととされたこと。ウ 冷凍果実飲料(ア) 搾汁された果汁の殺菌方法が前記イの(イ)の殺菌方法の場合と同様に改められたこと。
(イ) 殺菌の記録は、すべて6か月間保存しなければならないこととされたこと。エ 原料用果汁(ア) 製造に使用する果実は、鮮度その他の品質が良好なものであり、かつ、必要に応じて十分洗浄したものでなければならないこととされたこと。
(イ) 搾汁及び搾汁された果汁の加工は、衛生的に行わなければならないこととされたこと。(3) 保存基準についてア 紙栓をつけたガラス瓶に収められたものは、10℃以下で保存しなければならないこととされたこと。
イ 冷凍した原料用果汁は、マイナス15℃以下で保存しなければならないこととされたこと。
ウ 原料用果汁は、清潔で衛生的な容器包装に収めて保存しなければならないこととされたこと。(4) 調理基準について
 「運搬器具又は容器包装に充てんされた原液を用いて自動的に清涼飲料水の調理を行う器具(清涼飲料水全自動調理機という。)」についても、コップ販売式自動販売機と同様に調理基準を適用することとし、これに伴い所要の整理が行われたこと。
2 添加物関係(1) 亜硫酸類の使用基準についてア 乾燥果実(ほしぶどうを除く。)に対する二酸化イオウとしての残存量がその1kgにつき2gとされたこと。
イ 果実酒の製造に用いる酒精分一容量パーセント以上の果実搾汁及びこれを濃縮したものの二酸化イオウ残存量の制限が廃止されたこと。(2) ニコチン酸及びニコチン酸アミドの使用基準について
食肉及び鮮魚介類(鯨肉を合む。)に対する使用が禁止されたこと。
3 器具及び容器包装関係(1) 合成樹脂製の器具又は容器包装についてア 合成樹脂製の器具又は容器包装のすべてに共通する規格として、一般規格が定められたが、その内容は次のとおりであること。① 材質試験
  カドミウム及び鉛について規定されたこと。
② 溶出試験
  重金属及び過マンガン酸カリウム消費量について規定されたこと。イ 新たに定められたポリメタクリル酸メチルを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の規格の内容は次のとおりであること。
溶出試験
蒸発残留物及びメタクリル酸メチルについて規定されたこと。
ウ 新たに定められたナイロンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の規格の内容は次のとおりであること。
溶出試験
蒸発残留物及びカプロラクタムについて規定されたこと。
エ 新たに定められたボリメチルペンテンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の規格の内容は次のとおりであること。
溶出試験
蒸発残留物について規定されたこと。(2) 金属缶(乾燥した食品(油脂及び脂肪性食品を除く。)を内容物とするものを除く。)についてア 新たに定められた金属缶の規格の内容は次のとおりであること。
溶出試験
ヒ素、鉛、カドミウム、フェノール、ホルムアルデヒド、蒸発残残留物、エピクロルヒドリン及び塩化ビニルが規定されたこと。(3) 清涼飲料水(原料用果汁を除く。)の容器包装について
 清涼飲料水の容器包装が、ガラス製容器包装、金属性容器包装(容器包装の開口部分に密封のために金属以外の材質を用いたものを含む。)、合成樹脂製容器包装、合成樹脂加工紙製容器包装、合成樹脂加工アルミニウム箔製容器包装又は組み合わせ容器包装(金属、合成樹脂、合成樹脂加工紙又は合成樹脂加工アルミニウム箔のうち、二以上を用いる容器包装をいう。)に改められ、それぞれの容器包装の特性に応じて密栓、密封等に関する強度等試験法等による規格が定められたこと。
  
第三 運用上の注意
  
1 清涼飲料水について(1) 重金属等に関する規定の改正は、一般に有害性が認められているものを規制対象とし、更に現時点での清涼飲料水の製造過程等における重金属等汚染の可能性を考慮して行われたものであること。
(2) 原水とは、清涼飲料水の原料として用いる水及び清涼飲料水原料の希釈、溶解等に用いる水をいうものであること。
 なお、鉱水のみを原料としたミネラルウォーターの原水について、告示の第一 食品の部D 各条の項の〇 清涼飲料水の2の(1)の2.の表の第一欄の一部を適用しないこととされたのは、当該製品の原料特性及び飲用実態が考慮されたためであること。
(3) 殺菌に関する規定の改正は、微生物の発育及び熱死滅に及ぼすpHの影響並びに二酸化炭素圧力による静菌効果を考慮して行われたものであること。
(4) 殺菌記録の保存に関する規定は、自主管理の徹底を図るともに、監視時における殺菌方法の遵守状況の点検及び事故発生時の原因究明等を考慮して、自記温度計による記録に限らずすべて6か月間保存するよう改められたものであること。
(5) 原料用果汁が製造基準上区分されたが、これは、原料用果汁を用いた清涼飲料水の製造過程において、製造基準のすべてが適用されるため原料用果汁については、原料としての衛生要件についてのみ規定されたものであること。
(6) 「清涼飲料水全自動調理機」とは、いわゆる「ディスペンサー」のうち、コップ販売式自動販売機と同様の調理行為を行うものをいうものであること。  
2 食品添加物の表示について 亜硫酸類、ニコチン酸及びニコチン酸アミドの使用基準の改正に伴い、使用基準に関する表示の変更が必要となるので、関係営業者を適切に指導されたいこと。  
3 器具及び容器包装について(1) ポリメタクリル酸メチル、ナイロン及びポリメチルペンテンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装とは、それぞれ基ポリマー中のメタクリル酸メチル、ナイロン又はメチルペンテンの含有率が50パーセント以上のものをいうものであること。
(2) 金属缶とは、通例その構造体が金属で構成されている容器包装をいうものであること。
(3) 清涼飲料水の容器包装について、清涼飲料水の流通、保管等の取扱いを考慮し、細菌等の汚染を防止する観点から、それぞれの用途に応じた強度等試験法による規格が設定されたものであり、これらの規格(金属性容器包装の2.に定めるものを除く。)に適合する容器包装は、密栓又は、密封が確保されていることを意味するものであること。 
第四 適用期日
 (省略)         


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