通知

 

環食第516号

昭和47年11月06日

都道府県知事

特別区長

殿

環境衛生局

 

 

食品衛生法の一部を改正する法律等の施行について

 

 

 食品衛生法の一部を改正する法律等の施行については本日厚生省環第690号通知「食品衛生法の一部を改正する法律等の施行について(依命通達)」をもって厚生事務次官より通達されたところであるが、これが運用については、さらに次の事項に留意のうえ、遺憾のないようにされたく通達する。
 また、食品添加物等の規格基準の一部を改正する件及び食品衛生法第14条第1項の検査の方法及び合格の基準を定める件が、それぞれ8月30日厚生省告示第285号及び厚生省告示第286号をもって告示されたので、その運用に遺憾のないように配意されたく、あわせて通達する。
 なお、この通知においては、改正後の食品衛生法を「法」、改正後の食品衛生法を施行令を「令」、改正後の食品衛生法施行規則を「規則」とそれぞれ略称する。
 


第1 法改正並びにそれに伴う政令及び省令の改正等の関係
 
1 安全性に疑念のある食品等の規制に関する事項
 法第4条第2号の「疑い」があるとは、疫学的調査その他科学的調査により、有害な物質等が含まれ、又は附着している疑いが客観的に認められる場合をいうものであること。
 
2 営業者質任の強化に関する事項(1) 法第19条の18第2項の規定に基づき、基準を定めるにあたっては、別記(1)管理運営基準準則を参照されたいこと。
 
(2) (1)の基準の設定及び運用にあたっては、次の事項に留意すること。ア 準則は、食品及び添加物関係の営業に係る共通的事項を中心に作成したものであること。
 
イ 準則第5の食品衛生責任者としては、当該営業の種類、態様等に応じて、準則に掲げられた衛生上の各般の措置に関し相当の知識及び経験を有する者が充てられるようにすること。なお、この場合、知識及び経験については、就業者手帳等によって確認するものとすること。
 
ウ 特に、飲食店営業(露天飲食店営業を除く。)については、食品衛生責任者は、当該営業の重要な要素である調理行為に関し構ずべき衛生上の措置その他必要な衛生上の措置をとりまとめる必要があるので、調理師を充てるべく努力するよう営業者を指導すること。
 
エ 食品衛生責任者の配置の趣旨を生かし、食品衛生の向上に資するため、適宜、食品衛生責任者に講習会を受けさせることによりその資質の向上をはかること。
 (3) 法第19条の18第1項の規定による有毒な又は有害な物質が食品又は添加物に混入することを防止するための措置に関する基準については、おって設定される予定であるが、今後、一層、食品又は添加物の製造又は加工の工程における化学物質等の使用の実態の把握及びその適切な管理等の指導に努められたいこと。3 法第14条第1項の検査に関する事項(1) 従来、都道府県知事が行なうべきものとされていたサッカリンナトリウム及びその製剤、硫酸カルシウム及びその製剤並びに希釈過酸化ベンゾイルの製品検査は、検討の結果、その必要性がなくたったので、これを行なわないことにしたこと。
 
(2) 厚生大臣が行なうタール色素の検査については、検査の単位とするロットを形成する最大の量を120キログラムから300キログラムに改めたこと(規則別表第6)。
 
(3) 厚生大臣は、タール色素の検査の申請書を受理したときは、試験品を採取することになっている(令第1条第3項)が、当該業務は、従前どおり、食品衛生監視員に行なわせるよう委託するものであること。したがって、厚生大臣に対する検査の申請書の提出は、保健所長を経由するものとすること。
 
(4) 法第14条第1項の検査は、食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号。以下「告示第370号」という。)第2添加物の部に定める当該添加物に係る試験の方法によって行なうものとし、同部に定めるところに適合したときに合格したものとすること(食品衛生法第14条第1項の検査の方法及び合格の基準)。
 
(5) 規則様式第1号による合格証をもって製品の容器包装に封を施して行なう法第14条第1項の検査の合格の表示(規則第12条)は、検査機関の職員等の立会いのもとで申請者に附させてもさしつかえないこと。
 なお、タール色素の検査の場合は、従前どおり立会いの業務を食品衛生監視員に行なわせるよう委託するものであること。したがって、国立衛生試験所から所要数の合格証を保健所長に送付することとなること。4 法第15条第1項の検査に関する事項(1) 令第1条の2第1項に掲げるものの範囲等については、次のとおり取り扱うものとすること。ア 令第1条の2第1項第1号イの清涼飲料水には、紙栓をつけたガラスびんに収められた清涼飲料並びに果汁含有率10%以上の飲料及びトマトジュースを含まないものとすること。
 
イ 令第1条の2第1項第1号ロの粉末清涼飲料は、粉末ジュースないしインスタントジュースに限ること。
 
ウ 令第1条の2第1項第1号ニのケーシング誌かまぼこは、ねりつぶした魚肉を主要原料としたものをケーシング(合成フィルムの容器包装)に充てんし密封した後に加熱したものであること。
 (2) 令第1条の2第2項の規定により食品衛生上の危害の発生を防止するため必要な措置を講ずべき旨の通知をする場合においては、当該事例の態様等に応じ、適切かつ具体的な改善の措置等を示すものとすること。
 
(3) 検査命令は、令第1条の2第2項の通知をした後、改善措置のために必要な相当期間経過後、同一事由による違反を確認し、引き続き当該事由により違反するおそれがあると認めたときに行なうものとするが、当該通知を受けても必要な措置を講じない場合、違反の生ずる原因が不明な場合等違反食品等が引き続き製造され、又は加工されると認められる場合においては、当該相当期間経過前においても検査命令を行なうこととすること。
 
(4)  令第1条の2第2項の規定により都道府県知事が定める期間は個々の事例に応じ必要最小限度の期間とすること。
 
(5) 令第1条の2第2項の規定により検査命令書に記載する検査の項目は、個々の事例に応じ、食品衛生上の危害の発生を防止するために検査の必要のある項目とすること。
 また、検査の方法は、告示第370号に定める試験の方法等通常用いられる方法とすること。
 
(6) 令第1条の2第2項の規定により検査命令書に記載する試験品の採取方法を定めるにあたっては、その採取数量は少なくとも別記(2)試験品の採取数量に示す数量とすること。
 
(7) 検査は、採取した試験品ごとに検体を採って行ない、すべて違反でないという結果が出た場合に当該ロットを形成する製品は違反製品でないこととすること。
 
(8) 規則第13条第5号の検査を受けるべきことを命ずる具体的理由としては、引き続き違反するおそれがあると認めるに至った理由及び検査を行なう必要があると認める理由を具体的に記載するものとすること。
 
(9) 検査命令を効果的に行なうため、検査命令を行なう場合は、あらかじめ、関係行政機関の長(地方農政局長又は通商産業局長)に通報し、その意見を十分きくようにすること。
 
(10) 検査命令の実施状況については、月ごとに次の事項をとりまとめて、翌月15日までに本職あて報告されたいこと。ア 検査命令の発動状況
イ 検査の実施状況
ウ 検査の結果に基づく措置の状況5 洗浄剤の規制に関する事項
 野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に供する洗浄剤についての公衆衛生の見地からの規制は、次のとおりであること(法第29条第2項)。(1) 野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄に用いることを目的とする洗浄剤(以下「食品用洗浄剤」という。)の成分規格及び使用基準を定めること。
 
(2) 有毒な又は有害な物質が含まれ、又は附着する害の原因によりその使用が人の健康をそこなうおそれがある食品用洗浄剤の販売等を禁止するほか、食品用洗浄剤以外の洗浄剤であって有毒な又は有害な物質が含まれ、又は附着する等の原因により人の健康をそこなうおそれがあるものが、野菜若しくは果実又は飲食器の洗浄の用に転用されて使用されることを禁止すること。
 6 その他
 法第15条第2項の検査命令を行なうため、加工食品以外の食品を除き、輸入の届書に製造所の名称及び製造者の氏名等を記載しなければならないこととしたこと(規則第15条第3号及び第4号)。
 
第2 その他
 
1 食品衛生検査施設に関する事項
 都道府県及び政令市の設置する食品衛生検査施設に必要な機械及び器具については、具体的には規則で定めることとしたこと(令第2条及び規則第18条の2)。
 
2 放射線照射食品に関する事項(1) ばれいしょの発芽防止の加工として放射線を照射することを認めることとしたこと(改正後の告示第370号第1 食品の部B 食品一般の製造、加工および調理基準の項の1及びD 各条の項の〇 果実、野菜および茶の3)。
 なお、当該照射行為については、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)による規制を受けるものであること。
 
(2) 食品の放射線照射業を法第20条の規定による施設の基準を定めるべき営業としたこと(令第5条第14号の2)。
 なお、施設の基準を定めるにあたっては、別記(3)食品の放射線照射業の施設基準準則を参照されたいこと。
 
(3) 食品の放射線照射業の許可手数料の額の限度は3,000円としたこと(改正後の地方公共団体手数料令第1条第1項第56号の2)。
 
(4) 放射線照射食品を加工する営業の施設には、法第19条の17の規定により食品衛生管理者を置かなければならないこととしたこと(令第4条の2)。
 
(5) 照射業務開始前に、化学線量計を用いて線量を測定し、所定の線量を確保することができるよう線源と食品との距離及び照射時間を定めるよう指導すること。
 
(6) 食品の放射線照射業に対する監視指導の回数は、当該営業の業務期間を考慮して年間4回としたこと(令第3条)。
 
(7) 放射線照射食品を表示を要する食品とし、放射線を照射した旨の表示をしなければならないこととしたこと(規則第5条第1項第1号カ及び別表第3第8号)。
3 タール色素の製剤の成分規格を定めたこと(改正後の告示第370号第2添加物の部F各条の項の○タール色素の製剤)

以下省略


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