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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

74  認可を必要とする色素添加物
 

§A  D&C 赤色6号及び7号中のエーテル溶性物質の定量手順

Part 74の補遺A−D&C 赤色6号及び7号中のエーテル溶性物質の定量手順
 
染料を氷酢酸及び8規定塩酸(1.33:1)に溶かし、ジエチルエーテルで抽出する。
継いで、エーテルを水で抽出する操作を繰り返し、色素添加物を含むスルボン化部分を捨てる。エーテルを2%(W/W)NaCHで抽出し、カルボキシル化部分を除去する。エーテルをほぼ完全に蒸発乾固し、エタノール (95%) を加え、この溶液を可視範囲内で分光測光法により分析する。各波長における吸光度は、D&C 赤色6号 Lot AA5169について同様の操作を行って得た吸光度の150%を越えてはならない。
 
装 置
(A) 分光光度計 (Cary 118もしくはそれに相当するもの)
(B) 分液漏斗−1000mlのもの1、500mlのもの1。
 
試 薬
注: 水が必要な時には、蒸留水を使用すること。
(A) 氷酢酸(ACS等級)
(B) ジエチルエーテル(無水)−容器に表示された安全性に関する注意事項に注意し、それに従うこと。
(C) 8規定 HCl− 165mlのHOを500mlメスシリンダーに注ぐ。メスシリンダーをフード内に置き、濃塩酸を加えて所定量(500ml)にする。この溶液を500ml三角フラスコに注意深く注ぎ、栓をして、振とうする。フラスコにラベルを付ける。
(D) 2%(W/W)NaCH−約190mlのHOで250ml混合メスシリンダーに注ぐ。8g(5.23ml)の50%(W/W) NaOHを加え、水で200ml容まで希釈し、栓をして、混合する。この溶液をガラスびんに注ぎ、ラベルを付け、ポリテトラフルオロエチレン袋のふたで栓をする。
(E) エタノール (95%)
 
手 順
10分の1ミリグラム単位で250mlビーカの重量をはかり、100mgの染料を加える。10分の1ミリグラム単位まで重量を記録する。
注: 下記の作業はフード内で実施されねばならない。
75mlの8規定 HCl及び100mlの氷酢酸をビーカーに入れ、攪拌する。
ビーカーをポットプレート上に置き、染料がすべて溶液になるまで、攪拌しながら加熱する。
ビーカーをホットプレートから取り除き、時計皿をかぶせ、室温まで冷却する (1〜2時間)。
染料溶液が室温になったら、溶液を1000ml分液漏斗に移す。
ビーカーを50mlのHOで3回洗い、各洗液を1000mlロートに移す。
150mlのエーテルを漏斗に加え、栓をして10秒間振とうする。次いで、漏斗を逆さにしてストップコックを末木、発生した気体を除去する。
漏斗を1分間振とうし、漏斗を逆さにしたまま2〜3回ストップコックを開いて、発生 した気体を除去する。(本方法においては常にこの振とう操作を用いること。)
各層が分離するまで漏斗を放置する。
底層(水層)で500ml分液漏斗に移し、100mlのエーテルを加え、栓をして2分間振とうする。
各層が分離したら、底層を廃液ビーカーに排出する。
500ml分液漏斗中のエーテル層を1000ml分液コートに注ぐ。
500ml分液漏斗を100mlのHOで洗い、洗液を1000ml分液漏斗に移し、栓をして1分間振とうする。
各層が分離したら、底部の水層を廃液ビーカーに排出する。
500ml漏斗を少なくとも3回(合計)洗い、水層中に色素がなくなるまで100mlの水洗を繰り返す。分離を終えるたびに、底部の水層を廃液ビーカーに捨てる。
エーテル層に100mlのHOを加えて、さらに2回振とうし、分離を終えるたびに底部の水層を捨てる。
エーテル層に20mlの2%(W/W)NaCHを加えて1分間振とう、エーテルから未スルボン化付随色素を除去する。100mlのビーカーに適切にラベル付けする。各層が分離したら、水溶性アルカリ性層をビーカーに排出し、3-hydroxy-4-[(4-methlphenyl)-2- napithalenecabaxylic acidのナトリウム塩の定量用として保存する。
エーテル中に色素が残存している場合には、さらに20mlの2%(W/W)NaOHを加えて1分間振とうする。各層が分離したら、水溶性アルカリ性層を100mlビーカーに排出する。
エーテル層中に色素が残存している場合には、上記の操作を繰り返して、2%(W/W)のNaOHで合計3回エーテルを洗う。 注: 未スルボン化付随色素を除去するためには通常3回洗えば十分である。
栓を取り、分液漏斗中のエーテル層を2回静かにゆり動かして、残存する水溶性塩基を分離する。これを100mlビーカーに排出する。
250mlビーカーに適切にラベル付けする。エーテル層をビーカーに注ぐ。エーテルをほぼ完全に蒸発乾固させる。室温まで冷やす。約8mlのエタノール (95%) を加える。ビーカーをゆり動かして内容物を混合する。エタノール (95%) 洗液を用いて25mlメスシリンダーに正確な量を移す。エタノール (95%) を加えて15ml溶にする。
  
分光光度分析
分光光度計パラメーター
走査範囲: 400-700nm
走 査: 50nm/in; 5.0nm/sec.
吸光度範囲: 0−1 AUFS
セル長:1cm (注:基準セル及び試料セル)
(1) ブランクの可視スペクトルを記録する。基準セルを蒸留水で満たし、試料セルをエタノール(95%) で満たす。
(2) 試料セルを2〜3mlのエーテル溶液物質 (エタノール溶液として)洗う。次いでセルを満たす。エーテル溶性物質の可視スペクトルを記録する。
(3) 得られたスペクトルを付属スペクトルと比較する。付属スペクトルは、同様の操作で分析されたD&C 赤色6号 Lot AA5169についての各波長における吸光度の150%を表している。
試験に合格するためには、測定試料のスペクトルはいかなる波長においても付属スペクトルを上回ることはできない。
[グラフ省略]
 
〔47 FR 57688, Dec. 28, 1982; 48 FR 3946, Jan. 28, 1983; 48 FR 7438, Feb. 22, 1983; 48 FR 10811, Mar. 15, 1983〕