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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

104  食品の栄養品質指針
栄養強化方針

§20  目的の説明

§104.20 目的の説明
 
(a) 本 Subpartの根本的な目的は、栄養成分を食品に合理的に添加するためのモデルの役割を果たす同一基準の規則を定めることである。国内 (米国) の食品供給において、望ましい栄養品質レベルを達成し維持することは、公衆衛生上の重要な目的である。特定食品への栄養成分の添加は、食品供給の全般的な栄養品質の維持・改善のための効果的な方法でありうる。しかし、でたらめに食品の栄養強化を行えば、消費者の食物における過剰または不十分な栄養強化をもたらすと共に、食品供給において栄養上の不均衡を引き起こすであろう。さらに特定の食品について偽りの、あるいは誤解を与える記述をすることになるであろう。食品医薬品局は、食品に栄養成分を無差別に添加することを奨励していない。また、生鮮食品の栄養強化も適切とは考えていない。例えば、食用獣肉、家禽の肉のあるいは魚肉製品あるいは、砂糖あるいはキャンディーや炭酸飲料水等のスナック食品。食物中の栄養のバランスを保つために、食品の栄養強化を行うことに決定した本 sectionの paragraph (d)に述べる U.S. RDA(米国の一日当り推奨許容量) が、人間の栄養要件や許容量に関する知識の向上につれて、補足する栄養成分の記載やある特定のU.S. RDAのレベルの変更のために時折修正されるであろうことを予想することは妥当である。本 sectionに述べる方針は米国の食習慣及び栄養の必要性に基づいているために、他の国に適用することはできない。
(b) 本 sectionの paragraph (d)(3)に記載の栄養成分は、科学の世界で存在することが認められ、栄養不足による疾患を招くことが知られている食物の栄養不足を補うために、食品に適宜添加することができる。但し、下記の場合に限る。
(1) 栄養に関する問題及びその影響をこうむっているグループを同定するのに十分な情報があり、本食品が添加栄養成分の賦形剤としての役割を果たすのに適している。本原則の適用することを考える製造業者は、本原則に基づいて栄養強化プランを実施する前に、食品医薬品局に早急に連絡することが求められる。
(2) 本食品は栄養添加を規定、許可あるいは禁止する食品または食品のクラスに関するその他のいかなる連邦規則の対象となるものではない。 (他の連邦規則には、連邦食品医薬品化粧品法第 401節の下に公布された同定規格、本 Part の Subpart Cで定める栄養品質指針及び本章 Part 2に定める常用規則が含まれるが、必ずしもこれらだけとは限らない。
(c) 本 sectionの paragraph (d)(3)に記載の栄養成分は、貯蔵、取扱いおよび加工に先立ち、ある食品に相当するレベルまで、失われた上記栄養成分を補給するためにその食品に適宜添加することができる。但し下記の場合に限る。
(1) 貯蔵、取扱いまたは加工中において、U.S. RDAの少なくとも2% (場合により、カリウム 2.5g 、マンガン 4.0mgの2%) と等しい測定可能な量で、正規の1サービング中の本栄養成分が失われたことを適切な科学書類により示す。
(2) GMP(製造及び品質管理に関する基準)及び正規の貯蔵・取扱い手順では、上記栄養成分の損失を防ぐことはできない。
(3) 測定可能な量で失われた、蛋白質、ヨウ素及びビタミンDを含め全ての栄養成分は補強される。また栄養成分食品製品の栄養成分となるすべての材料は、補給レベルを決定する場合に考慮される。
(4) 本食品は、栄養成分添加を規定または禁止する他のいかなる連邦規則の対象とはならない。また、本食品は、任意の栄養成分添加を許可する他の連邦規則のいかなるものであってもそれに従って補給されるものではない。
(d) ビタミン、ミネラル及び蛋白質含量のバランスを取るために、本 sectionの paragraph (d)(3)に記載の栄養成分は、食品の全カロリー含有量に比例して当食品に添加してもよい。但し、下記の場合に限る。
(1) 正規の一人前の食品は最低で40kcal (つまり、一日当り2000kcalの摂取量の2%) ある。
(2) 本食品は、栄養分添加を規定、許可または禁止する食品または食品のクラスに関する他の連邦規則はいかなるものでも、その対象とはならない。
(3) 本食品は、一日当り2000kcalの標準摂取量に基づき、その 100kcalにつき下記の栄養成分を含有する。
   
栄養成分及び測定単位
DRV又はRDI
100cal当りの量
蛋白質       グラム(g)
 50 
  2.5  
ビタミンA     国際単位(IU)
 5,000 
 250   
ビタミンC     ミリグラム(mg)
   60 
  3   
カルシウム    グラム(g)
1 
0.05 
鉄     ミリグラム(mg)
   18 
  0.9  
ビタミンD  国際単位(IU)
  400 
   20   
ビタミンE 国際単位(IU)
   30 
   1.5  
チアミン ミリグラム(mg)
    1.5
  0.08 
リボフラビン ミリグラム(mg)
    1.7
  0.09 
ナイアシン  ミリグラム(mg)
20 
1   
ビタミンB-6 ミリグラム(mg)
    2.0
    0.1  
葉 酸 マイクログラム(μg)
    400 
   20   
ビタミンB-12 マイクログラム(μg)
6.0
   0.3  
ビオチン ミリグラム(mg)
0.3
   0.015
パントテン酸 ミリグラム(mg)
10 
   0.5  
グラム(g)
1.0
   0.05 
マグネシウム ミリグラム(mg)
400 
  20   
亜 鉛 ミリグラム(mg)
15 
  0.8  
ヨウ素   マイクログラム(μg)
150 
   7.5  
銅      ミリグラム(mg)
2.0
   0.1  
カリウム ミリグラム(mg)
3,500  
   175   
     
 大人及び4才以上の子供の米国の一日当り推奨許容量 (U.S. RDA)
 
(e) 劣等な栄養を避けるために、常用食物中の従来からの食品に代わる食品には、本章§101.3 (e)(2)に従って、適宜、栄養成分を添加してもよい。
(f) 本章の他の場所で定める適用可能な規則により許可されたあるいは必要とされる食品に、栄養成分を添加してもよい。
(g) 食品に添加された栄養成分はその栄養成分が下記の条件を満たす場合には、適切である。
(1) 通常の貯蔵、流通及び使用条件下で食品中で安定している。
(2) 生理学上、食品から摂取できる。
(3) 添加栄養成分を含有する食品の摂取が、常用食物中の他の源からの累積量を考慮した場合に、栄養成分の摂取量が過度にならないという確信が当然存在するレベルで含まれている。
(4) 意図する目的に適し、かつ、食品中の物質の安全性を律する法及び規則の適用可能な条項に準ずる。
(h) ビタミン、ミネラルあるいは蛋白質の食品への添加について食品のラベル表示に記述を行うものとする。但し、当記述が偽りであったり誤解を招くものではなく、又、法及び適用可能な規則のいずれにも適合している場合に限る。次に示すラベルの記述は認められる。
(1) “fully restored with vitamins and minerals (ビタミン、ミネラルを添加補給)”あるいは “fully restored with vitamins and minerals to the level of unprocessed--(未加工時の   の水準にビタミン及びミネラルを添加補給)” (空白には食品の常用名を記入) というラベルの記述は、本 sectionの paragraph (c)に定める原則に従って栄養強化した食品の説明に用いてもよい。
(2) “vitamins and minerals (and “protein”(適宜)) added are in proportion to caloric content (ビタミン及びミネラル (場合により「蛋白質」) をカロリー含有量に応じて添加)”というラベルの記述は、本 sectionの paragraph (d)に定める原則に従って栄養強化した食品の説明に用いてもよい。
(3) ラベル記述が許可されている場合には、「強化」「栄養強化」「添加」あるいは類似した用語を入れ替わり用いて、食品にひとつ以上のビタミンまたはミネラル、あるいは蛋白質を添加したことを示してもよい。但し、適用可能な連邦規則が特定の用語や記述の使用を規定している場合はこの限りではない。
(ⅰ) 本 sectionの paragraph (e)に準じて栄養成分を添加した食品にビタミン、ミネラルあるいは蛋白質を添加した旨の記述を、栄養成分表以外にラベルに記述することは不適切である。
   
〔45 FR 6323, Jan. 25, 1980; 58 FR 2228, Jan. 6, 1993にて改正〕