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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§81  健康効能促進表示:特定食品の可溶性繊維と冠状動脈硬化性心疾患(CHD)

§101.81 健康効能促進表示:特定食品の可溶性繊維と冠状動脈硬化性心疾患(CHD)
 
(a) 飽和脂肪とカロリーが低く特定食品の可溶性繊維を含む食事とCHDの危険との関係。--(1) 心血管疾患とは心血管系の病気のである。冠状動脈硬化性疾患(CHD)は心血管疾患の中で最も広く見られ深刻な病気の一つで心臓の筋肉と補助血管の病気を指す。高血中総コレステロール量及び低密度リポ蛋白質(LDL)コレステロール量が冠状動脈疾患発生の危険を高めていることに関係がある。CHDに罹りやすいのは高総コレステロール量が1デシリットル当たり240ミリグラム(mg)(g)(mg/dL)(6.21(mmol/L))以上でLDLコレステロール量が160 mg/dL(4.13 mmol/L)以上の人である。危険な血中コレステロール量のボーダーラインは200から239 mg/dL(3.36から6.18 mmol/L)及びLDLコレステロール量が130から159 mg/dL(3.36から6.18 mmol/L)の範囲である。飽和脂肪及びコレステロールの高い食事は血中の総コレステロール量及びLDLコレステロール量の増加に関連があり従ってCHDの危険増加にも関連することは科学的に立証されている。
(2) CHD発生率の低い人口は比較的血中総コレステロール量及びLDLコレステロール量が低い傾向にある。また食事は全脂肪、とりわけ飽和脂肪及びコレステロールが少ないだけでなく、果物、野菜、穀物製品(特定食品製品など)が比較的多い。
(3) 飽和脂肪及びコレステロールの低い食事がCHDの危険を低下させうるは科学的に証明されており、また飽和脂肪及びコレステロールの低い食事に特定食品の可溶性繊維を加えるでCHDの危険を低下させるのに役立つことができることもわかっている。
(b) 飽和脂肪及びコレステロールが低く特定食品の可溶性繊維を含む食事とCHDの危険との関係の重要性。-- (1) CHDは米国における国民健康上の主要問題の一つで、死因の中で最も高い。CHDの危険低下に役立つことのできる危険因子の初期管理が国民健康の大きな目標である。高血中総コレステロール及びLDLコレステロールがCHD発生における主な修正可能危険因子である。
(2) 米国人の多数で飽和脂肪摂取量が勧告量を超えている。CHDに関連する主な国民健康勧告として、飽和脂肪からのカロリー消費量を10%未満、全脂肪からの全カロリー消費量を平均30%以下にし、また推奨1日コレステロール摂取量は300ミリグラム(mg)以下となっている。飽和脂肪及びコレステロールの低い食事は血中総コレステロール量及びLDLコレステロール量の低下に関連しているは科学的にも立証されている。特定食品の可溶性繊維が低飽和脂肪、低コレステロールの食事に加えると、血中総コレステロール量及びLDLコレステロール量の低減にも役立つ。
(c) 要件。-- (1) section101.14に記載されているすべての要件を満たさなければならない。オオバコ殻を含む食品のラベルや表示はsection101.17(f)の条項に合致すること。
(2) 特殊要件。-- (ⅰ) 本健康効能促進表示の内容。飽和脂肪及びコレステロールが低く、特定食品からの可溶性繊維を含む食事と心臓病の危険低下に関連があるという健康効能促進表示は、本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)に記述のラベルまたはラベル表示に載せることができる。但し条件として、
(A) 表示は飽和脂肪及びコレステロールが低く、特定食品からの可溶性繊維を含む食事は心臓病の危険を低下する「ができる」または「がある」と明記しなければならない。
(B) 病気を明記する場合、表示は「心臓病」または「心冠疾患」という用語を使用する。
(C) 物質を明記する場合、表示は本section(paragraph(c)(2)(ⅱ))の可溶性繊維の望ましい供給源の名称で限定されている「可溶性繊維」を使用する。さらに、表示は可溶性繊維の望ましい供給源を含む食品の名称を使用してもよい。
(D) 脂肪成分を明記する場合、表示は「飽和脂肪」及び「コレステロール」という用語を使用する。
(E) 表示はどの程度であれCHDの危険低下を飽和脂肪及びコレステロールの低く、望ましい食品供給源からの可溶性繊維を含む食事に帰さない。
(F) 表示は飽和脂肪及びコレステロールが低く、望ましい食品供給源からの可溶性繊維を含む食事がCHDの危険を低下できる唯一認められている手段であると示さなければならない。
(G) 表示は、冠状動脈硬化性心疾患の危険性を減らすのに必要な可溶性繊維供給源の一日食物摂取量と同食品一回分の摂取が指定の一日食物摂取量への寄与を明記している。本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)に列記され、冠状動脈硬化性心疾患の危険性低下に関連していた可溶性繊維供給源の一日食物摂取量は次の通り。
(1) 全粒オート麦、大麦あるいは全粒オート麦および大麦の混合品由来のβ−グルカン可溶性繊維1日当たり3g以上。
(2) オオバコ殻からの可溶性繊維一日当たり7g以上。
(ⅱ) 可溶性繊維の特性。可溶性繊維の望ましい供給源。
(A) ベータ(β)グルカン可溶性繊維は以下に列挙する全粒オート麦および大麦を供給源として得る。ベータグルカン可溶性繊維は「Official Methods of Analysis of the AOAC INTERNATIONAL」(第16版、1995年)のNo.992.28によって測定できる。本方法は、5 U.S.C. 552(a)および1 CFR part 51に従い本連邦規則の一部となる。AOAC INTERNATIONAL(481 North Fredrick Ave., suite 500, Gaithersburg, MD 20877)でコピーを入手でき、食品安全応用栄養センター図書館(5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)または国立公文書記録管理局(NARA)でコピーを閲覧できる。本資料の利用について問合せるには、202-741-6030に電話するか、ウェブサイト(http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html)にアクセスされたい。
() オートブラン。オートブランはひき割りオート麦または押しオート麦をひいてできあがった粗挽き粉を適切な方法で細分してつくる。但し細分する時はオートブランが元のひき割りの50%ぐらいになるようにし、ベータグルカン5.5%以上(乾燥重量ベース(dwb)および全食物繊維16%(dwb)を供給するようにする。そして全食物繊維3分の1以上が可溶性繊維であるように細分する。
(2) 押しオート麦。押しオート麦は、オートミールとしても知られ、100%脱穀のひき割りオート麦から蒸し、切り、延ばし、薄片にするによって作られ、ベータグルカン可溶性繊維4%(dwb)以上そして総食物繊維10%以上を供給する。
() オート麦全粒粉。オート麦全粒粉は100%脱穀のひき割りオート麦から蒸し、ひくによって作られ、ベータグルカン可溶性繊維4%(dwb)以上そして総食物繊維10%以上(dwb)を供給する。
() Oatrim。オート・ブラン又はオート麦全粒粉を加水分解したα-アミラーゼのわずかな可溶性画分で、別名oatrimとも言われる。Oatrimは、本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)(A)(1)に定義されたオート・ブラン、又は本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)(A)(3)に定義されたオート麦全粒粉のどちらかから製造される。出発原料中のデンプンをα-アミラーゼ加水分解過程で可溶化させ、その後、出発原料中の不溶性成分、大部分を占めるタンパク質、脂質、不溶性食物繊維、フレーバーや色素物質の大部分を遠心分離で除去する。Oatrimはβ-グルカンの溶解性繊維を最高で10%含有し、かつ出発原料の含量以上でなければならない。
(5) 全粒大麦および乾燥粉砕大麦
ベータグルカン可溶性繊維含量4%(乾燥重量ベース[dwb])以上かつ総食物繊維含量10%(dwb)以上の外皮除去または裸麦の全粒大麦。乾燥粉砕大麦粒製品には、蒸気処理やテンパリングのような標準的な乾燥粉砕法を用いた清潔で傷のない外皮除去または裸麦の大麦粒から製造され、4%(dwb)以上のベータグルカン可溶性繊維と8%(dwb)以上の総食物繊維を含む大麦ふすま、大麦フレーク、大麦グリッツ、パールバーレイ、大麦粉、大麦ミール、および篩い別大麦ミールが含まれる。ただし、大麦ふすまおよび篩別大麦ミールのベータグルカン可溶性繊維含量は5.5%(dwb)以上、総食物繊維含量は15%(dwb)以上とする。外皮除去大麦、裸麦、大麦ふすま、大麦フレーク、大麦グリッツ、パールバーレイ、大麦粉は、「Approved Methods of the American Association of Cereal Chemists」(第10版、2000年、pp.1および2)に発表された「Barley Glossary」(AACC Method 55-99)の定義に基づくものとする。上記は、5 U.S.C.552(a)および1CFR part 51に従い、本連邦規則の一部となる。American Association of Cereal Chemists, Inc.(3340 Pilot Knob Rd., St. Paul, Minnesota, 55121)においてコピーを入手でき、食品安全応用栄養センター図書館(5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)または国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。本資料の利用については、電話(202-741-6030)またはウェブサイト(http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html)により、NARAに問い合わせること。大麦ミールは、ふすま、芽、胚乳を分離する工程に供していない無篩別のひき割り大麦粒である。篩別大麦ミールは、篩いまたは空気分級によりミールから分離されたひき割り大麦の胚乳細胞壁を豊富に含む分画である。
(B) (1) ブロンドオオバコ(Plantago (P.) ovata)またはインドオオバコ(P. indica、またはP. psyllium)の乾燥させた種皮からのオオバコ殻。本表示をするためには、オオバコ殻(シャゼンシとしても知られる)の純度が95%程度あり、他の含有物として蛋白質が3%未満、軽異物が4.5%未満、重異物が0.5%となる。しかし、いずれの場合でも混合異物は、米国薬局方(USP)の『米国医薬品規格』(USP 23, NF 18,1995年)のP1341に示されているUSP方法に定められているとおり、4.9%を超えてはならない。この文献はここに言及することによりU.S.C. 552(a)及び1 CFR part 51に従い本連邦規則に組み込まれる。本文献は米国薬局方協会(12601 Twinbrook Pkwy., Rockville, MD 20852)から入手できる。また、食品安全応用栄養センター図書館(5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)あるいは国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、 http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.htmlへアクセスされたい。
(2) FDAは、リーほか著「シャゼンシ含有穀物食品における可溶性及び非可溶性食物繊維の測定」(『AOAC INTERNATIONAL』78(No. 3) P7247291995年)に記されている可溶性食物繊維量決定法(991.43)に変更を加えたものを使ってオオバコ殻の可溶性繊維量を決定する。この文献はここに言及することによりU.S.C. 552(a)及び1 CFR part 51に従い本連邦規則に組み込まれる。本文献はAOAC INTERNATIONAL (481 North Frederick Ave., suite 500, Gaithersburg,MD 20877)から入手できる。また、食品安全応用栄養センター図書館((5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)あるいは国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、 http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.htmlへアクセスされたい。
(ⅲ) 本表示にふさわしい食品の特性。
(A) (1) 本品は、本項(c)(2)(ii)(A)(1)、(2)、(3)および(5)の全粒オート麦加工品または大麦加工品のうち少なくとも1つを含み、全粒オート麦加工品または大麦加工品は、この食品の通常の消費標準量当たり0.75グラム(g)以上の可溶性繊維を含むものとする。
(2)本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)(A)(4)から、oatriumを含む食品は、習慣的に消費される基準量あたりに、β-グルカンの溶解性繊維を少なくとも0.75g含まなければならない。
(3) 本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)(B)に適合するオオバコ殻を含んでおり。オオバコ食品は通常この食品を消費する基準量当たり可溶性繊維を1.7グラム(g)以上含んでいるものとする。
(B) 可溶性繊維の量はsection101.9(c)(b)(ⅰ)(A)に合うように栄養素ラベルに明記しなければならない。
(C) 食品は「低飽和脂肪」、「低コレステロール」、「低脂肪」食品に関するsection101.62の栄養含有量要件を満たさなければならない。
(d) 任意に表示される情報。-- (1) 表示は心臓病が起こるには様々な要因があると明記して一般に科学的見解が一致している以下の心臓病の危険因子を少なくとも1つ断定できる。すなわち、CHDに関する家族の病歴、血中総コレステロール及びLDLコレステロールの増加、過度の体重、高血圧、喫煙、糖尿病、運動不足である。また表示は追加情報として運動と体重管理が心臓病の危険させることに役立つことを述べてもよい。
(2) 表示は飽和脂肪及びコレステロールが低く、本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)の望ましい食品供給源からの食物繊維を含む食事の摂取と心臓病の危険低下との関係が「血中コレステロール」または「血中総コレステロール及びLDLコレステロール」の介在によることを示してもよい。
(3) 表示は飽和脂肪及びコレステロールが低く、特定食品からの食物繊維を含む食事と心冠疾患との関係及びその重要性をまとめている本sectionのparagaraph(a)及び(b)の情報を含めてもよい。
(4) 表示は適当な可溶性繊維の名称を明記してもよい。
(5) 表示には、全粒オート麦または大麦由来の可溶性食物繊維を含む低飽和脂肪かつ低コレステロールの食事は「栄養と健康:米国人の食生活指針(Nutrition and Your Health: Dietary Guidelines for Americans)」(米国農務省[USDA]、保健福祉省[DHHS]、政府印刷局[GPO])に沿ったものであると記載することができる。
(6) 表示は血中総コレステロール及びLDLコレステロールの高い人は医師に医療アドバイスを求めたり治療を受けるべきだと明記してもよい。表示が血中総コレステロール及びLDLコレステロールの高い値または正常な値を定義している場合、表示は血中総コレステロール及びLDLコレステロールの高い人は医師に医療アドバイスを求めたり治療を受けるべきだと明記してもよい。
(7) 表示は米国の心臓病患者数に関する情報を含めてもよい。但し、情報の出所は必ず確認し、情報は国立衛生研究所、国立保健統計センターまたは「栄養と健康:米国人の食生活指針」(同上)の最新のものでなければならない。
(e) 健康効能促進表示の模範例。下記の健康効能促進表示の模範例は飽和脂肪及びコレステロールが低く、特定食品からの可溶性繊維を含む食事と心臓病の危険低下との関係を示す食品ラベル表示に使用してもよい。
(1) 飽和脂肪及びコレステロールが低い食事の一部として食品(本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)の可溶性繊維供給源の名称、あるいは求められる場合は食品の名称)からの可溶性繊維は、心臓病の危険を減らすことができる。
(2) 飽和脂肪及びコレステロールが低く(本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)の可溶性繊維供給源の名称)からの可溶性繊維を含む食事は心臓病の危険を減らすことができる。
 
[62 FR 3600, Jan. 23, 1997、改訂62 FR 15344, Mar. 31 1997; 63 FR 8119, Feb. 18, 1998; 66 FR 66742, Dec. 27, 2001; 67 FR 61782, Oct. 2, 2002; 68 FR 15355, Mar. 31, 2003]