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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

113  密封容器詰加熱処理ずみ低酸性食品
成分、食品製品容器、クロージャー、中間製品の管理

§60  容 器

§113.60 容 器
 
(a) クロージャー 著しく密閉に欠陥がないか生産中に定期的に観察しなければならない。かかる欠陥は記録しておかなければならない。又、是正処置も記録しておく。密閉が確実に行われるようにするために十分な頻度で、作業者、クロージャー監督者、その他の有資格容器クロージャー検査官は、各シーミングヘッドから任意に選んだ缶のトップシーム、あるいは使用容器の他の種類のクロージャーを目視検査し、観察記録をつけなければならない。二重巻き締め缶については、カットオーバー、鋭利さ、横滑り、デッドヘディング、巻き締め不良、クロスオーバーあるいはラップのドループ、チャックの故障を表すカウンターシンク (さら穴) 内部の状態等について検査するべきである。このような測定記録は、少なくとも30分間隔で行うべきである。これ以外に、密閉機械が詰まった時、密閉機械調節後、長期運転停止後の機械運転開始時等にさらに目視検査を密閉に関して実施しなければならない。関連する観察は全て記録するものとする。異常が認められる時は、是正処置を記録しなければならない。
(1) 二重巻き締め缶の切断検査は有資格者が実施し、各巻締め場所ごとに十分な数量の容器について行う。検査は十分な頻度で記録し、巻き締めが完全に行われることを確実にする。かかる検査、記録は少なくとも四時間ごとに実施するべきである。切断検査の結果と共に、是正処置を取る場合は、それも記載しておかなければならない。
(ⅰ) 必須および任意の缶の巻き締め値測定
(a) マイクロメータによる測定
   
必   須
任 意
カバーフック
オーバーラップ (計算による)
ボディヘック
カウンターシンク
幅 (長さ、高さ)
   
強さ (しわの観察)
   
厚み
   
   
(b) シーム・スコープあるいはプロジェクター
   
必   須
任 意
ボディフック
幅 (長さ、高さ)
オーバーラップ
カバーフック
強さ (しわの観察)
カウンターシンク
厚み(マイクロメータによる)
    
   
(c) 缶の二重巻き締めの用語
     

(1) 「クロスオーバー」  ラップの二重巻き締め部。
(2) 「カットオーバー」  二重巻き締め内側の金属片、鋭く曲がっている部分、切れ目。
(3) 「デッドヘッド」  カウンターシンクのチャックスピン原因の不完全な巻き締め。
(4) 「ドループ」  普通巻き締めの下の二重巻き締めの滑らかな突出部。
(5) 「巻き締めの誤り」  カバーフックとボディフックが重ならない所の小さな巻き締め失敗。
(6) 「ラップ」  貼り合わせた物質二枚の厚み。
(ⅱ) シーム・スコープあるいはプロジェクターを使用する場合は、サイドシームを除き、各二重巻き締めの試料について二ケ所測定しなければならない。マイクロメータを使用する場合は、やはりサイドシームを除いて、約 120°離れた部位を三ケ所測定しなければならない。
(ⅲ) オーバーラップ長さは次式により計算することができる。
理論上のオーバーラップ長さ=CH+BH+T−W
ただし、CH=カバーフック BH=ボディフック T=カバー厚み W=巻き締め幅(高さ、長さ)
(2) 真空クロージャーのついたガラス容器では、冷水真空測定によって蓋締め機の効率を検査しなければならない。検査は、実際の充填作業を行う前に実施するものとし、結果は記録しておかなければならない。
(3) 二重巻き締め、ガラス容器以外のクロージャーについては、有資格者が十分な頻度で、適切な詳細検査、テストを実施して、密閉が適切に機能しており、信頼性の高い密封が行われていることを確実にしなければならない。かかるテストの結果は保存されなければならない。
(b) 冷却水 カナル冷却用、再循環水供給用に必要な容器冷却水は塩素殺菌あるいは消毒しなければならない。容器冷却水排水口において測定できる程度の残留消毒剤があるようにするべきである。
(c) コード化 低酸性処理食品の各密封容器は、肉眼で恒久的に読める識別コードをつけるものとする。容器にコードを浮き彫りしたり、インキでつけることができない場合で、ラベルを容器にしっかりと貼れる場合は、読みやすい穿孔ラベル、あるいはマークのついたラベルを使用してもよい。コードに示す必要な内容は、包装場所、内容物、包装年、包装日、包装時間である。包装時間コードは、十分な頻度で変更し、販売、流通中にロットが容易にわかるようにしなければならない。コード変更は次のいずれか一つにのっとっ て行うことができる。すなわち、4〜5時間ごと、従業員の勤務交替ごと、バッチごと (この場合、1バッチの食品を処理する間に従業員の交替があってはならない)のいずれかの場合である。
(d) 処理後の取り扱い 缶をベルトコンベヤで取り扱う場合、コンベヤは、ベルトと二重巻き締めがなるべる接触しないようにつくるべきである。例えば、缶は二重巻き締め上をころがないようにするべきである。摩耗したベルト、缶リターダー、クッション等はすべて、新しい無孔性のものと交換するべきである。缶の巻き締め部と接触するトラック、ベルトは全部、十分な頻度で完全に洗浄、消毒して、製品の汚染を防止するべきである。充填容器を取り扱う自動装置は、缶の巻き締め部やその他の容器クロージャーの完全な状態を保持できる設計、操作であるべきである。