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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

172  食品に直接添加するために許可された食品添加物
着香料並びに関連物質

§560  変性ホップ抽出物

§172.560 変性ホップ抽出物
  
食品添加物変性ホップ抽出物は、次に記載する条件に従って、ビールに安全に使用することができる:
(a) 本食品添加物は、着香剤としてビールの醸造に使用する。
(b) 本食品添加物は、次の方法の中の一つを用いて製造する。
(1) 本添加物は、ホップのヘキサン抽出物に、アルカリ性水溶性中で、水素化ホウ素ナトリウムによる異性化と選択還元を同時に行なってつくる。この場合、本添加物は次の規格に適合する:
(ⅰ) 本食品添加物固形分を、約0.012 Nのアルカリ性メチルアルコール(1N水酸化ナトリウム6mlをメチルアルコールで希釈して500 mlとする)に溶かすと、253mμにおいて1㎝当り 0.6〜0.9 の吸光度を示す。(この吸光度は、1mlに固形分約0.03mgを溶かすと得られる。)この溶液の紫外線吸収スペクトルは、次の特性を示す:253mμに吸収のピークがある; 320〜330mμには吸収のピークがない;268mμにおける吸光度は、272 における吸光度よりも小さい。
(ⅱ) 本食品添加物のホウ素含量は、ホウ素に換算して310mμ(0.0310%)を超えない。
(2) 本添加物は、ホップを、ベンゼン、軽質石油スピリットおよびメチルアルコールを溶媒として順次抽出、分別し、次に炭酸カリウム処理により異性化して製造する、変性ホップ抽出物中の溶剤残留分は、ベンゼン 1.0ppm 以下、軽質石油スピリット 1.0ppm 以下、
メチルアルコール 250ppm 以下でなければならない。溶剤の軽質石油スピリット、およびベンゼンは、§172.250 の規格に適合しなければならない。ただし、軽質石油スピリットの沸点範囲は 150°F− 300°Fとする。
(3) 本添加物は、ホップを、塩化メチレン、ヘキサンおよびメチルアルコールを溶媒として、順次抽出、分別し、次に水酸化ナトリウム処理により異性化して製造する。変性ホップ抽出物中の溶媒残留分は、塩化メチレン5ppm 以下、ヘキサン25ppm 以下、メチルアルコール 100ppm 以下でなければならない。
(4) 本添加物は、ホップを、ベンゼン、軽質石油スピリット、メチルアルコール、η−ブチルアルコールおよび酢酸エチルを溶媒として、順次抽出、分別し、次に炭酸カリウム処理により異性化して製造する。変性ホップ抽出物中の溶媒残留物は、ベンゼン1.0 ppm いか、メチルアルコール50ppm 以下、η−ブチルアルコール50ppm 以下、酢酸エチル1ppm 以下でなければならい。溶媒の軽質石油スピリットおよびベンゼンは、§172.250 の規格に適合しなければならない。ただし、軽質石油スピリットの沸点範囲は 150°F− 300°Fとする。
(5) 本添加物を製造するには、初めに、ホップを次の溶媒の中の一つまたは二つ以上を用いて抽出、分別する:二塩化エチレン、ヘキサン、イソプロピルアルコール、メチルアルコール、塩化メチレン、トリクロロエチレン、および水。続いて、二塩化エチレン、塩化メチレンまたはトリクロロエチレン中で、塩化カルシウムあるいは、塩化マグネシウム処理して異性化し、さらに、本 paragraphに示した溶媒の中の一つまたは二つ以上を用いて、順次抽出、分別する。変性ホップ抽出物中の溶媒残留分は、ヘキサン 125ppm 以下、二塩化エチレン、塩化メチレン、またはトリククロエチレン 150ppm 以下、イソプロピルアルコール、またはメチルアルコール 250ppm 以下でなければならない。
(6) 本添加物を製造するには、初めに、ホップを本 sectionの paragraph(b)(5)に記載した溶媒の中の一つまたは二つ以上を用いて抽出、分別する。続いて、塩酸または硫酸で酸性にしたメチルアルコール、エチルアルコールあるいはイソプロピルアルコール中で、パラジウムを触媒として水素添加;過酢酸を用いて酸化;二塩化エチレン、塩化メチレンまたはトリクロロエチレン中で、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム処理により異性化する(水素添加と異性化の工程は、順序を逆にしてもよい)。さらに本 sectionの paragraph(b)(5)に記載した溶媒の中の一つまたは二つ以上を用いて順次抽出、分別する。本添加物は、本 sectionの paragraph(b)(5)記載した残留分に関する制限に適合しなければならない。
(7) 本添加物を製造するには、ホップを本 sectionのparagraph(b)(6)に示したように処理し、続いてアルカリ性メチルアルコール水溶液中で水素化ホウ素ナトリウムで還元、さらに本 sectionの paragraph(b)(5)に記載した溶媒の中の一つ、または二つ以上を用いて、順次抽出、分別する。本添加物は、本 sectionの paragraph(b)(5)に記載した、残留分に関する制限に適合しなければならない。また、ホウ素含量は、ホウ素換算で 300ppm(0.0300%)を超えない。
(8) 本添加物を製造するには、初めに、ホップを本 sectionの paragraph(b)(5)に記載した溶媒の中の一つ、または二つ以上を用いて抽出、分別し、次いで水抽出し、排水性溶媒を0.5 %以下になるまで除去して、異性化できない不揮発性ホップレジンとする。本添加物は、ビール製造の際、麦芽汁を煮る前、または煮ている間に、これに添加する。