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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§72  健康効能促進表示:カルシウムと骨粗しょう症

§101.72 健康効能促進表示:カルシウムと骨粗しょう症
 
(a) カルシウムと骨粗しょう症の関係。カルシウムの不適切な摂取は低い最大骨量の原因となり、骨粗しょう症発現における多くの危険因子の一つであると確認されている。最大骨量は、成年時に存在する骨の総量であり、専門家は、これが、後の人生において、人が、骨粗しょう症及び関連する骨折形成の危険があるかどうかという点に関し、極めて関係が深いと信じている。骨総量と、骨粗しょう症の罹病可能性に影響する他の因子は骨格の成熟後の骨損傷の割合である。カルシウムの適切な摂取は、青年期又は成年前期の間、組成された骨の総量を最も効果的に活用する際、明白な影響を与えると考えられている。しかしながら、最大骨量の上限は、遺伝的に決定されている。適切なカルシウム摂取と、最善の最大骨量により、骨粗しょう症の危険を低減するメカニズムは、次のように考えられている。全ての人間は、加齢とともに骨を失う。従って、成年時により高い最大骨量を有する者は、骨が危機的に減少し、容易に破砕するような量に到達するには、より長い時間がかかる。骨格の成熟後の骨損傷の割合もまた、老年期に残存する骨の総量に影響し、個々の人間の、骨粗しょう症発現の危険に影響を与えうる。後天的に、適切なカルシウム摂取を維持することは、骨損傷の割合を減らす上で、とりわけ、老人及び月経閉止から最初の10年間の女性において重要であると考えられている。
(b) カルシウムの重要性。カルシウム摂取は、骨粗しょう症発現において認識された危険因子であるのみならず、多要因骨疾患の危険因子でもある。骨粗しょう症の危険に影響する他の因子には、性別、人種、ホルモン状態、家族の病歴、身長、運動量、一般的な食事、喫煙や過剰なアルコ−ル摂取などの特定のライフスタイルの選択を含む。
(1) 遺伝及び女性であることは、骨粗しょう症発現の危険にある者を見分けるための、2つの重要な因子である。遺伝危険因子には、人種を含む。:とりわけ、コ−カサス人及びアジア人は、成年時の、低い最大骨量が特色である。 コ−カサス人女性、とりわけ北部ヨ−ロッパ系の者は、骨粗しょう症関連の骨損傷の罹病率が、最も高い。アフリカ系のアメリカ人女性は、低いカルシウム摂取にもかかわらず、最高の最大骨量と、最低の骨粗しょう症損傷の罹病率により特徴づけられる。
(2) 骨粗しょう症発現の危険が最大で、適切な、食事によるカルシウム摂取が骨の健康に最も重要な、好影響を与えるある階層の人々にとって、生涯を通しての適切なカルシウム摂取の維持は、とりわけ重要である。ここでタ−ゲットとされる階層には、青年及び成年前期のコ−カサス人、およびアジア人女性を含む。
(c) 要件。(1) §101.14に規定される要件は全て満足されるものとする。
(2) 特別要件。
(ⅰ) 表示の性質。カルシウムによる骨粗しょう症の危険の減少を伴う表示は、次の場合には、本section paragraph(c)(2)(ⅱ)に記載された食品表示又はラベル表示において、為すことができる。:
(A) 表示は、生涯を通しての、カルシウムの適切な摂取は、この多要因骨疾患において、唯一認められた危険低減因子ではないことを、性、人種、年齢を含み、人に、骨粗しょう症発現の危険を課す特定因子をあげることにより、明確化し、適当な水準の運動及び健康的な食事もまた必要であると述べる。
(B) 表示は、骨粗しょう症の危険は、一般的米国人に、等しく当てはまるものであると明示又は黙示しない。表示は、特に、骨粗しょう症発現の危険にある人々を明確化するものとする。このような人々には、白人(あるいは「コ−カサス人」)女性、アジア人女性で、骨形成期間にある者(およそ11才から35才、または「10代および成年前期」という表現が使用される)を含む。表示は、また、月経閉止期(または中年)女性、家族に骨粗しょう症の病歴を有する者、老年男性および女性も、危険であると明確に述べることができる。
(C) 表示は、生涯を通じての適切なカルシウム摂取は、成年期または成年前期の期間に、最大骨量を最適活用するメカニズムにより、骨粗しょう症の危険低減と関連すると述べる。「良好な骨の健康を形成し、維持する」という表現は、最大骨量を最適活用するという概念を伝達するために使用することができる。家族に骨粗しょう症の病歴を有する者、
月経閉止期女性、老年男性および女性に言及するときは、表示は、適切なカルシウム摂取は、骨損傷の割合を緩慢化するメカニズムにより、骨粗しょう症の危険低減と関連すると述べることができる。
(D) 表示は、いかなる程度の骨粗しょう症の危険の低減をも、生涯を通じての適切なカルシウム摂取の為であるとはしない。
(E) 表示は、食事からの摂取の総量が、勧められた1日の摂取量の200 %を超えるとき(カルシウム2,000 ㎎)は、骨の健康にとって、なんら知られた、より多くの利益がないと述べる。本要件は、勧められた、1日当たり1,000 ㎎の摂取量の40%以下のカルシウムを含有する食品、または§101.12 に定義された、常用的に消費されると、言及された量当たり、又は勧められた付加的摂取の1日の総量当たり、400 ㎎のカルシウムを含有する食品には適用しない。
(ⅱ) 食品の性質。
(A) 食品は、§101.54(b)に定義された「高」水準のカルシウムの要件を満たすか、またはそれを上回るものとする。
(B) 製品のカルシウム含有量は、消化吸収可能であること。
(C) 食事補助剤は、その構成成分であるカルシウム塩に適用可能な、分解または溶解のための米国薬局方(U.S.P) 標準を満足するものとする。ただし、U.S.P 標準の存在しない食事補助剤は、製品表示上に明記された使用条件の下で、適当な消化吸収可能性を表示することとする。
(D) 食品又は食事補助剤の、勧められた、1日当たり総摂取には、重量比で、カルシウムより多量の燐を含まないものとする。
(d) 任意情報(Optional Information)。
(1) 表示は、本section,paragraph(a)及び(b)からの情報を含むものとする。
(2) 表示は、米国における骨粗しょう症の患者数に関する情報を含むものとする。この情報の情報源は、明らかにされねばならず、かつ、国立保健統計センタ−、国立衛生研究所、又は「米国人のための食生活指針」からの最新の情報であることとする。
(e) 健康効能促進表示モデル。
次に掲げる健康効能促進表示モデルは、カルシウムと骨粗しょう症との関係を示すために、食品表示に使用することができる。
  
最も伝統的な食品に適切な、健康効能促進表示モデル
  
規則的な運動と、十分なカルシウムを含む健康的な食事は、10代又はは成年前期の白人やアジア系女性の、骨の健康の維持に寄与し、かつ、将来の、骨粗しょう症の高い危険を減らすことができる。
  
例外的に高いカルシウムを含有する食品及び多くのカルシウム補助食品
に適切な健康効能促進表示モデル
  
規則的な運動と、十分なカルシウムを含む健康的な食事は、10代又は成年前期の白人やアジア系女性の、骨の健康の維持に寄与し、かつ、将来の、骨粗しょう症の高い危険を減らすことができる。適切なカルシウム摂取は重要である。しかし、1日当たり2,000ミリグラムを超える摂取は、なんら付加的な利益を提供しそうにない。
  
〔58 FR 2676, Jan. 6, 1993; 58 FR 17101, Apr. 1, 1993; 62 FR 15342, Mar. 31, 1997〕