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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
厚生労働省行政情報

報道関係資料 − 既存添加物の安全性評価に関する調査研究(平成11年度調査)
既存添加物の安全性評価に関する調査研究(平成11年度調査) 別添1

別添1



オレンジ色素

1.食品添加物名
 オレンジ色素 (Orange colour)

2.基原・製法・本質
 ミカン科アマダイダイ(Citrus sinensis OSBECK)の果実又は果皮より、搾汁したもの、又は熱時エタノール、ヘキサン若しくはアセトンで抽出し、溶媒を除去して得られたものである。主色素はβ−クリプトキサンチンの脂肪酸エステルである。黄色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.180.551.665.0%)投与による13週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない1)。無毒性量は、最高用量である5.0%(2.5g/kg/day)であると考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験はS9mixの有無にかかわらず、陰性である2)。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験では、S9mix存在下において、細胞毒性が認められる用量または限界用量まで異常の誘発は認められない。S9mix非存在下、2.5mg/mL短時間処理群においてのみ構造異常が14%の細胞に観察されたが、この陽性反応はin vitro小核試験において再現されなかった3)。マウスを用いる小核試験(2 g/kg,24時間間隔で2回経口投与)では、小核を有する多染性赤血球の頻度に有意な増加は認められなかった4)。従って、in vitro染色体異常試験で見られた陽性反応は、S9mix存在下で陰性となること、in vitro小核試験で再現されなかったこと、限界用量まで行われたin vivo小核試験で陰性であったことを考え合わせると、生体にとって問題となるような変異原性はないものと考えられる。 (引用文献)
 
カロブ色素

1.食品添加物名
 カロブ色素 (Carob gem colour)

2.基原・製法・本質
 マメ科イナゴマメ(Ceratonia siliqua LINNE)の種子の胚芽を、粉砕して得られたものである。淡黄色を呈する。

3.主な用途
 着色料、製造用剤

4.安全性試験の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50はラットでは5g/kg建、マウスで5g/kg超と考えられる1)

(2)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.20.61.75.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない2)。無毒性量は最高用量である5.0%(2.5g/kg/day)と考えられる。

(3)変異原性物質
 細菌を用いた復帰突然変異試験1)、細菌を用いたDNA修復試験1)及び哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験3)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)



カンゾウ油性抽出物

1.食品添加物名
 カンゾウ油性抽出物 (Licorice oil extract)

2.基原・製法・本質
 マメ科ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis FISCHER)マメ科チョウカカンゾウ(Glycyrrhiza inflata BATALIN)又はマメ科ヨウカンゾウ(Glycyrrhiza glabra LINNE)の根又は根茎を水で洗浄した残査より、室温時〜温時エタノール、アセトン又はへキサンで抽出して得られたものである。主成分はフラボノイドである。

3.主な用途
 酸化防止剤

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50はマウスで雄雌ともに5g/kg超と考えられる1),2)

(2)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.10.313%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的異常は認めらていない3)。無毒性量は最高用量である3%(1.5g/kg/day)と考えられる。

(3)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験4),7)、哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験5)、細菌を用いたDNA修復試験6)、マウスを用いた小核試験8)、及び細菌を用いたumu-テスト9)の結果はいずれも陰性と判断される。


(引用文献)

 
キチン

1.食品添加物名
 キチン (Chitin)

2.基原・製法・本質
 エビ、カニ等甲穀類の甲殻又はイカの甲を、室温時〜温時酸性水溶液で炭酸カルシウムを除去した後、温時〜熱時弱アルカリ性水溶液でタンパク質を除去したもので、N−アセチル−D−グルコサミンの多量体からなる。

3.主な用途
 増粘安定剤

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.20.61.75.0%)投与による13週間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない1)。無毒性量は最高用量である5.0%(2.5g/kg/day)であると考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験2)、培養細胞を用いた染色体異常試験3)、マウスを用いた小核試験4)の結果は、いずれも陰性と判断される。

(引用文献)


酵素処理イソクエルシトリン

1.食品添加物名
 酵素処理イソクエルシトリン (Enzymatically modified isoquercitrin)

2.基原・製法・本質
 「ルチン酵素分解物」とでん粉又はデキストリンの混合物に、シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼを用いてグルコースを付加して得られたものである。主成分はα−グルコシルイソクエルシトリンである。

3.主な用途
 酸化防止剤

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性毒性LD50はラットで25g/kg超と考えられる1)

(2)反復投与試験
 F344/DuCrj系ラットを用いた混餌(0.30.6251.252.5%)投与による90日間反復投与及び28日間回復試験を行ったところ、体重変化について反復投与群では有意差が認められなかったが、回復試験群の雌雄2.5%群では投与期間と回復期間の両方でわずかな低値傾向を示した。尿検査では雄の2.5%群でケトン体が高値を示した。また、病理組織学的変化は伴わないが、剖検所見では1.25%以上の雌雄で大腿骨の黄色化が認められた。この黄色変化は投与検体の沈着によるものと考えられるが、28日間の回復期間後にも残存していた2)。これらの結果より無毒性量は0.625%(雄で394mg/kg/day、雌で397mg/kg/day)と考えられる。

(3)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験の結果は、高用量域で陽性との報告4)もあるが、陰性との報告3)もあり、陽性結果の再現性が認められない。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験5)では、最高用量(5mg/ml)48時間連続処理のみにおいて、わずかな異常細胞の増加が観察されたが、用量反応関係も認められず、生物学的に意味のあるものとは考えがたい。さらに、マウスを用いた小核試験6)の結果が陰性であることを考え合わせると、生体にとって問題となるようなものではないと考えられる。


(引用文献)


しらこたん白抽出物

1.食品添加物名
 しらこたん白抽出物 (Milt protein)

2.基原・製法・本質
 アイナメ科アイナメ (Hexagraos otakii JORDAN et STARKS)、サケ科力ラフトマス(Oncorhynchus gorbuscha WALBAUM)、サケ科シロザケ(Oncorhynchus keta WALBAUM)、サケ科べニザケ(Oncorhynchus nerka WALBAUM)、サバ科カツオの(Katsuwonus pelanis LINNAEUS)若しくはニシン科ニシン(Clupea pallasii VALENCIENNES)の精巣(しらこ)中の核酸及び塩基性タンパク質を、室温時酸性水溶液で分解後、中和して得られたものである。主成分は塩基性タンパク質(プロタミンヒストン)である。

3.主な用途
 保存料

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50はマウスで5g/kg超と考えられる1)

(2)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.6251.252.55.0%)投与による13週間の反復投与試験において、組織検査では2.5%以上の雌雄で肝細砲の軽度な萎縮及び類洞の拡張が認められた2)。無毒性量は1.25%(625mg/kg/day)であると考えられる。

(3)変異原性試験
細菌を用いたDNA修復試験3,4,5)及び帰突然変異試験6,7,8)、哺乳類培養細胞を用い染色体異常試験9)及びチャイニーズハムスターを用いたin vivo の染色体異常試験10)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)
  1. マウスに対する経口毒性試験、1986年、社内データ(未公表)
  2. 多田幸恵、池田虎雄、高橋博ら:天然保存料しらこたん白のラットによる亜慢性毒性試験、東京都立衛生研究所研究年報、49,267276,1998
  3. 石崎睦雄:厚生省平成元年度食品添加物安全性再評価等の試験,変異原試験(Recassay),茨城県衛生研究所
  4. 上野清一、石崎睦雄:天然添加物のDNA損傷活性(その6),食品衛生学雑誌、33(4),378-382,1992
  5. 出口哲夫、水野知子:無表示防腐剤のMutation test及びRec-asssay,1986,社内データ(未公表)
  6. 坂部美雄:厚生省平成元年度食品添加物安全性再評価等の試験、変異原試験(Ames),名古屋市衛生研究所
  7. 藤田博、広門雅子、平田恵子ほか:東京都立衛生研究所研究年報、47,309-313,1996
  8. 変異原性試験報告書(細菌を用いる復帰変異試験),1987,社内データ(未公表)
  9. 祖父尼俊雄ほか:厚生省平成元年度食品添加物安全性再評価等の試験,変異原試験(染色体異常試験),国立衛生試験所
  10. 吉田誠二、青木直人:東京都立衛生研究所研究年報、48,342-344,1997


タマリンド色素

1.食品添加物名
 タマリンド色素 (Tamarind Colour)

2.基原、製法、本質
 マメ科タマリンド(Tamarindus indica LINNE)の種子を賠焼したものより、温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はフラボノイドである。赤褐色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
 急性経口LD50は、マウスで5g/kg超と考えられる1)

(2)反復投与試験
 SD系ラットを用いた混餌(1.252.55.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない2),3)。無毒性量は最高用量である5.0%(3,278.1mg/kg/day、雌3,885.1mg/kg/day)と考えられる。

(3)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験4)、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験5)の結果は陰性と判断される。細菌を用いたDNA修復試験6)では、S9無添加の高用量域(3mg/disk以上)で弱い反応が観察されているが、代謝活性化系を組み込むことによりこの弱陽性反応は見られなくなる。従って、代謝されて不活化されるものであり、生体にとって問題となるものではないと考えられる。


(引用文献)
 


氷核菌細胞質液

1.食品添加物名
 氷核菌細胞質液 (Xanthomonas campestris protein)

2.基原・製法・本質
 氷核菌 (Xanthomonas campestris INXC-1)を、酵母エキス、ブドウ糖及び硫酸マグネシウムからなる培養液で室温時培養し、高圧下で細胞を破壊したものより得られたものである。主成分は、細胞質液中のタンパク質である。

3.主な用途
 製造用剤

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 Crj:CD(SD)ラットを用いた強制経口(1g/kg)投与による91日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的異常は認められていない1)。無毒性量は1g/kg/dayと考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験2)及び哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験3)の結果はいずれも陰性と判断される。


(引用文献)
 


ファフィア色素

1.食品添加物名
 ファフィア色素 (Phaffia colour)

2.基原・製法・本質
 酵母 (Phaffia rhodozyma MILLER)の培養液より、室温時アセトン、エタノール、含水エタノール、ヘキサン又はこれらの混合液で抽出し、溶媒を除去して得られたものである。主色素はアスタキサンチンである。澄〜赤色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(0.20.61.75%:餌中の濃度はファフィア色素15%含有製剤として換算)投与による13週間の反復投与試験において、検体投与による毒性学的影響は認められていない1)。無毒性量はファフィア色素として雄で448mg/kg/day、雌で493mg/kg/day考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験2)、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験3)及びマウスを用いた小核試験4)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)
 


ペカンナッツ色素

1.食品添加物名
 ペカンナッツ色素 (Pecan nut colour)

2.基原・製法・本質
 クルミ科ピーカン(Caraya pecan ENGL. et GRAEBN.)の果皮又は渋皮より、熱時水若しくは水エタノールで抽出して得られたもの又は熱時酸性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はフラボノイドである。褐色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 ペカンナッツ色素(デキストリン60%含有)でのF344ラットを用いた混餌(0.51.55.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない1)。無毒性量はペカンナッツ色素として雄で1,287mg/kg/day(5.0%用量群)、雌で1,344 mg/kg/day(5.0%用量群)と考えられる。デキストリンを含む検体の無毒性量は雄で3,217mg/kg/day、雌で3,361mg/kg/dayと考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験2)では、TA98株のS9無添加の高用量域(10mg/plate以上)で陽性と判断されるが、代謝活性化系を組み込むことにより陰性となる。哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験3)では、構造異常の明白な誘発は認められなかったが、倍数体の誘発が観察された。ただし、充分高用量まで検討されたマウスを用いた小核試験4)の結果は陰性と判断される。従って、in vitroで観察された倍数体の誘発は、生体にとって問題となるようなものではないと考えられる。


(引用文献)
 


へマトコッカス藻色素

1.食品添加物名
 へマトコッカス藻色素 (Haematococcus algae colour)

2.基原・製法・本質
 コナヒゲムシ科へマトコッカス (Haematococcus C.A.AGARCH)の全藻を、乾燥後、粉砕したもの、又はこれを、二酸化炭素で抽出したもの、若しくは室温時含水エタノール、エタノール、アセトン、ヘキサン若しくはこれらを2種以上混合したもので抽出し、溶媒を除去したものである。主色素はアスタキサンチンの脂肪酸エステルである。澄色〜赤色を呈する。

3.主な用途
 着色料

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(ヘマトコッカス藻色素原体を用い、製剤(95%大豆油)として0.51.55.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められない1)。無毒性量は最高用量である5.0%(原体として雄は153.2mg/kg/day、雌は165.2mg/kg/day)であると考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰変異試験2)、培養細胞を用いた染色体異常試験3)、マウスを用いた小核試験4)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)
 

 
モウソウチク抽出物

1.食品添加物名
 モウソウチク抽出物 (Mousouchiku extract)

2.基原・製法・本質
 イネ科モウソウチク (Phyllostachys heterocycla MITF.)の茎の表皮を、粉砕したものより、微温時エタノールで抽出して得られたものである。成分として2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノンを含む。

3.主な用途
 製造用剤

4.安全性試験成績の概要
(1)反復投与試験
 F344ラットを用いた混餌(15%)投与による4週間の反復投与試験及び混餌(0.51.02.0%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない1)。無毒性量は最高用量である5%(2.5g/kg/day)と考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験2)、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験3)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)
 

 
レバン

1.食品添加物名
 レバン (Levan)

2.基原・製法・本質
 枯草菌 (Bacillus subtilis (EHR.) COHN)によるショ糖又はラフィノースの発酵培養液より、分離して得られたものである。主成分は多糖類である。

3.主な用途
 増粘安定剤

4.安全性試験の概要
(1)反復投与試験
 Wistarラットを用いた混餌(0.150.51.5g/kg/dayに調製)投与による178日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的影響は認められていない1)。無毒性量は、最高用量である1.5g/kg/dayと考えられる。

(2)変異原性試験
 細菌を用いた復帰突然変異試験2)及び哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験3)の結果は、いずれも陰性と判断される。


(引用文献)