公益財団法人
日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)
170 食品添加物
一般規定
§3 定義
§
170.3 定義
本 Subchapter に対し、以下の定義を適用する。
(a) 「長官(“Secretary”)」とは、保健社会福祉省長官をいう。
(b) 「省(“Department”) 」とは、保健社会福祉省をいう。
(c) 「局長 (“Commissioner”) 」とは、食品医薬品局長をいう。
(d) 本 Part にて使用している通り、「法」とは、1936年6月25日承認の連邦食品医薬品化粧品法 52 Stat. 1040以下 (改正) 、改訂版 (21 U.S.C. 301-392)を示す。
(e) (1) 「食品添加物」とは、法 201 (s)節にて免除されるもの以外の全ての物質で、本来の使用目的に従って使用することにより、直接・間接に関わらず、当該物質が食品の成分となる、或いは食品の特性に影響を及ぼす、或いは当然そういった結果が予想されるものを示す。容器、包装製造に使用される資材が、直接・間接に関わらず、容器内の食品の成分となる、或いは容器内の食品の特性に影響を及ぼすものと当然予想できる場合は、当該資材も本項定義の適用を受ける。「食品の特性に影響を及ぼす」には、包装の内容物保護、形状保護、水分損失防止等の物理的効果は含まれない。包装から食品へ包装成分が移転しない場合、上述成分は食品の成分とはならず、従って食品添加物とはならない。食品の成分にはならないが、例えば、香、味やきめなどの特性を付加するために食品材料中に使用される物質は、食品添加物とみなすことができる。
(2)記載規制を要求しない食品添加物の使用。食品に接触する物品(例:食品の包装または食品加工設備)で、section170.39に基づき、食品添加物としての規制から免除されるような、わずかなレベルで食品中に混入する、または混入することが十分に考えられる物質の使用、および、有効な法令section409(h)の下で提示された通知に従って使用された食品接触物質。
(3)食品接触物質は、加工、梱包、包装、包装、運搬、および食品保管に使用する物質の成分として、その使用が意図され、その利用が食品中でいかなる技術的効果も意図しないすべての物質とする。
(f) 「食品への一般的使用」とは、かなりの数の消費者がその物質を食品用として長期に渡り消費しているということを示す。
(g) 「食品添加物」の定義文中の「物質」には、1つ以上の成分からなる食品或いは食品材料を含む。
(h) 「科学的方法」とは、人間、動物、分析、その他の科学的研究で、公表・未公表にかかわらず、物質の安全性確証に適切であるもの。
(i) 「安全な」、「安全性」とは、意図された使用条件下で当該物質が有害ではないと、正当に資格を有する科学者がかなりの確信を持っていることをいう。現段階の科学的知識では、いかなる物質であれ、その使用の絶対的な無害性を完全に確証することは不可能である。安全性は科学的方法もしくは安全性の一般的認知により決定することができる。安全性決定には、以下の要因を考慮に入れるものとする。
(1) 当該物質及び、当該物質を使用することにより食品中もしくは食品上に生成される物質の摂取予想量。
(2) 食品中の当該物質の蓄積効果。この時、食品中の化学的もしくは薬理学的に関係のある他の物質も考慮に入れる。
(3) 食品及び食品材料の安全性評価に関する科学的訓練を受け、経験もある専門家が一般的に適切であると認めている安全要因。
(j) 「腐敗しにくい加工食品」とは、摂取に不適当となるような腐敗、品質劣化が急速に起こらない加工食品を示す。例えば小麦粉、砂糖、穀物加工食品、包装してあるクッキー、クラッカーなどである。密閉された食品もしくは乳製品等、冷蔵保存を要する加工食品は含まない。
(k) 「安全性の一般認知」は、section170.30に従って決定するものとする。
(l) 「既認可」とは、連邦食品医薬品化粧品法、家禽製品検査法、食肉検査法に従い食品医薬品局もしくは米国農務省が、1958年9月6日以前に、食品への物質使用に関して与えた明確な認可をいう。
(m) 「食品」とは、人間の摂取用食品、食品に接触する物から食品へ移る物質、ペットフード、動物用飼料を含む。
(n) 人間の摂取用食品成分への使用の許容量もしくは制限を定める目的で、食品を特定関連食品ごとに分類するため、一般的な食品範疇を以下の通り定める。各食品は、国立科学アカデミーの報告書 Exhibit 33B (証拠書類33B)、国立研究会議の報告書「一般に安全と認められる食品化学物質の使用に関する産業調査」 (1972年9月)(ここに言及することにより本連邦規則の一部となる)に詳述した分類リストに従い、下記の範疇に入れるものとする。報告書のコピーの提供は、国立技術情報サービス(NTIS)(5285 Part Royal Rd., Springfield, VA 22161) が行っている。また国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、
http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html
へアクセスされたい。
(1) 焼きもの及びベーキングミックス。そのまま食べられるもの。食べる前に焼くだけで良い製品、小麦粉、食べる前に準備が必要なミックス等を含む。
(2) アルコール性飲料。即ち麦芽飲料、ワイン、蒸溜酒、カクテル等を含む。
(3) 非アルコール性飲料及び飲料ベース。特殊もしくは香辛料入りの茶、清涼飲料、コーヒー代用品、果実、野菜風味ゼラチン飲料等を含む。
(4) 朝食用穀物加工食品。そのまま食べられるもの、インスタントのもの、加熱穀類食品等を含む。
(5) チーズ。カード及びホエーチーズ、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、おろしたチーズ、プロセスチーズ、スプレッド用、ディップ用等のチーズを含む。
(6) チューインガム。あらゆる種類を含む。
(7) コーヒー及び紅茶。レギュラータイプ、カフェインレスタイプ、インスタントタイプ等を含む。
(8) 調味料及び薬味。プレーンな調味ソース、スプレッド、オリーブ、ピクルス、薬味等を含む。但し香辛料やハーブは含まない。
(9) 糖菓類及び砂糖衣。キャンディ、着香した砂糖衣、マシュマロ、ベーキング用チョコレート、赤砂糖、塊糖、氷砂糖、メープルシュガー、粉砂糖、粗糖等を含む。
(10) 乳製品類似品。乳成分を含まないミルク、冷凍もしくは液体クリーマー、コーヒーフレッシュ、トッピング等の乳成分を含まない製品を含む。
(11) 卵製品。液状、冷凍、乾燥卵及びこれらで作られる卵料理、例えば春巻き、オムレツ、卵サラダ、冷凍卵料理等を含む。但し鮮卵は含まない。
(12) 脂肪及び油脂類。マーガリン、サラダドレッシング、バター、サラダ油、ショートニング、料理用油等を含む。
(13) 魚肉製品。調理ずみのメインディッシュ、サラダ、前菜、冷凍食品、スプレッドで魚肉、貝類、その他水生動物を材料として含むもの。但し鮮魚は含まない。
(14) 鮮卵。調理した卵、鮮卵のみを材料とする卵料理も含む。
(15) 鮮魚。新鮮な及び冷凍した魚、貝類、その他の水生動物のみを含む。
(16) 新鮮な果実及び果汁。生果実、かんきつ類、メロン類、いちご類及びこれらを材料とする自家製の「エード類」やパンチ類のみを含む。
(17) 生肉。新鮮なもしくは家庭で冷凍した牛肉、子牛肉、豚肉、子羊肉、羊肉、生肉を材料とした自家製料理、サラダ、前菜、サンドイッチ用スプレッドのみを含む。
(18) 新鮮な家禽肉類。新鮮なもしくは家庭で冷凍した家禽及び狩猟鳥、新鮮な家禽肉を材料とした自家製料理、サラダ、前菜、サンドイッチ用スプレッドのみを含む。
(19) 新鮮な野菜、トマト、イモ類。新鮮なもの及び自家製のもののみを含む。
(20) 冷凍乳製品デザート及びミックス。アイスクリーム、アイスミルク、シャーベット等の冷凍乳製品デザート及び特製冷凍デザートを含む。
(21) 果汁氷菓及びアイスケーキ。果汁氷菓及びアイスケーキ全種類を含む。
(22) ゼラチン、プリン、フィリング。着香ゼラチンデザート、プリン、カスタード、パフェ、パインフィリング、ゼラチンをベースにしたサラダ等を含む。
(23) 穀物製品及びパスタ。マカロニ及びヌードル類、米料理、冷凍食品。但し肉や野菜は入れていないもの。
(24) 肉汁及びソース。即ちミートソース、肉汁、トマトソース、ミルクソース、バターソース、特製ソース等を含む。
(25) ハードキャンデー、せき止めドロップ。ハードキャンデー全種類を含む。
(26) ハーブ、種子、香辛料、調味料、それらの混合物、エキス、着香料。すべての天然及び人工香辛料、それらの混合物、着香料を含む。
(27) 自家製のジャム及びゼリー。自家製のジャム、ゼリー、果実ジャム、プレザーブ、甘味スプレッドのみを含む。
(28) 市販用のジャム及びゼリー。市販用の加工ジャム、ゼリー、果実ジャム、プレザーブ、甘味スプッドのみを含む。
(29) 肉製品。すべての肉類及び、市販用に加工されたもしくは市販用に加工し、家庭で調理する肉を用いた肉料理、サラダ、前菜、冷凍肉料理、サンドイッチの具を含む。
(30) 牛乳。全乳及び脱脂乳。全乳、低脂肪乳、液体脱脂乳を含む。
(31) 乳製品。着香牛乳、牛乳ベースの飲料、粉ミルク、トッピング、スナック菓子用ディップ、スプレッド、減量用ミルク飲料等の牛乳を原料とした製品を含む。
(32) ナッツ及びナッツ製品。丸ままのもしくは殻のままの木の実、ピーナッツ、ココナッツ及びナッツやピーナッツのスプレッドを含む。
(33) 植物性タンパク質製品。国立科学アカデミー/国立研究会議の「再構成野菜タンパク」範疇に分類されるもの、及び植物性タンパク質から作った肉、家禽肉、魚の代用品、類似品、増量品を含む。
(34) 家禽製品。すべての家禽肉及び、市販用に加工された、もしくは市販用に加工し、家庭で調理する肉を用いた家禽肉料理、サラダ、前菜、冷凍家禽肉料理、サンドイッチの具を含む。
(35) 加工果実及び果汁。市販用に加工された果実、かんきつ類、いちご類、混合物をすべて含む。これらから作ったサラダ、果汁、パンチ、濃縮物、希釈物「エード類」、代用飲料も含む。
(36) 加工野菜及び野菜ジュース。市販用に加工した野菜、野菜料理、冷凍野菜料理、野菜ジュース、及びその混合物をすべて含む。
(37) スナック食品。ポテトチップ、プレッツェル等のスナック菓子を含む。
(38) ソフトキャンディ。キャンディバー、チョコレート、ファッジ、ミント菓子等の柔らかい菓子もしくはヌガーキャンディを含む。
(39) 自家製スープ。肉、魚、家禽肉、野菜、ミックススープ等を含む。
(40) スープ及びスープの素。市販用に調理してある肉、魚、家禽肉、野菜、ミックススープ及びスープの素を含む。
(41) グラニュー糖。グラニュー糖のみを含む。
(42) 砂糖代用品。顆粒状、液状、錠剤の砂糖用品を含む。
(43) 甘いソース類、トッピング、シロップ。チッコレート、いちご類、フルーツ、コーンシロップ、メープルシロップ、トッピング等を含む。
(o) 人間の食品材料を食品に添加することによる物理的もしくは技術的機能効果を以下に述べる。これは国立アカデミー/国立研究会議が「一般に安全と認められる食品化学物質の使用に関する産業調査 (A Comprehensive Survey of Industry on the Use of Food Chemicals Generally Recognized as Safe)」(1972年9月)の題のもとに食品医薬品局に提出した食品産業に関する国内調査より採用したものであり、当該調査記録はここに言及することにより本連邦規則の一部となる。当該書類は国立技術情報サービス(NTIS) (5285 Port Royal Rd., Spring Field, VA 22161)にて入手できる。また国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、
http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html
へアクセスされたい。
(1) 「固結防止剤及び粘着防止剤」。微粒粉末状もしくは結晶状の食品に添加し、固化、まま粉化、塊化を防止する物質。
(2) 「抗微生物剤」。微生物及びそれに伴う腐敗を防止し食品を保存するための物質。制菌剤、カビ、糸引き防止剤、及び国立科学アカデミー/国立研究会議が「保存料」として挙げている効果を含む。
(3) 「抗酸化剤」。酸化による品質劣化、悪臭発生、変色を遅らせ、食品を保存するための物質。
(4) 「着色剤及び着色補助剤」。食品に色調もしくは色の濃淡を添加、保持、増進するために使用する物質。色素安定剤、色固定剤、色素保持剤(着色保存剤)等を含む。
(5) 「貯蔵及び漬物剤」。食品に独特の香味及び/もしくは色素を添加する物質。通常、貯蔵時の安定性を増進する。
(6) 「生地強化剤」。でんぷん及びグルテンを変性させ、より安定したドウを得る物質。国立科学アカデミー/国立研究会議が「ドウ調整剤」として挙げている適用効果も含む。
(7) 「乾燥剤」。吸湿力を有し、周囲を低温度に保つために使用する物質。
(8) 「乳化剤及び乳化塩」。乳化成分の表面張力を緩和し、均一な分散もしくは乳化を起こす物質。
(9) 「酵素類」。食品加工を促進し、完成品の品質を向上させる酵素類。
(10) 「凝固剤」。残存ペクチンを沈澱させ、支持組織を強化し、加工中の崩壊を防止するために添加する物質。
(11) 「香味向上剤」。食品の元来の味及び/もしくは香りを補足、増強、緩和するために添加する物質。それ自体の味もしくは香りは添加しない。
(12) 「着香剤及び着香補助剤」。食品に味もしくは香りを添加又は添加を補助する物質。
(13) 「小麦粉改良剤」。製粉した小麦粉に製粉所にて添加し、色調及び/もしくは焼き上がりの品質を向上させる物質。漂白剤及び熟成剤を含む。
(14) 「組織形成助剤」。食品を所要の物理的状態もしくは組織を促進もしくは生成するために使用する物質。キャリアー、結合剤、フィラー、可塑剤、膜形成剤、錠剤化補助剤等を含む。
(15) 「くん蒸剤」。昆虫もしくは害虫を防除する揮発性物質を含む。
(16) 「湿潤剤」。食品に添加し、保湿性を高める吸湿性物質。保湿剤、抗散粉剤を含む。
(17) 「膨張剤」。焼きものに添加し、二酸化炭素を発生もしくはその発生を促進し、組織を軽くする物質。国立科学アカデミー/国立研究会議が「ドウ調整剤」として挙げているイースト、イースト食品、カルシウム塩を含む。
(18) 「潤滑剤及び離形剤」。食品が接触する表面に添加し、成分及び完成品の付着を防止する物質。
(19) 「非栄養性甘味料」。等価の甘味度当りのショ糖のカロリーが2%未満の物質。
(20) 「栄養補助剤」。体の栄養、代謝面において必要とされる物質。
(21) 「栄養性甘味料」。等価の甘味度当りのショ糖のカロリーが2%を超える物質。
(22) 「酸化剤及び還元剤」。他の食品成分を化学的に酸化もしくは還元し、より安定した製品を生成する物質。国立科学アカデミー/国立研究会議が「ドウ調整剤」の下に挙げている適用効果を含む。
(23) 「PH調整剤」。酸性及びアルカリ性を変化もしくは維持するために添加する物質。
緩衝剤、酸、アルカリ、中和剤等を含む。
(24) 「加工助剤」。食品もしくは食品成分の魅力もしくは有用性を高める製造助成剤として使用する物質。清澄剤、混濁剤、触媒、綿状化剤、濾過助剤、結晶化防止剤等を含む。
(25) 「推進剤、通気剤及びガス」。製品を放出する力を供給するため、もしくは包装内で食品に接触する酸素の量を減らすために使用する気体。
(26) 「イオン封鎖剤(Sequentrant)」。多価金属イオンを結合させ、可溶性金属複合体を形成し、製品の品質及び安定性を向上させる物質。
(27) 溶媒及び賦形剤」。他の物質を抽出もしくは溶解するために使用する物質。
(28) 「安定剤及び粘ちょう剤」。粘度のある溶液もしくは分散液を作るために使用し、濃度を付加し、成分構成を向上させ、もしくは乳剤を安定させる物質。懸濁剤、賦形剤(bodying agents)、凝固剤、ゼリー化剤、増量剤(bulking agents)等。
(29) 「界面活性剤」。液体食品成分の表面特性を変化させ、様々な効果をもたらす物質。乳化剤以外のもの。ただし可溶化剤、分散剤、洗浄剤、湿潤剤、再水和促進剤、ホイッピング剤、起泡剤、消泡剤等を含む。
(30) 「表面加工剤」。食品の風味を向上し、光沢を保持し、変色を防止するために使用する物質。光滑剤、つや出し、ワックス、保護コーティング等。
(31) 「シネルギスト」。他の食品成分に作用もしくは互いに反応して、個々の成分が生み出す効果の和とは異なるか、もしくは上回る効果を発揮する物質。
(32) 「生地改良」。食品の外観もしくは口あたりに影響を及ぼす物質。
〔42 FR 14483, Mar. 15, 1977, 47 FR 11835, Mar. 19, 1982で改正 ; 53 FR 16546, May 10, 1988 ; 54 FR 24896, June 12, 1989; 60 FR 36595, July 17, 1995; 67 FR 35729, May 21, 2002〕