薬事・食品衛生審議会資料

 

平成26年04月23日

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会

 

 

既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究

 
既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究
(平成26年4月23日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会)

 「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」の報告書が、平成26年4月23日に開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会において公表されました。


調査研究報告書
 
既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究
 
平成26年3月

主任研究者
 西川 秋佳 国立医薬品食品衛生研究所
安全性生物試験研究センター長
研究協力者
 菅野 純 国立医薬品食品衛生研所毒性部長
 穐山 浩 国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部長
 今井 俊夫 国立がん研究センター研究所実験動物管理室
 長尾 美奈子 元慶應義塾大学薬学部共同研究員
 關野 祐子 国立医薬品食品衛生研究所薬理部長
 小川 久美子 国立医薬品食品衛生研究所病理部長
 本間 正充 国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部長
 広瀬 明彦 国立医薬品食品衛生研所総合評価研究室長


A.研究要旨
 平成8年度厚生科学研究報告書「既存天然添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 林裕造)(以下「林班報告書」という。)においては、国際的な評価結果、欧米での許認可状況、安全性試験成績結果等から、既存添加物の基本的な安全性について検討した結果、489 品目のうち139 品目について、今後、新たな毒性試験の実施も含め、安全性について検討することが必要であると報告されている。
 本研究では、林班報告書において更に検討する必要があるとされた139 品目のうち、以下に掲げるすでに安全性の見直しが行われたものや既存添加物名簿から
消除されたものを除く10 品目のうち、新たに安全性試験成績の収集できたカワラヨモギ抽出物、ブドウ果皮抽出物及びマスチックの3品目について検討を行った。
 
 検討した3品目については、90 日間以上の反復投与試験及び変異原性試験等の成績を入手し、これらの試験成績より、3品目の既存添加物について基本的な安全性を評価することができた。その結果、結論としては評価した3品目については、添加物として現在使用されている範囲では、直ちにヒトの健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられた。

B.研究目的:
 平成7年5月の食品衛生法改正によって、食品添加物の指定範囲が、従来の化学的合成品から天然香料等を除くすべての添加物に拡大された。本改正に伴い、従来から販売・製造・使用等がなされてきた「化学的合成品以外の添加物(天然香料等を除く。以下「天然添加物」という。)」については、経過措置として、その範囲を既存添加物名簿に掲載して確定させた上で、引き続き、販売・製造・輸入等を認めることとされた。
 しかしながら、これら既存添加物名簿に掲げられた天然添加物については、従来から指定されている添加物と異なり、品目毎に安全性のチェックがなされているものではなく、国会等において、その安全性の確認が求められているところである。
 これを受けて、平成8年度に公表された林班報告書では、既存添加物489 品目について、国際的な評価結果や欧米での許認可状況及び安全性試験成績結果等の情報を用いて、基本的な安全性について検討がなされ、「489 品目のうち、159品目については既に国際的な評価がなされており基本的な安全性が確認されている。さらに41 品目については入手した試験成績の評価により、また150 品目についてはその基原、製法、本質からみて、いずれも現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないものと考えられた。」と報告されており、残る139 品目についてはさらに検討が必要であるとされている。平成11 年度に公表された「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 黒川雄二)では、「林班報告書により安全性の確認が必要とされた139 品目の内、14 品目の既存添加物については、現時点で直ちにヒトへの健康影響を示唆するような試験結果が認められず、新たな安全性試験を早急に実施する必要がないものと考えられた。」と報告されている。さらに、平成15 年度に公表された「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 井上達)(以下「井上班報告書」という。)では「安全性の見直しを行った17 品目については、現時点において、直ちにヒトへの健康影響を示唆するような試験結果は認められなかった。」(なお、この内の1品目については、念のため、追加試験を実施している。)と報告されている。また、平成16 年度、平成18 年度、平成19 年度、平成20 年度、平成21 年度、平成22 年度及び平成23 年度に公表された井上班報告書又は「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)では、それぞれ14 品目、7品目、8品目、7品目、6品目、5品目及び1品目について、添加物として現在使用されている範囲において直ちに人の健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられる旨報告されている。
 本研究は、平成8年度林班報告書で安全性について検討することが必要と指摘された天然添加物139 品目から、これまでに安全性の見直しが終了した品目及び既に既存添加物名簿から消除品目を除く、10 品目のうち、国内外の試験成績が収集できた3品目について、その試験成績の評価を行うことにより、それらの基本的な安全性を検討することを目的とした。

C.研究方法
 本研究は、林班報告書において安全性の確認が必要とされた既存添加物139 品目のうち、これまでに安全性の見直しが終了した品目及び既に既存添加物名簿から消除された品目を除く10 品目の中で、90 日間以上の反復投与試験及び変異原性試験等の必要な成績を入手し得た3品目について、安全性試験成績の評価を行った。

D.研究結果
 本研究で安全性の見直しを行った3品目についてのそれぞれの試験成績の概要は別添のとおりである。
 カワラヨモギ抽出物、ブドウ果皮抽出物及びマスチックについては、現時点において、直ちに人への健康影響を示唆するような試験結果は認められなかった。
 
E.考察
 本研究では、林班報告書において安全性の確認を必要とされた既存添加物であり見直しの済んでいない10 品目のうち、少なくとも90 日間以上の反復投与試験成績及び変異原性試験成績の双方が入手できた3品目について、それらの試験成績を評価したところ、いずれの品目についても、添加物として現在使用されている範囲において直ちに人の健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられた。
 なお、厚生労働省は、使用実態のない既存添加物について、平成16 年12 月及び平成19 年9 月に続いて、平成23 年5 月に3 回目の消除を行った。
 このように、既存添加物の見直し作業は,現時点までに着実に進行しているが、今後ともさらに使用実態の調査等を行い、必要な品目から効率的に見直しを進めていく必要があると考える。
 
F.結論
 本研究は、新たに3品目の天然添加物について、基本的な安全性が確認されることを示した。これらについては、いずれも現段階においてさらなる安全性の検討を早急に行う必要がないものと考えられた。

(参考)既存添加物の安全性見直し状況 見直し状況H26.pdf

(参考)既存添加物の安全性評価の見直し状況
平成11 年度「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 黒川雄二)において報告された13 品目
平成15 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された16 品目
平成16 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された14 品目
平成18 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された7 品目
平成19 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された8 品目
平成20 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された7 品目
平成21 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された6 品目
平成22 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)において報告された5 品目
平成23 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)において報告された1 品目




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