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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
厚生労働省行政情報

10/28/2003薬事・食品衛生審議会関係資料
L-アスコルビン酸2-グルコシドの指定及び新規残留農薬基準設定答申

薬食審第 1028001号
平成15年10月28日

薬事・食品衛生審議会
 会長 井村 伸正 殿

食品衛生分科会
 分科会長 吉倉 廣

薬事・食品衛生審議会規程第3条に規定する薬事・食品衛生審議会
食品衛生分科会における決定事項の報告について

 平成15年10月24日厚生労働省発食安第1024002号をもって厚生労働大臣から諮問された件については、食品安全委員会における健康影響評価の結果(平成15年9月18日付け府食第119号、平成15年9月25日付け府食第129号及び第130号)を踏まえ、当分科会において審議を行った結果、下記のとおり議決したので報告する。


1.L−アスコルビン酸2−グルコシドについては、人の健康を損なう恐れはないことから、食品添加物として指定することは、差し支えない。なお、指定に当たっては、別記1のとおり成分規格を設定することが適当である。
2.亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム及びピロ亜硫酸ナトリウムについて別記2のとおり使用基準を改正することが適当である。
3.EPN、エチクロゼート、オキサジクロメホン、クロルピリホス、ジクロシメット、テプラロキシジム、トリネキサパックエチル、ファモキサドン、フェノキサニル、フェノキサプロップエチル、フェントラザミド、フェンピロキシメート、フルアジナム、フルミオキサジン、マレイン酸ヒドラジドについては、別記3のとおり食品規格(農産物に係る農薬の残留基準)を設定することが適当である。


(別記1)

L-アスコルビン酸2-グルコシドの成分規格


L-アスコルビン酸2-グルコシド
(英名:L-Ascorbic Acid 2-Glucoside)

図
C12H18O11[1294-99-78-1]分子量:338.26

含量 本品を乾燥物換算したものは,L-アスコルビン酸2-グルコシド98.0%以上を含む。

性状 本品は白色〜帯黄白色の粉未又は結晶性の粉末で,においはなく,酸味がある。

確認試験
 (1) 本品の水溶液(1→50)5 mlに過マンガン酸カリウム溶液(1→300)1滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える。また,本品の水溶液(1→50)5 mlに2,6-ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム試液1〜2滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える。
 (2) 本品の水溶液(5→40)2〜3滴を沸騰フェーリング試液5 mlに加え,約5分間加熱するとき,赤色の沈殿を生じる。
 (3) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により試験を行うとき,波数3,300 cm-1,1,770 cm-1,1,700 cm-1,1,110 cm-1及び1,060 cm-1のそれぞれの付近に吸収を認める。

純度試験
 (1)比旋光度〔α〕20 = +186.0〜+188.0°(5g,水,100ml,乾燥物換算)
 (2)融点 158〜163℃
 (3)重金属 Pbとして,10μg/g以下(2.0g,第2法,比較液 鉛標準液2.0ml)
 (4)ヒ素 As2O3として,1.0μg/g以下(2.0g,第3法,装置B)

乾燥減量 1.0%以下(105℃,2時間)

強熱残分 0.10%以下

定量法
 本品及び定量用L-アスコルビン酸2-グルコシド0.5 gずつを精密に量り,それぞれを水に溶かし,内標準溶液10 mlを正確に加えた後,水を加えて正確に50 mlとし,検液及び標準液とする。検液及び標準液20μlにつき,次の操作条件で液体クロマトグラフィー法により試験を行い,内標準物質のピーク面積に対するL-アスコルビン酸2-グルコシドのピーク面積の比 及び を求める。更に乾燥物換算を行い,次式によりL-アスコルビン酸2-グルコシドの含量を求める。

 L-アスコルビン酸2-グルコシドの含量(C12H18O11)=
  定量用L-アスコルビン酸2-グルコシドの採取量(mg)
  ――――――――――――――――――――――
試料の採取料(mg)
×
Qr

Qs
×100(%)

 内標準溶液 5 w/v %グリセリン溶液
  操作条件
   検出器 示差屈折計
   カラム充填剤 スチレンとジビニルベンゼンの共重合体にスルホン酸基を結合させた強酸性陽イオン交換樹脂
   カラム管 内径4〜8mm,長さ20〜50cmのステンレス管
   カラム温度:35℃付近の一定温度
   移動相:硝酸(1→10,000)
   流量:L-アスコルビン酸2-グルコシドの保持時間が約10分になるように調整

試薬・試液
 L-アスコルビン酸2-グルコシド,定量用 C12H18O11 本品は,白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはなく,酸味がある。
 含量 本品を乾燥物換算したものは,L-アスコルビン酸2-グルコシド(C12H18O11)99.9%以上を含む。

 確認試験
  (1)本品の水溶液(1→50)5 mlに過マンガン酸カリウム溶液(1→300)1滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える。また,本品の水溶液(1→50)5 mlに2,6-ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム試液1〜2滴を加えるとき,試液の色は,直ちに消える。
  (2)本品の水溶液(5→40)2〜3滴を沸騰フェーリング試液5 mlに加え,約5分間加熱するとき,赤色の沈殿を生じる。
  (3) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により試験を行うとき,波数3,300 cm-1,1,770 cm-1,1,700 cm-1,1,110 cm-1及び1,060 cm-1のそれぞれの付近に吸収を認める。

 純度試験
  (1)溶状 澄明(1.0g,水50ml)
  (2)遊離アスコルビン酸及び遊離グルコース 本品0.50gを量り,操作条件に示した移動相に溶かし,正確に25 mlとし,検液とする。別にL−アスコルビン酸0.50gを量り,移動相に溶かし,正確に25 mlとする。この液1.0 mlを正確に採り,移動相を加えて正確に100 mlとし,アスコルビン酸標準原液とする。この液1.0 mlは,アスコルビン酸0.2 mgを含む。別にブドウ糖0.50gを移動相に溶かし,正確に25 mlとする。この液1.0 mlを正確に採り,移動相を加えて正確に100 mlとし,グルコース標準原液とする。この液1.0 mlは,ブドウ糖0.2 mgを含む。これらのアスコルビン酸標準原液及びグルコース標準原液それぞれ10 mlを正確に採り,移動相を加えて正確に100 mlとし,アスコルビン酸及びグルコース標準液とする。検液,アスコルビン酸及びグルコース標準液10μlを採り,次の操作条件で液体クロマトグラフィー法により試験を行う。それぞれの液のアスコルビン酸及びグルコースのピーク面積を測定するとき,試験液のアスコルビン酸及びグルコースの保持時間に一致する保持時間のピーク面積は,アスコルビン酸及びグルコース標準液のアスコルビン酸及びグルコースの各々のピーク面積より大きくない。

 操作条件
  検出器 示差屈折計
  カラム充填剤 粒径5〜10μmの液体クロマトグラフ用ジメチルアミノプロピルシリル化シリカゲル
  カラム管 内径4〜5 mm,長さ15〜30 cmのステンレス管
  カラム温度:40℃
  移動相 アセトニトリル/リン酸二水素カリウム・0.5 vol % リン酸溶液(5.44→1,000)の混液(60:40)
  流量:0.7 ml/分付近の一定流量
  乾燥減量 1.0%以下(105℃,2時間)。
  定量法 本品約1.0 gを精密に量り,水30 mlを加えて溶かし,フェノールフタレイン試液2滴を加え,0.2 mol/l水酸化ナトリウム溶液で30秒持続する淡赤色を呈するまで滴定する。
  0.2 mol/l水酸化ナトリウム溶液1 ml = 67.654 mg C12H18O11


(別記2)

亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸ナトリウム及びピロ亜硫酸カリウムの使用基準

 ごま,豆類及び野菜に使用してはならない。ごま,豆類及び野菜以外の食品に使用する場合は,食品中に二酸化硫黄として,かんぴょうにあってはその1kgにつき5.0g以上,乾燥果実(干しぶどうを除く。)にあってはその1kgにつき2.0g以上,干しぶどうにあってはその1kgにつき1.5g以上,コンニャク粉にあってはその1kgにつき0.90g以上,乾燥じゃがいも,ゼラチン及びディジョンマスタードにあってはその1kgにつき0.50g以上,果実酒(果実酒の製造に用いる酒精分1容量パーセント以上を含有する果実搾汁及びこれを濃縮したものを除く。)及び雑酒にあってはその1kgにつき0.35g以上,キャンデッドチェリー(除核したさくらんぼを砂糖漬にしたもの又はこれに砂糖の結晶を付けたもの若しくはこれをシロップ漬にしたものをいう。以下この目において同じ。)及び糖蜜にあってはその1kgにつき0.30g以上,糖化用タピオカでんぷんにあってはその1kgにつき0.25g以上,水あめにあってはその1kgにつき0.20g以上,5倍以上に希釈して飲用に供する天然果汁にあってはその1kgにつき0.15g以上,甘納豆及び煮豆にあってはその1kgにつき0.10g以上,えび及び冷凍生かににあってはそのむき身の1kgにつき0.10g以上,その他の食品(キャンデッドチェリーの製造に用いるさくらんぼ,ビールの製造に用いるホップ並びに果実酒の製造に用いる果汁,酒精分1容量パーセント以上を含有する果実搾汁及びこれを濃縮したものを除く。)にあってはその1kgにつき0.030g(第2添加物の部F使用基準 添加物一般の表の亜硫酸塩等の項に掲げる場合であって,かつ,同表の第3欄に掲げる食品(コンニャクを除く。)1kg中に同表の第1欄に掲げる添加物が,二酸化硫黄として,0.030g以上残存する場合は,その残存量)以上残存しないように使用しなければならない。


(別記3) H.15.1028別記3.PDF

(別記4) H.15.10.28別記4.PDF