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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§73  健康効能促進表示:食脂質(dietary lipid) と癌。

§101.73 健康効能促進表示:食脂質(dietary lipid) と癌。
 
(a) 脂肪と癌の関係。
(1)  癌は、100 以上の異なった病気の複合体で、それらは異常細胞の、制御不能な成長と拡張とで特徴づけられる。癌は、その発現において多くの原因と段階を有する。遺伝子および環境の危険因子の双方が、癌の危険に影響する。危険因子には、特定の種類の癌に関する家族の病歴、喫煙、アルコ−ル摂取、過重体重と肥満、紫外線または電離放射線、発癌性化学物質に曝されること、及び食事因子が含まれる。
(2) 食事因子のうち、最も強い関連は、脂肪の総摂取量と、ある種の癌の危険との間に見出されている。一般に利用可能な科学的証拠の総体に基づき、科学的訓練と経験を積み、それらの証拠を評価する資格を有する専門家の間では、総脂肪値の高い食事は癌の危険の増大と関連するという重要な科学的合意が存在する。最新の資料は、最終的なものではないが、特定種類の脂肪よりはむしろ脂肪の総量が、癌の危険と明白に関連を有するということを立証する。脂肪の総量が癌に影響を与えるメカニズムは、まだ立証されていない。
(3) 多大の研究対象となる問題は、脂肪の癌への影響は、局所特異的であるかということである。人体研究、動物研究とも、脂肪摂取と特定の癌の、局所との関連に関し、一致していない。
(4) 提起された他の問題は、総脂肪摂取量の癌危険に対する関係は、熱量摂取と独立に関連するのか、あるいは脂肪の癌危険との関係は、通常、高脂肪摂取と関連を有する高熱量(caloric )摂取の結果なのかということである。FDA は、動物及び人体研究の双方から得られた証拠は、総脂肪摂取量のみが、熱量摂取と独立に癌危険と関連があることを示すと結論づけた。
(b) 脂肪摂取と癌危険との関係の重要性。
(1) 癌は、米国の死因の第一位を占める。直接医療費、及び羅病及び死亡による損失を含む、癌の全経済コストは極めて高い。
(2) 米国人の食事は、高脂肪、高熱量の傾向がある。平均的な米国人の食事は、熱量の36〜37%を総脂肪から摂取すると概算されている。連邦政府、及び他の連邦保健専門家機構(national health professional organization) による最近の指針は、食事からの脂肪摂取は、熱量の30%以下に減らすべきであると勧告した。
総脂肪摂取量を減らすために、各人は、野菜、果物、穀物製品(とりわけ全粒粉製品)を多く含む食事を選び、赤身肉、魚類、家禽類、高脂肪製品代替の低脂肪食製品を選び、油脂類の使用を控えるべきである。
(c) 要件。
(1) §101.14に規定された全要件は満足されるものとする。
(2) 特定要件。
(ⅰ) 表示の性質。低脂肪の食事と癌危険の減少とを関連づける健康効能促進表示は、以下に該当する場合、本section,paragraph (ii)に記述される食品の表示又はラベル表示において、記載することができる。
(A) 当該表示は、低脂肪の食事が、いずれかの癌の危険を減らす「ことができる」または「かもしれない」と述べる。
(B) 疾病を明記する場合、当該表示は、「some types of cancer (ある種の癌)」又は「some cancers(ある種の癌)」という語を用いる。
(C) 栄養分を明記する場合、「総脂肪(total fat) 」又は「脂肪」という語を用いる。
(D) 当該表示は、癌危険と関係しうる脂肪又は脂肪酸の種類を明記しない。
(E) 当該表示は、いかなる程度の癌危険の低減をも低脂肪の食事の為であるとしない。
(F) 当該表示は、癌の発現は、多くの要因に基づくものであると、表示する。
(ⅱ) 食品の性質。食品は、「低脂肪」食につき§101.62に規定された、 全ての栄養含有量要件を満足するものとする。但し、魚類、及び猟獣、猟鳥類(すなわち、鹿、野牛、兎、鶉、野性の七面鳥、がちょう、だちょう)は、§101.62における「他の赤身肉」の要件を満足するものとする。
(d) 任意情報(Optional Information)
(1) 当該表示は、癌発現に関する、次の1または2以上の危険因子を明確化するものとする。:特定種の癌に関する家族の羅病歴、喫煙、アルコ−ル摂取、過重体重及び肥満、紫外線または電離放射線、発癌性化学物質に曝されること、食事因子。
(2) 当該表示は、食脂肪と癌の関係、及び関係の重要性を簡潔にまとめた、本section, paragraph及びからの情報を含めなければならない。
(3) 当該表示は、これが農務省、保健福祉省、政府印刷局発行の、「栄養と健康:アメリカ人のための食生活指針」と一致すると、表示することができる。
(4) 当該表示は、米国における癌患者の人数に関する情報を含めることができる。当該情報の源は、明記されねばならず、かつ、国立衛生研究所の国立保健統計センタ−、又は農務省、保健福祉省、政府印刷局発行の、「栄養と健康:アメリカ人のための食生活指針」からの最新の情報であることとする。
(e) 健康効能促進表示モデル。次に掲げる健康効能促進表示モデルは、食脂肪と癌の関係を説明するために、食品ラベル表示に使用することができる。
(1) 癌の発現は多くの要因に基づく。総脂肪値の低い食事は、ある癌の危険を減少させる。
(2) 低脂肪の健康的な食事をとることは、ある種の癌の危険を減らすことを助ける。癌の発現は、家族の癌羅病歴、喫煙、あなたが食べるものを含む多くの要因と関連する。
 
〔58 FR 2801, Jan. 6, 1993; 58 FR 17343, Apr. 2, 1993 〕