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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§76  健康的主張:食物繊維を含有する、穀物製品、果物、および野菜と癌。

§101.76 健康的主張:食物繊維を含有する、穀物製品、果物、および野菜と癌。
 
(a) 低脂肪で、かつ食物繊維を含有する、穀物製品、果物、および野菜を多く含む食事と癌の危険との関係。
(1) 癌は、100 以上の異なった病気の複合体で、それらは異常細胞の、制御不能な成長と拡張とで特徴づけられる。癌は、その発現において、多くの原因と段階を有する。遺伝子および環境の危険因子の双方が、癌の危険に影響する。危険因子には、特定の種類の癌に関する家族の病歴、喫煙、アルコ−ル摂取、過重体重と肥満、紫外線又は電離放射線、発癌性化学物質に曝されること、及び食事因子が含まれる。
(2) 穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事が幾種の癌の危険低下に関連することは科学的に立証されている。食物繊維全体、繊維要素、複合栄養素、その他これらの食物に含まれる物質の固有の役割は十分に解明されていないが、多くの研究により穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事が幾種の癌の危険低下に関連することが示されている。
(b) 穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事の消費と癌の危険との関係の重要性。 
(1) 癌は米国人の主な死因の一つに挙げられている。癌に関する経済的コストは、健康管理費や疾病や死亡による損失を含め、全体としてきわめて高い。
(2) 米国人の食事は脂肪が高く穀物製品、果物、野菜が少ない傾向にある。世界各地における研究によると植物性食物の多い食事をとっている地域では幾つかの癌の危険の低いことが示されている。こうした食事は一般に脂肪分が少なく食物繊維をはじめ多くの栄養素が豊かである。連邦政府関係機関及び全国的に知られている保健専門機関の現行食事指針では脂肪分の消費を減らし(カロリー30%未満)、望ましい体重を維持し、果物や野菜(一日当たり5サービング以上)及び穀物製品(一に当たり6サービング以上)を消費するよう勧告している。
(c) 要件。
(1) §101.14に記載されているすべての要件を満たさなければならない。
(2) 特殊要件。
(ⅰ) 本健康的主張の内容。穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事と癌の危険低下に関連があるという健康的主張は、本sectionのparagraph(c)(2)(ⅱ)に記述のラベルまたはラベル表示に載せることができる。但し条件として、
(A) 主張は穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事は幾つかの癌の危険を低下する「ことができる」または「ことがある」と明記する。
(B) 病気を明記する場合、主張は「幾種の癌」または「幾つかの癌」という表現を使用する。
(C) 主張は食物繊維を含む穀物製品、果物、野菜に限る。
(D) 主張は癌の発生は多くの要因によることを示す。
(E) 主張はどの程度であれ癌の危険低下を穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事に帰さない。
(F) 主張はラベル表示の食品の食物繊維要素を明記する場合、「繊維」、「食物繊維」、「総食物繊維」という用語を使用する。
(G) 主張は癌の危険に関連する可能性のある食物繊維の種類を明記しない。
(ⅱ) 食品の特性。
(A) 食品は穀物製品、果物または野菜であるかそのいずれかを含んでいるものとする。
(B) 食品は「低脂肪」食品に関する§101.62の栄養含有量要件を満たさなければならない。
(C) 食品は食物繊維の「優良供給源」に関する§101.54の栄養含有量要件を栄養強化なしで満たさなければならない。
(d) 任意に表示される情報。
(1) 主張は穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事の消費と癌の危険との関係及びその重要性をまとめている本sectionのparagaraph(a)及び(b)の情報を含めてもよい。
(2) 主張は癌発生に関する以下の危険因子を少なくとも1つ断定できる。すなわち、特定種類の癌に関する家族の病歴、喫煙、過重と肥満、アルコール摂取、紫外線または電離放射線、発ガン性物質にさらされる、食事因子である。
(3) 主張は「栄養と健康:米国人の食生活指針」(米国農務省、保健社会福祉省、政府印刷局)に合致していると示すことができる。
(4) 主張は米国の癌患者数に関する情報を含めてもよい。但し、情報の出所は必ず確認し、情報は国立衛生研究所全米保健統計センターまたは「栄養と健康:米国人の食生活指針」(同上)の最新のものでなければならない。
(e) 健康的主張の模範例。下記の健康的主張の模範例は穀物製品、果物、野菜を含む低脂肪高繊維の食事と癌の危険との関係を示す食品ラベル表示に使用できる。
(1) 繊維を含む穀物製品、果物及び野菜が豊かな低脂肪の食事は様々な要因が関係する病気である癌の幾種かの危険を低下できる。
(2) 癌の発生には様々な要因がある。低脂肪で穀物製品、果物及び野菜を多く含む食事をするで幾つかの癌の危険を低下できる。

[58 FR 2548, Jan. 6, 1993]