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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

108  緊急許可管理
緊急許可からの免除もしくは緊急許可への適合のための特定要件および条件

§35  密封容器に詰めた低酸性食品の加熱処理

§108.35 密封容器に詰めた低酸性食品の加熱処理
 
(a) 密封容器詰加熱処理ずみ低酸性食品の不適切な製造、加工もしくは包装は、健康に有害な加工食品の州際取引における流通を招く可能性がある。上記食品の有害性は、これらの食品が州際取引に入り込んだ後は十分に判定することができない。従って、食品医薬品局長は、公衆衛生の保護のためには、密封容器詰加熱処理ずみ低酸性食品の製造、加工もしくは包装に従事する工場においては営利を目的とする加工業者が、連邦食品医薬品化粧品法第 404節により規定される暫定緊急許可を取得し、及び保持することを要求することが必要であるとみなす。営利を目的とする加工業者が登録及び工程情報の提出、及び本章 Part 113 の必須部分を含む本 sectionの要件のすべてを必ずしも満たさないと局長が、調査の後に判断する場合はいつでも、上記許可を求めることができる。これらの要件は、安全な製造、加工及び包装手順を確立し、かつ、これらの手順に従っていることを食品医薬品局に確かめさせることを意図する。このような要件への不適合は、本 part の Subpart Aに定める手順により、法第 404節の緊急許可管理規定を本工場に即時適用する一応の根拠に相当するものとする。
(b) 本章の§113.3 の定義は本 sectionで使用する場合も適用可能である。
(c) 登録及び工程情報の提出。
(1) 登録。法第 201(a)(1)節に定義する通り、州において密封容器加熱処理ずみ低酸性食品の製造、加工もしくは包装に、はじめて従事する営利を目的とする加工業者は、最初の従事後10日以内にForm FDA-2541(食品缶詰工場登録) により情報を食品医薬品局に登録、するものとする。本情報は以下を含む。 (但し、これだけとは限らない。) 工場名、主要事業場所、加工を行う各工場の所在地、使用する加工装置の種類による加工方法及び、各工場で加工された低酸性食品のリスト。これらの用紙は、食品医薬品局食品安全応用栄養センターのLACF登録コーディネーター(HFS-618) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740) 、または食品医薬品局のどの地区事務所でも入手できる。記入を終えた用紙は、食品医薬品局食品安全応用栄養センターのLACF登録コーディネーター(HFS-618) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740) に提出するものとする。現在、上述の通り従事している営利を目的とする加工業者は、1973年7月13日までに登録を行うものとする。本 sectionの下に滞りなく登録を行った営利を目的とする加工業者は、いかなる工場においても加熱処理済食品の製造、加工もしくは包装を中止した場合には、中止後90日以内に食品医薬品局に通知するものとする。但し、特定の工場生産の季節的性格により必要とされる、あるいはストライキ、工場閉鎖、火災または天災を含む (必ずしもこれだけとは限らないが) 一時的状況による暫定休止の場合は、上記通知は必要としないものとする。
(2) 工程情報の提出。密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、登録後60日以内及び新製品の包装前に、食品医薬品局に計画工程に関する情報を提供するものとする。本情報には、容器寸法ごとの各低酸性食品についての下記の項目を含むが、但しこれだけとは限らない。加熱処理法レトルトの種類または使用する加熱処理装置、最低初期温度、処理時間及び温度、殺菌価 (Fo) あるいは工程が適切であるとするその他の同等の科学的証拠、熱の伝導、影響を与える限界管理因子及び工程の設定の根拠とその期日。但し、上記情報の提出は、食品医薬品局による本情報の承認には相当しない。また、上述の通り提出された工程に関する情報やその他のデータは、21 U.S.C.331(j)及び 18 U.S.C. 1905 の趣旨における、商取引上秘密としてみなされるものとする。本情報は、下記の用紙の中、適当なものに記入して提出するものとする。Form FDA-2541 a (食品缶詰工場の無菌処理を除く全方法の工程情報の提出用) 、Form FDA-2541 c(食品缶詰工場の無菌処理工程情報の提出用) 、もしくは Form FD-2541 c (食品缶詰工場及び、静置式レトルト及び撹拌工程以外の工程情報の提出) 。これらの用紙は食品医薬品局食品安全応用栄養センターのLACF登録コーディネーター(HFS-618) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740)、または食品医薬品局のどの地区事務所でも入手可能である。記入を終えた用紙は、食品医薬品局食品安全応用栄養センターのLACF登録コーディネーター(HFS-618) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740) に提出すること。
(ⅰ) 従来の製品に関する情報のすべてが入手できない場合には、加工業者は、現在存在する情報を提供する際に、食品医薬品局に対して、上記情報の提出の延期を文書により請求するものとする。これには、供給すべき追加情報とその提出期日を述べる。上記請求後30就業日以内に、食品医薬品局は、文書による請求を承認もしくは拒否するものとする。
(ⅱ) 包装業者が、初期温度またはレトルト温度の低下、処理時間の削減、あるいは製品配合量、容器または計画工程が適切であるために基礎となるその他の条件の変更により、以前に提出した計画工程を意図的に変更する場合には、上記変更工程の適用に先立ち、その適切さに関して適格な科学当局によって適切であるとの証明をうけるものとする。上記、適切であるとの保証は電話、電報または他の方法で入手できるが、当局により即時に文書により記録され及び確かめられねばならない。また、食品医薬品局の検討のために、包装業者の提出書類に含まれるものとする。最初の使用から30日以内に包装業者は、変更工程の安全性を適格な科学当局が事前に検証したことを示す提出記録の写しと共に、修正及びその適用についての安全な説明を、食品医薬品局食品安全応用栄養センター(HFS-617) (5100 Paint Branch Pkwy., College Park, MD 20740) まで提出するものとする。先に提出した計画工程、の意図的変更又は修正は、その内容が初期温度の上昇、レトルト温度の上昇あるいは処理時間の延長のみの場合には、本 paragraphに準拠しての変更とはみなされないものとする。しかし、本修正がその後、定常的なものとして計画される場合には、修正工程は計画工程として即座に提出し、その際本 paragraphに述べる規定の形式によるすべての情報を伴うものとする。
(ⅲ) 多くの包装業者は、レトルト作業が、計画工程の規定値をわずかに超えるレトルト温度及び処理時間を安全係数として、適用するように指示されている「作業」工程を用いて、温度または時間の微小変動を補い、計画工程の最短時間及び最低温度に常に適合させる。これは計画工程の修正とはならない。
(3) 工程の厳守及び情報。
(ⅰ) 登録工場において密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、少なくとも本 sectionの paragraph (c)(2)に従い提出された計画工程及び修正に適合する各容器の各低酸性食品を処理するものとする。
(ⅱ) 工程情報の入手、閲覧:文書により食品医薬品局が請求する場合には、密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、食品医薬品局が工程が適切であるとの決定を行うのに必要とみなす工程及び手順の情報を食品医薬品局に提供するものとする。但し、本情報の提供によって、食品医薬品局が提出情報内容を承認することにはならない。また上述の通り提供した工程及びその他のデータに関する情報は、21 U.S.C. 331(j)及び 18 U.S.C. 1905 の趣旨における、商取引上秘密とみなされるものとする。
(d) 密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、その性質が健康に潜在的に害を及ぼす性質の腐敗または工程からの逸脱例をこれらの食品のロットが全体あるいは部分的に流通された場合には、食品医薬品局に即時報告するものとする。
(e) 密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、微生物による汚染のために健康に有害となりうる本食品のロットが全体もしくは部分的に流通された場合、これらの例を、食品医薬品局に即時報告するものとする。
(f) 密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、本業者の管理下にある製品に適用すると共に、その流通業者に従うよう求める現行の手順に関する書類の作成を完了しているものとする。これには以下の計画を含む。健康に有害な製品の回収。製品の同定、収集、貯蔵及び管理。上記回収の有効性の判定。食品医薬品局への回収の通知。回収計画の実行。
(g) レトルト、加熱処理システム、無菌処理及び包装システム、あるいは他の加熱処理システムのオペーレータ及び容器密封検査員はすべて、レトルト作業、無菌処理及び包装システムの操作または加熱処理システムの操作及び容器密封容器検査を指導するために局長が認可する学校へ通い、規定の指導コースを申し分なく完了した人物の作業管理下にあるものとする。但し、本要件は本 sectionの paragraph (j)に記載の通りカリフォルニア州では適用しないものとする。局長は上記指導を行う資格を有する学校の認可を差し控えるものではない。
(h) 密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事する営利を目的とする加工業者は、本章Part 113に規定する、処理、処理の規格からの逸脱及び容器密封検査のすべての記録及びその他の記録を、作成、検討すると共に、処理工場において最低1年間、あるいは容易に行くことのできる。妥当な場所においてさらに2年間保存するものとする。この3年間の記録保存期間の最初の年に、処理工場が季節生産の間に長い期間閉鎖される場合には、本記録は、記録生産の終りに容易に行くことのできる妥当な場所に移されてもよい。法第704 節による工場検査の過程で、食品医薬品局の正当な権限を有する職員による文書での請求があった場合には、営利を目的とする加工業者は、処理が適切であること、容器密封が完全であること、及び製品のコード表示を検証するために、上記職員による検査及びこれらの記録の複写を認めるものとする。
(i) 本 sectionは連邦食肉検査法 (34 Stat.1256, 81 Stat. 584により改正(21 U.S.C. 601以降参照))及び家禽製品検査法 (71 Stat. 441, 82 Stat. 791により改正 (21 U.S.C.451以降参照))の下での農務省動植物検疫局の食肉及び家禽肉の検査プログラムによる継続的に行われる検査の下で加工処理された食品の、営利を目的とする処理には適用してはならない。
(j) 州規則への適合。
(1) ある州が、少なくとも本章 Part 113 の要件を規定する効力のある規則に従い、低酸性食品の営利を目的とする加熱処理を規制していると局長がみなす場合はいつでも、局長は上記の州規則への適合は本章 Part 113 への適合に相当する旨の通知を局長が発令するものとする。しかし、本 sectionの条項は上記州の低酸性食品の営利を目的とする加工には依然として適用可能であるものとする。但し、その州の規制機関または低酸性食品の各加工業者のいずれかを通じて、州が食品安全応用栄養センターに対して本 sectionの paragraph (c)に規定する登録情報及び加工情報を提出するものとする。
(2) 局長は、密封容器詰低酸性食品の加熱処理を管理する缶詰工場検査に関する法律により、カリフォルニア州が採用した規則は、本章 Part 113 の要件を満たしているとみなす。
従って、缶詰工場検査に関する法律により、カルフォルニア州の認可を受けると共に、上記州規則に適合する処理業者は、本章 Part 113 の要件に適合するとみなされるものとする。
(k) 輸入品:
(1) 本 sectionは密封容器詰低酸性食品の加熱処理に従事すると共に、これらの食品を合衆国に輸入する営利を目的とする外国の加工業者に適用する。但し、本 section のparagraph (a)による緊急許可発令の代わりに、局長は、法第 801節に従い、上記低酸性食品の合衆国への持ち込み拒否を財務長官に要求することがある。この場合の低酸性食品は、調査の結果、本 sectionの paragraph (a)にのべる健康に有害な加工食品の州際取引における流通を招きうると局長が決定するものである。
(2) 上述の通り持ち込みを拒否された上記食品は、本食品を輸入する、営利を目的とする加工業者が本 sectionの要件及び条件に従っており、本食品が健康に有害ではないと局長が決定するまで持ち込み許可が下りるものではない。上記決定を下すために、局長は、食品医薬品局の正式な権限を有する職員が営利を目的とする加工業者の製造、処理及び包装設備を点検する権利を確保する。
(l) 本 sectionに従い食品医薬品局に提出された下記のデータ及び情報は、公開されない。但し、これらの情報が本章§20.81 に定義する通り以前に公開されているか、もしく は、既に放棄された製品又は材料に関するものでもはや本章§20.81 に定義する商取引上秘密や商取引上及び財政上の機密情報ではない場合には、この限りではない。
(1) 品質管理情報を含む製造方法もしくは工程。
(2) 生産、販売、流通及びこれに類似したデータ及び情報。但し、本条項により公開できないデータまたは情報を漏らさないように収集、作成された情報の編集物は公開される。
(3) 量的もしくは半量的 (Semiquantitative) 配合処方。
 
〔44 FR 14334, Mar. 15, 1977, 42 FR 15673, Mar. 22, 1977にて改正 ; 54 FR 24891, June 12, 1989; 61 FR 14480, Apr. 2, 1996; 66 FR 56035, Nov. 6, 2001