公益財団法人
日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)
172 食品に直接添加するために許可された食品添加物
コーティング、フィルム及び関連物質
§250 石油ナフサ
§172.250 石油ナフサ
ナフサは、次の条件に従って、食品に安全に使用することができる。
(a) 本添加物は、石油から得られる液状炭化水素の混合物で、本質的に、パラフィン系、およびナフセン系の性質を有する。
(b) 本添加物は、本 paragraphに記載した方法で測定したとき、次の規格に適合するよう精製される。
(1) 沸点範囲: 175゜F− 300゜F
(2) 不揮発性残渣:最高 0.002g/100ml
(3) 紫外線吸光度限界:次のとおり
波 長 (ミリミクロン)
光路1cm当たりの最大吸光度数
280-289
0.15
290-299
0.13
300-359
0.08
360-400
0.02
石油ナフサの分析規格
一般的指示
すべてのガラス器具を入念に洗浄し、油、グリース、洗剤残留分などの、すべての有機物を完全に除かなければならない。栓および活栓を含むすべてのガラス器具を紫外線下で調べ、残留蛍光汚染のないことを確認する。用心のため、すべてのガラス器具を使用直前に精製イソオクタンですすぐとよい。活栓やジョイントにグリースを使用してはいけない。石油ナフササンプルの取り扱い中の汚染を避け、包装が適当でないために外因性物質が混入してくるのを確実に防ぐため、細心の注意が必要である。この試験で検出しようとする多様性炭化水素の中には、光酸化に非情に敏感なものがあるので、全操作を弱い光のもとで行うべきである。
装 置
〔分液漏斗〕 容量 250mlおよび 2,000ml、テトラエチレン重合体活栓付。
〔三角フラスコ〕 125ml、 24/40標準細首型。
〔蒸発フラスコ〕 250mlの全ガラス製フラスコ。蒸発させる内容液の表面に窒素を通すための入口および出口管がついた 24/40標準栓をそなえたもの。
〔凝縮器〕 24/40ジョイント、乾燥管つき、任意の長さ。
〔分光光度計セル〕 熔融石英セル、光路長範囲 5,000± 0.005cm、分光光度計の性能を調べる際にだけ使用するものについては、光路程範囲 1,000± 0.005cm。セルに蒸留水を入れ、吸光度差を検定する。
〔分光光度計〕 スペクトルスリット巾2mμ以下で、スペクトル範囲 250-400mμ;本分光光度計は、これらの吸光度測定の際の装置作動条件下で、性能に関する次の要件を満たさなければならない。
吸光度繰返し精度:吸光度 0.4において±0.01
吸光度正確さ*1:吸光度 0.4において±0.05
波長繰返し精度:± 0.2mμ
波長正確さ: ± 1.0mμ
〔紫外線ランプ〕 長波長 (3400−3800Å)
*1 標準品としてクロム酸カリウムを用い、米国商務省、National Bureau of Standards Circular 484, 分光光度法 (1949) に記載した方法で検定する。正確さは、290, 345, 400 mμにおいて、標準値と比較して検定する。本方法は、ここに言及することにより本連邦規則の一部となる。ここに言及することにより本連邦規則の一部となる資料のコピーは、FDA食品安全応用栄養センター食品添加物・色素添加物部 (HFF-330) (
5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740
)より入手可能である。あるいは、国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、
http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html
へアクセスされたい。
試 薬
〔イソオクタン (2,2,4-トリメチルペンタン) 〕 180mlを 250mlの三角フラスコにとり、精製n−ヘキサデカン1mlを加え、頭部付属品を挿入し、 (入口管に窒素ガスを流入させる。出口管は、溶媒トラップおよび真空系統に連結し、凝縮液がフラスコ内へ逆流しないようにする。フラスコの内容物を蒸気浴上で、残留液が1mlになるまで蒸発させる。この残留ヘキサデカン1mlを、イソオクタンに溶解して25mlとする。光路長5cmのセルを用い、イソオクタンを標準として吸光度を測定する。吸光度は、 280-400mμの間で、光路長1cm当たり0.01以下でなければならない。必要に応じて、イソオクタンを、活性シリカゲル (Davidson Chemical Co., Baltimore, Md. のグレードに、あるいは同等品) のカラムに通すか、または蒸留によって精製することができる。
〔メチルアルコール, A.C.S.試薬級〕 10mlをとり、イソオクタンの場合と同様に処置する。吸光度は、280-400 mμの間で、光路長1cm当たり0.00でなければならない。メチルアルコールは、単純蒸留か、あるいは水酸化カリウム (10g/2l)と亜鉛末 (25g/2l)の存在下で3時間還流したのち蒸留することによって精製することができる。
〔n−ヘキチデカン、99%、オレフィンを含まない〕 n−ヘキサデカン 1.0mlをイソオクタンで希釈し25mlとする。光路長5cmのセルを用い、イソオクタンを標準として280-400 mμの間の吸光度を測定する。光路長1cm当たりの吸光度は、上記の範囲において0.00を超えてはならない。必要であれば、活性シリカゲルに通して濾過するか、あるいは蒸留することにより精製する。
〔水素化ホウ素ナトリウム〕 98%。
〔水〕 蒸留水はすべて、使用前にイソオクタンで抽出しなければならない。蒸留水 1.5lを、イソオクタン 100mlで3回連続して抽出すれば十分である。
方 法
〔紫外線吸収度の測定〕 炭化水素溶媒アリコート25mlとヘキサデカン1mlを 125mlの三角フラスコにとる。窒素を通しながら、蒸気浴上で蒸発させて1mlとする。窒素は、外径が8±1mmで、先端が長さ2±1cm、内径1± 0.5mmの毛細管になっている管を通して入れる。この管は、毛細管の先端がフラスコ内に4cm入りこむように取りつける。窒素の流速は、液面がわずかに乱れる程度とする。容積がヘキサデカン1mlの容積まで減少したのち、さらに10分間フラスコを蒸気浴上に置いてから、フラスコを取り除く。精製イソオクタン10mlをフラスコに加え、上に述べたのと同様にして、再び液を蒸発させ、容積を1mlとする。ただし、10分間の追加加熱は行わない。この操作を2回繰り返し、フラスコを放冷する。
メチルアルコール10ml、および水素化ホウ素ナトリウム約 0.3gを加える。(水素化ホウ素ナトリウムができるだけ空気に触れないようにする。メートルグラス(measuring dipper) を使ってもよい。) 24/40ジョイントおよび乾燥管のついた水冷凝縮器を、ただちにフラスコにとりつけ、水素化ホウ素ナトリウムが溶けるまで混合し、次に、時々攪拌しながら30分間室温に放置する。30分経過後、フラスコをはずし、窒素気流下、蒸気浴上でメチルアルコールを蒸発させる。水素化ホウ素ナトリウムが液中に沈下しはじめたら、フラスコを蒸気浴から取り除き、放冷する。
このフラスコに、イソオクタン6mlを加え、攪拌して結晶性スラリーを洗う。イソオクタン抽出液を注意深く 250mlの分液漏斗に移す。フラスコ中の結晶を蒸留水約25mlで溶かし、この液も分液漏斗に注ぐ。分液漏斗中の水量を約 100mlとし、1分間振とうする。層が分離したら、水層を第2の 250ml分液漏斗へ抜きとる。最初の分液漏斗中の炭化水素層は、25mlのメスフラスコに移す。
三角フラスコは、さらにイソオクタン6mlで、注意深く洗い、回転させ、第2の分液漏斗に移す。この漏斗を1分間振とうする。層が分離したら、水層を最初の分液漏斗へ抜きとる。第2の分液漏斗中のイソオクタンを、先のメスフラスコへ移す。三角フラスコを、再び、別のイソオクタン6mlで洗い、旋回させ、最初の分液漏斗に移す。この漏斗を1分間振とうし、層が分離したら、水層を抜きとり棄てる。イソオクタン層をメスフラスコに移し、イソオクタン液の容量を25mlとする。内容物をよく混合したのち、最初の分液漏斗に移し、蒸留水50mlで2回洗う。水層は洗浄のたびに棄てる。
イソオクタン抽出液の紫外線吸光度を、光路長5㎝のセルを用い、イソオクタンを標準として 280-400mμの間で測定する。試料の測定と並行して、溶媒サンプルのかわりに精製イソオクタン25mlを用い、試薬のブランク試験を行う。ブランクの紫外線吸光度も 280-400mμの間で測定する。
試薬ブランクの吸光度は、光路長1㎝当たり、 280-289mμの間で0.04以下、 290-356mμの間で 0.020以下、 360-400mμの間で 0.010以下でなければならない。
〔沸点範囲の測定〕 ここに言及することにより本連邦規則の一部となるASTM法D86-82 「石油製品の標準蒸留法 (Standard Method for Distillation of Petroleum Products) 」を用いる。コピーは、米国材料試験協会 (1916 Race St., Philadelphia, PA 19103)より入手することができる。あるいは、国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、
http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html
へアクセスされたい。
〔不揮発性残留物〕 沸点 121℃以下の炭化水素については、ASTM法D1353-78 「ペンキ、ワニス、ラッカー、および関連物質に使用する揮発性溶媒中の不揮発性物質の標準試験法 (Standard Test Method for Nonvolatile Matter in Volatile Solvents for Usein Paint, Varnish, Lacquer, and Related Products) 」、沸点 121℃以上の炭化水素については、ASTM法D381-80, 「Jet Evaporation による燃料中の実在ガムの標準試験法 (Standard Test Method for Existent Gum in Fuels by Jet Evaporation)」を用いて不揮発性残留分を測定する。これらの方法は、ここに言及することにより本連邦規則の一部となる。コピーは、米国材料試験協会 (1916 Race St., Philadelphia, PA 19103)より入手することができる。あるいは、国立公文書記録管理局(NARA)にて閲覧できる。NARAに本資料の利用について問い合わせるには、202-741-6030に電話するか、
http://www.archives.gov/federal-register/code-of-federal-regulations/ibr-locations.html
へアクセスされたい。
(c) 抗酸化剤を含有する石油ナフサは、抗酸化剤による吸光度を補正した後、規定の紫外線吸収限度に適合しなければならない。石油ナフサには、食品に使用することが認可されている抗酸化剤を、目的とする効果を得るのに合理的に必要な量を超えない、あるいは指定された限界を超えない量で含有させることができる。
(d) 石油ナフサは、§172.210 に従って、生鮮かんきつ類の保護被膜剤の溶媒として使用する。
〔42 FR 14491, Mar. 15, 1977, 47 FR 11835, Mar. 19, 1982にて改正; 49 FR 10104,Mar. 19, 1984 ; 54 FR 24896, June 12, 1989〕