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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

145  缶詰フルーツ
特定の規格缶詰フルーツの要件

§170  缶詰桃

§145.170 缶詰桃
 
(a) 同定
(1) 材料。缶詰桃は、本 sectionの paragraph (a)(2)に規定する、ネクタリン種を除く、商業缶詰品種の Prunus persica L. 種の、生、冷凍、あるいは既製缶詰の任意の桃成分の一つから調製した食品であり、固形包装、あるいは、本 sectionのparagraph (a)(3)に規定する任意の包装充填液の一つに入れて包装することができる。本食品は、さらに、以下の安全で適当な任意の成分の一つ、あるいは二つ以上の組み合わせを含有することができる:
(ⅰ) 天然および人工着香料。
(ⅱ) 香辛料。
(ⅲ) 食用酢、レモン果汁、あるいは有機酸。
(ⅳ) 桃の種。ただし、皮むき全桃の場合を除き、完全缶詰桃 227g (8オンス) 当り桃の種1個以下とする。
(ⅴ) 桃の仁。ただし、皮むき全桃の場合、および本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅳ) の任意の成分を使用している場合を除く。
(ⅵ) 色の保持に必要な量を超えない量のアスコルビン酸。本食品は、容器に封入し、封の前後いずれかに、腐敗を防ぐための熱処理を行う。
(2) 品種および様式。本 sectionの paragraph (a)(1)で言及した任意の桃材料は、次の任意の品種、色種および桃材料の様式をした、完熟桃から調製する。すなわち:
(ⅰ) 任意の品種。
() Freestone(離核) は、種が果肉から容易にはなれる、はっきりとした特徴のある品種である。
() Clingstone (粘核)は、種が果肉に粘着する、はっきりとした特徴のある品種である。
(ⅱ) 任意の色種。
() 黄色  主色が、淡黄色から濃赤橙色の品種。
() 白色  主色が、白色から黄白色の品種。
() 赤色   主色が、淡黄色から橙赤色で、種子腔につながる部分をのぞいて、多様な赤い色調の品種。
() 緑色  熟しても果肉の色が緑がかった品種。
(ⅲ) 桃材料の任意の様式
() 全形   皮をむいた種を除いていない桃から成る。
() 半切れ  皮をむいて種を除き、ほぼ二等分した桃から成る。
() 半切れおよび細片  皮をむいて種を除いた桃の半切れが50重量%を超える混合物から成る。
() 1/4切れ  皮をむいて種を除き、ほぼ四等分した桃から成る。
() 薄切り  皮をむいて種を除き、くさび形に切った桃から成る。
() さいの目切り  皮をむいて種を除き、小片に切った桃から成る。
() 厚切り   皮をむいて種を除き、最小寸が13mm (0.5 インチ) 以上、最大寸が44mm(1.75 インチ) の小片に切った桃から成る。
() 破片あるいは不整形  皮をむいて種を除き、形、サイズが不ぞろいの小片に切った桃から成る。
(3) 包装充填液。
(ⅰ) 本 sectionの paragraph (a)(1)で言及した任意の包装充填液は、§145.3 に定義する次のものである:
() 水。
() 果汁と水。
() 果汁。
以上の包装充填液は、そのままで使用することができる。あるいは、安全で適当な栄養性炭水化物甘味料の一つ、あるいは二つ以上の組み合わせを添加することもできる。§145.3 で定義される甘味料は、その定義どおりでなければならない。ただし、本章 Part168に同定規格の定めがある栄養炭水化物甘味料は、§145.3 に示されるすべての定義の代わりに、上記の規格に適合しなければならない。
(ⅱ) 甘味料を、以上のような包装充填液の一部として添加する場合は、添加後の包装充填液の密度範囲を、§145.3(m)に記載した方法で測定し、ショ糖の重量% (ブリックス度) で表し、各々の密度範囲に適切な名称で示さなければならない。すなわち:
() 溶液の密度が10%以上14%未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を、(slightey sweetened water(わずかに甘味をつけた水)” または “extra light syrup (極薄シロップ)”、“slightly sweetened fruit juice(s) and water (ごく薄く甘味をつけた果汁と水)”、または “slightly sweetened fruit juice(s)(ごく薄く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
() 溶液の密度が14%以上18%未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を “light syrup(薄シロップ)”、“lightly sweetened fruit juice(s) and water(薄く甘味をつけた果汁と水)”、または “lightly sweetened fruit juice(s) (薄く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
() 溶液の密度が18%以上22%未満のときは、各々の場合に応じて、充填液を “heavy syrup(濃シロップ)”、“heavily sweetened fruit juice(s) and water(濃く甘味をつけた果汁と水)”、または “heavily sweetened fruit juice(s) (濃く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
() 溶液の密度が22%以上35%のときは、各々の場合に応じて、充填液を “extra heavy syrup(極濃シロップ)”、“extra heavily sweetened fruit juice(s) and water(極めて濃く甘味をつけた果汁と水)”、または “extra heavily sweetened fruit juice(s) (極めて濃く甘味をつけた果汁)”と呼ぶものとする。
(4) 表示要件。
(ⅰ) 本食品の名称は「桃」である。本 sectionの paragraph (a)(2)(ⅰ) に記述した任意の品種を、名称の一部として入れなければならない。製品を特徴づける着香料が含まれるときは、本章§101.22の規格に従いその表示を、また、製品を特徴づける香辛料あるいは調味料が含まれるときはそれらの表示を、本品の名称に入れなければならない。例えば、“Spice added (香辛料添加)”、あるいは「香辛料」という語の代わりに香辛料の一般名、“Seasoned with vinegar (食用酢で調味した)”、あるいは “Seasoned with peach kernels(桃の仁で調味した)”とする。本 sectionの paragraph (a)(1)(ⅱ) から (ⅴ) に規定する任意の成分の二つ以上を使用するときは、それらの語を、例えば、“Seasoned with cider vinegar, cloves, cinnamon oil and peach kernels (リンゴ酢、クローブ (丁子) 、シナモン油および桃の仁で調味した)”のように組み合わせることができる。
(ⅱ) 本 sectionの paragraph (a)(2)(ⅱ) および (ⅲ) に規定する桃材料の色種と様式、ならびに “In (〜の中に)”あるいは“Packedin(〜の中に包装した)”という語に続く、本 sectionの paragraph (a)(3)(ⅰ) および (ⅱ) に規定する包装充填液の名称、または“Solid pack(固型包装)”という語のいずれか適切なものを、本食品の名称の一部として含めるか、名称のすぐ近くに表示しなければならない。ただし、“Halves(半切れ)”の代わりに “Halved (半切れの)”と表示することができる。 “Halves and pieces(半切れおよび破片)”は、“Halved and pieces (半切れのものおよび破片)”、“Quarters (1/4切れ)” は“Quartered (1/4切れの)”、“Slices (薄切り)”は “Sliced (薄切り)”の、“Dice (さいの目切り)” は “Diced (さいの目切りの)”と表示することができる。細片あるいは不整形は、“Pieces (破片)”、“Irregular pieces(不整形)”、または “Mixed pieces of irregular sizes and shapes (不ぞろいの形、サイズの混合)”と表示するものとする。“Chunky(厚切り)” は、“Chunks(厚切り)”と表示することができる。“Cling (種ばなれしない)” および “Free(種ばなれする)”という語を、それぞれ、“Clingstone(粘核)”、“Freestone (離核)”の任意の表示として使用することができる。甘味に加えて、味、香味、その他の性質を完成品に与える甘味料を用いて包装充填液を調製するときは、包装充填液の名称に、その甘味料の名称を添えなければならない。例えば、赤砂糖とはちみつの混合物の場合、適切な説明は、“---sirup of brown sugar and honey (赤砂糖とはちみつの○○○○シロップ) となり、空白は、各々の場合に応じて、“light (薄)”、“heavy (濃)”、あるいは“extra heavy( 極濃)”の語で埋める。本 sectionの paragraph(a)(3)(ⅰ) および (ⅱ) で規定する包装充填液の液体部分が果汁の場合は、次のように、包装充填液の名称中に、その果汁を表示しなければならない。
() 単一の果汁の場合は、“fruit (果実)”という語の代わりに、その果汁の名称を用いなければならない。
() 二つ以上の果汁の組み合わせの場合は、果汁の名称を、重量の大きいものから順に並べて、包装充填液の名称中の “fruit(果実)”という語の代わりに使用するか、あるいは、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅲ) の規格に従い、ラベル表示するかしなければならない。そして、
() 単一の果汁、または二つ以上の果汁の組み合わせでいずれかが濃縮還元の場合は、“from concentrate(s) (濃縮還元)”という語を、包装充填液の名称中の “juices(s)(果汁)”という語の後につけなければならない。また、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅲ) の規格に従って表示をしているときには、上記の果汁の名称中の “juices(s)(果汁)”という語の後にも、“from concentrate(s) (濃縮還元)”という語をつけなければならない。
(ⅲ) 使用された果汁の名称が、本 sectionの paragraph (a)(4)(ⅱ)()の規定に従い、包装充填液の名称の中に示されていないときはいつでも、その名称、および本 sectionのparagraph (a)(4)(ⅱ) cに規定する “from concentrate(s)(濃縮還元)”という語を、本章§101.3(d)の要件に従って、成分説明の中に示されなければならない。
(ⅳ) ラベル表示。本食品中に使用の、材料、成分の各々は、本章 part 101 および 130の該当する sectionに規定するように、ラベル上に表示するするものとする。
(b) 品質。缶詰桃の品質規格は以下のとおり:
(ⅰ) 完熟度。本 sectionの paragraph (b)(2)に記載した方法に従って試験したすべての単位に、 300g (10.6オンス) 以下のおもりで穴があく。
(ⅱ) 最小サイズ。半切れおよび1/4切れの場合、各単位の重量が、それぞれ17g(0.6オンス) 、 8.5g (0.3 オンス) 以上。
(ⅲ) サイズの均一性
() ホール、半切れ、および1/4切れ。ホール、半切れ、および1/4切れの場合、最大単位の直径 (幅) が 1.5cm (0.6 インチ) 以下、最小単位の直径 (幅) より大きい。20単位を超える単位を含む容器では、この測定の際、2単位を無視することができる。容器の内で砕けた単位がある場合は、集めた細片を再び組み合わせて、適切な様式の一単位に近いものをつくる。 
() 厚切り。厚切りの場合、13mm (0.5 インチ) の幅のすき間を通る。あるいは、最長辺の長さが44mm (1.75インチ) を超える単位は、容器の内容物の固形物重量の25%以下。
(ⅳ) 果皮。果皮の総面積は、正味重量 1,000g当り15cm以下 (16オンス当り、1.05平方インチ以下) 。桃に付着している、あるいは容器中に遊離しているすべての果皮を含む。
(ⅴ) 損傷した単位。瘡痂病、雹害、変色、その他の異常など損傷した単位は、容器中の単位の個数の20%以下。損傷した単位とは、表面に、全体の色と著しく異なる変色部を有するものをいい、変色が果肉部に達しているものをも含む。
(ⅵ) へりを切り落とした単位。全桃、半切れ、1/4切れ、薄切りの場合、すべての単位は、へりを切り落としていないか、またはその単位の正常な形を保持するためにへりを切り落としている。
(ⅶ) くずれた、あるいはつぶれた単位。全桃、半切れ、半切れおよび細片、1/4切れ、薄切り、さいの目切り、および厚切りの場合、くずれた、あるいはつぶれた単位は、20単位以上を含む容器では、その単位数の5%以下、20単位未満の容器では、1単位以下。熟し切ったために正常な形をなくし、かつつぶれたあとがみられない単位を、くずれたあるいはつぶれたとみなしてはならない。
(ⅷ) 種および種の細片。全桃の場合、および、桃の種または仁全体を調味成分として使用している場合を除き、すべての様式において、正味重量 5.67kg (200オンス) 当り、実から離れた種、あるいは実から離れた大きく固い種の細片 (10mm (3/8インチ) 以上) は1個以下、あるいは、大きく固い種の細片を1個以上付着した桃は一単位 (例えば、桃半切れ、あるいは薄切り) 以下。さらに、次のものは、単一で、あるいは二つ以上の組み合わせで、総重量 2.83kg (100オンス) 当り、3個以下:(a) 1.6mm (1/16インチ) 以上10mm (3/8インチ) 未満の小さく固い種の細片が1個以上付着した単位、(b) 1.6mm (1/16インチ) 未満の小さな種の細片が3個以上付着した単位、または () 10mm (3/8インチ) 未満の実から離れた小さな固い種の細片。
(2) 缶詰桃は、本 sectionの paragraph (b)(1)(ⅰ) の要件を満たすか否かを調べるため、次の方法で試験しなければならない:一つの単位から、果皮面が上を向いた状態で支持受器中に収まるよう、被試験片を切りとる。その単位の果皮面の各部分で固さが異なる場合は、最も固い部分から被試験片を切りとる。被試験片が皮つきの場合は、皮をむく。受器は、上部が内径29mm (1.125 インチ) の円形で垂直の側面をしたもの、あるいは、上部が内寸19mm (0.75インチ) × 25mm(1インチ) の長方形で、端部が垂直、側面が下方に向けて傾き、軸方向の深さ19mm (0.75インチ) のところで中心を交わるものを用いる。円形受器に合うような被試験片を切りとれるサイズの単位の試験には、円形受器を使用し、その他の単位の試験には、長方形受器を使用する。最低13mm (0.51インチ) × 25mm(1インチ) の長方形果皮面をもつ被試験片を切りとれない単位については、試験を行わない。直径4mm (0.16インチ) の円形金属棒を用いて試験を行う。棒の上端に、重量を加えることのできる装置がついており、棒は支持器で垂直に保持され、自在に上下に動く。棒の下端は、棒の縦軸と直交する平面である。棒と装置の合計重量を 100g(3.53 オンス) に調整する。被試験片の表面が水平になるように受器を設定する。棒の下端を被試験片の表面のほぼ中央にくるように下げ、棒が被試験片を破るまで、装置に、1秒当り12g (0.45オンス) の割合で、一定した連続的な加重を与える。棒と加重した装置の重量を測定する。50単位以下の容器では、試験するのに小さすぎる、あるいは切りとるのにやわらかすぎるものを除き、すべての単位を試験する。50単位を超える容器では、無作為に抜きとったサンプル最低50単位を試験する。ただし、試験をするのに十分なサイズと固さをもつ単位が50以下の場合は、十分なサイズと固さをもつ単位を試験する。
(3) §145.3(o)の規格に従い、適合を決定する。ただし、あるロットを、§145.3(p)に記載したサンプリング計画に従って分析したすべてのサンプルの平均値をもとに判断したとき、3ロットは果皮、種、および種の細片について、適合とみなされなければならない。
(4) 缶詰桃の品質が、本 sectionの paragraph (b)(1)に規定する基準以下の場合には、ラベルに、本章§130.14(a)に規定する基準以下の品質の一般表示を、そこに規定する方法、形式で行わなければならない。ただし、缶詰桃の品質が、本 sectionの paragraph (b)(1)(ⅰ) から (ⅷ) に規定する品質の要素のうち、ただ一要素についてのみ基準以下の場合は、上記基準以下の品質の一般表示の第二行 (“Good Food−Not High Grade (高品質ではないが良い食品)”) を、当該缶詰桃が満たしていない、本 sectionのparagraph (b)(1)の相当する表示の後に規定する、次の新しい行で代用することができる:
(ⅰ) “Not tender(柔らかくない)”、
(ⅱ) 各々の場合に応じて、“Small halves(小さな半切れ)” または “Small quarters (小さな1/4切れ)”、
(ⅲ) () “Mixed sizes(混合サイズ)”、() “Undersized and/or oversized pieces(小さすぎる、および/または大きすぎる細片)”、
(ⅳ) “Excess peel (果皮過剰)”、
(ⅴ) “Blemished (損傷物)”、
(ⅵ) “Unevenly trimmed(不均一仕上げ)”、
(ⅶ) “Partly crushed or broken (一部くずれあるいはつぶれあり)”、
(ⅷ) “Contains pits or pit fragments(種あるいは種の断片を含む)”。
以上の代用表示は、「桃」という名称、およびその名称と共に表示するよう本 sectionの paragraph (a)(2)で要求されている、また認可されている語および説明の直前または直後に、文字、印刷、図面を介在させることなく、目だつように行わなければならない。
(c) 容器の充填。
(1) 缶詰桃の容器充填量の基準は、任意の桃材料を、つぶしたり細片にしたりすることなく、容器に封入し、腐敗防止のため熱処理しうる最大量である。
(2) 缶詰桃が、本 sectionの paragraph (c)(1)に規定する容器充填量の基準以下の場合は、ラベルに、本章§130.14bに規定する基準以下容量の一般表示を、そこに規定する方法、形式で行わなければならない。
 
〔42 FR 14414, Mar. 15, 1977, 46 FR 33028, June. 26, 1981 にて改正; 50 FR 34677,Aug. 27, 1985 ; 51 FR 11434, Apr. 3, 1986; 58 FR 2880, Jan. 6, 1993〕