通知

 

環乳第29号

昭和55年07月01日

 

 

麻痺性貝毒等により毒化した貝類の取扱いについて

 
各都道府県知事 各政令市市長    殿 各特別区区長 
麻痺性貝毒等により毒化した貝類の取扱いについて
 
 麻痺性貝毒及びいわゆる脂溶性貝毒による食中毒の防止については、従来から種々御配意を煩わしてきたところであるが、これら貝毒により毒化した貝類について、今後左記により取扱うこととしたので、これが取扱いに遺憾のないようされたい。
 なお、このことについては、水産庁と協議済みであるので念のため申し添える。
 

 
1 麻痺性貝毒又はいわゆる脂溶性貝毒を含む貝類について、殻付き、むき身、加工品等その形態のいかんを問わず、その可食部1g当たりの毒量が麻痺性貝毒にあつては4MU(マウスユニット。以下同じ。)、いわゆる脂溶性貝毒にあつては0.05MU(以下これらを「規制値」という。)を超えるものの販売等を行うことは、食品衛生法第四条の規定に違反するものとして取扱うこと。
 ただし、有毒部分の除去等の処理により、その可食部1g当たりの毒量が規制値以下になることが明らかに認められるものであつて、当該処理のため処理施設へ搬送されるものについては、同法第四条第二号ただし書きに該当するものとして取扱つて差し支えないこと。

2 この種の食中毒の防止のためには生産地又は出荷地における対策が最も重要なことから、生産地又は出荷地たる都道府県、政令市若しくは特別区(以下「都道府県等」という。)にあつては、貝類の毒化の推移の把握に努め、毒化の傾向が認められた場合には関係者に対し適切な指導を行うとともに、監視及び検査の体制を強化するなど違反品が出荷されることのないよう必要な対策を講ずること。
 特に、有毒部分の除去等の処理を行う場合は、次によることとし、これらの遵守状況について十分な監視を行うこと。
1) 処理を行う原料貝は、処理施設の処理方法、処理体制等からみて当該処理により製品に含まれる毒量が確実に規制値以下になると認められるものに限ることとし、処理施設以外へ搬送されることがないよう必要な体制を整備させること。
2) 処理は、貝類の採捕された都道府県等内において当該処理が適正に行われる体制を有すると認められる施設においてのみ行わせることとし、やむを得ず他の都道府県等において二次処理を行うような場合は、当該都道府県等と連絡を密にし、適正な搬送及び処理の体制を有していると認められる場合においてのみ行わせること。
3) 処理を行う営業者に対しては、処理が適正かつ衛生的に行われるための処理要領を作成させるとともに、次の措置を講じさせること。
ア 処理工程部門ごとに責任者を配置して、処理要領を遵守させるなど適正な処理の確保に努めること。
イ 自主検査体制を整備し、処理後の製品については、ロットを代表する十分な検体について検査を行い、規制値を超えないことを確認したもののみ出荷すること。

3 生産地又は出荷地以外の都道府県等にあつては、生産地情報の把握に努め、必要に応じ貝類の毒化した海域から出荷されたものの検査を行うなど、違反品が流通販売されることがないよう監視を強化すること。

4 貝類の毒化が認められた場合、生産地の都道府県等は、当該海域、貝の種類等を一般に周知するなど漁業者以外のものによる採捕、摂食等による事故の発生の防止に努めるとともに、毒化の状況及び講じた措置等について当局乳肉衛生課長あて報告し、あわせて関係都道府県等に対しても情報の提供に努めること。


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