通知

 

食安発第0120001号

平成16年01月20日

医薬食品局食品安全部

 

 

食品衛生法施行規則の一部を改正する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について

 

 食品衛生法施行規則の一部を改正する省令(平成16年厚生労働省令第2号)及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件(平成16年厚生労働省告示第11号)が本日公布、施行され、これにより食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「省令」という。)及び食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号。以下「告示」という。)の一部が改正されたので、下記の事項に留意の上、その運用に遺憾のなきよう取り計られたい。 

 


第1 改正の要旨
1 省令関係
 食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第6条の規定に基づき、省令別表第2(現:規則別表第1(財団注))が改正され、添加物としてL-アスコルビン酸2-グルコシド、ステアリン酸マグネシウム及びリン酸三マグネシウムが指定されたこと。

2 告示関係
(1)食肉に残留する動物用医薬品の残留基準の改正について
 カルバドックスの代謝物であるキノキサリン-2-カルボン酸の残留基準値が改正されたこと。
(2)法第7条第1項の規定に基づき、L-アスコルビン酸2-グルコシド、ステアリン酸マグネシウム及びリン酸三マグネシウムの成分規格が設定されたこと。
(3)法第7条第1項の規定に基づき、ステアリン酸マグネシウムの使用基準が設定されたこと。
(4)法第7条第1項の規定に基づき、アセスルファムカリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム及びピロ亜硫酸ナトリウムの使用基準が改正されたこと。
(5)法第7条第1項の規定に基づき、酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムの使用基準が廃止されたこと。

第2 施行期日
 省令及び告示のいずれも公布日より施行される。
 
第3 運用上の注意
1 食肉に残留する動物用医薬品の残留基準の改正について
 試験法については、高感度で実用的な方法の開発を進めているところであり、追って改正することとしていること。

2 食品添加物の表示について
(1)L-アスコルビン酸2-グルコシド、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム及びリン酸三マグネシウム並びにこれらを含む食品及び添加物製剤については、法第11条第2項の規定に基づき添加物の表示を行うよう、関係業者に対して指導されたいこと。
(2)平成8年5月23日衛化第56号厚生省生活衛生局長通知「食品衛生法に基づく添加物の表示等について」は、今回の改正に伴い、次のように一部を改正する。
 なお、今回の改正に伴い、規則別表第2に掲げる添加物のうち栄養強化の目的で使用されたものと認められる添加物として追加される「塩化マグネシウム」、「酸化マグネシウム」、「炭酸マグネシウム」、「硫酸マグネシウム」及び「リン酸三マグネシウム」については、栄養機能食品の表示に関する基準の一部改正が検討されていることに留意されたい。
 

別紙5の(1)中「29品目」を「30品目」とし、「L-アスコルビン酸2-グルコシド」を加える。

(参考)
改正後の別紙5の(1)は次のとおり。

 (1)ビタミン類(30品目)  

L-アスコルビン酸 L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル
L-アスコルビン酸ナトリウム L-アスコルビン酸2-グルコシド
L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル エルゴカルシフェロール
β―カロテン コレカルシフェロール
ジベンゾイルチアミン ジベンゾイルチアミン塩酸塩
チアミン塩酸塩 チアミン硝酸塩
チアミンセチル硫酸塩 チアミンチオシアン酸塩
チアミンナフタレン-1,5-ジスルホン酸塩 チアミンラウリル硫酸塩
ニコチン酸 ニコチン酸アミド
パントテン酸カルシウム パントテン酸ナトリウム
ビオチン ビスベンチアミン
ビタミンA ビタミンA脂肪酸エステル
ピリドキシン塩酸塩 メチルヘスペリジン
葉酸 リボフラビン
リボフラビン酪酸エステル リボフラビン5′-リン酸エステルナトリウム

別紙5の(2)中「24品目」を「29品目」とし、「塩化マグネシウム」、「酸化マグネシウム」、「炭酸マグネシウム」、「硫酸マグネシウム」及び「リン酸三マグネシウム」を加える。

(参考)
改正後の別紙5の(2)は次のとおり。

(2)ミネラル類(29品目)

亜鉛塩類(グルコン酸亜鉛及び硫酸亜鉛に限る) 塩化カルシウム
塩化第二鉄 塩化マグネシウム
クエン酸カルシウム クエン酸第一鉄ナトリウム
クエン酸鉄 クエン酸鉄アンモニウム
グリセロリン酸カルシウム グルコン酸カルシウム
グルコン酸第一鉄 酸化マグネシウム
水酸化カルシウム 炭酸カルシウム
炭酸マグネシウム 銅塩類(グルコン酸銅及び硫酸銅に限る)
乳酸カルシウム 乳酸鉄
ピロリン酸第二水素カルシウム ピロリン酸第二鉄
硫酸カルシウム 硫酸第一鉄
硫酸マグネシウム リン酸三カルシウム
リン酸三マグネシウム リン酸一水素カルシウム
リン酸二水素カルシウム

 

3 使用基準について
1 アセスルファムカリウム
 アセスルファムカリウムの使用基準に栄養機能食品(錠剤に限る。)が追加されたこと。「栄養機能食品」とは、省令第5条第1項第1号シに定めるものであること。
 なお、現行の使用基準において特定保健用食品(健康増進法(平成14年法律第103号)第26条第1項の許可又は同法第29条第1項の承認を受けて、食生活において特定の保健の目的で摂取をするものに対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品をいう。以下同じ。)に対する本品の使用については、既に認められていることを念のため申し添える。
 
2 亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、ピロ亜硫酸カリウム及びピロ亜硫酸ナトリウム(以下「亜硫酸塩類」という。)
 亜硫酸塩類の使用基準に干しぶどうと乾燥じゃがいもが追加されたこと。
「干しぶどう」とは、カラント(carrant)、レーズン(raisins)、ドライ グレープ(dry grape)等をいうものであること。また、「乾燥じゃがいも」とは、乾燥マッシュポテト(いわゆる粉末状の乾燥いも)、乾燥カットポテト(生のじゃがいもをカットして加熱した後、そのまま乾燥したもの)等をいうものであること。
 
3 ステアリン酸マグネシウム
 本品については、平成13年3月27日食発第115号厚生労働省食品保健部長通知により通知された「保健機能食品であって、カプセル、錠剤等通常の食品形態でない食品の成分となる物質の指定及び使用基準改正に関する指針」に基づいて要請がなされ、指定されたものであることから、「保健機能食品たるカプセル剤及び錠剤以外の食品に使用してはならない。」との使用基準が規定されたこと。
  
4 成分規格について
 リン酸三マグネシウムの成分規格に関し、純度試験の実施に当たっては乾燥した後、試験を行う旨規定されているが、結晶物の乾燥については、強熱減量として規定される条件ではなく、105℃2時間などの乾燥で差し支えないこと。


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