Home Home Back Back
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§75  健康的主張:食事中の飽和脂肪(saturated fat) 、及びコレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患(coronary heart disease)の危険

§101.75 健康的主張:食事中の飽和脂肪(saturated fat) 、及びコレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患(coronary heart disease)の危険

(a) 食事中の飽和脂肪(saturated fat) 及びコレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患(coronary heartdisease) の危険の関係。
(1) 心臓血管疾患とは、心臓及び循環系の疾患を意味する。心臓冠状動脈疾患は、最も頻発し、かつ重大な形態の心臓血管疾患で、心筋及びそれを支える血管の疾患と関連がある。血中総コレステロ−ルおよび低濃度脂蛋白質(LDL) コレステロ−ルの高い値は、心臓冠状動脈疾患の発現において、主要な変更可能(modifiable)危険因子である。心臓冠状動脈疾患は、血中コレステロ−ル値が、240mg/dL(6.21mmol/L)以上と高く、LDLコレステロ−ル値が160mg/dL(4.13mmol/L)以上の人々の間に高率で発生する。高危険の境界線となる血中コレステロ−ル値は、200 から239mg/dL(5.17 〜6.18mmol/L) で、LDLコレステロ−ル値は130 から159mg/dL(3.36 〜4.11mmol/L) である。食脂肪には、脂肪酸とコレステロ−ルが含まれる。通常、脂肪とされる、総脂肪(total fat) は、飽和脂肪(二重結合を含まない脂肪酸)、および単一不飽和脂肪、多不飽和脂肪(1又はそれ以上の二重結合を含む脂肪酸)から構成される。
(2) 科学的証拠は、飽和脂肪とコレステロ−ル値の高い食事は、血中総コレステロ−ル値およびLDLコレステロ−ル値の増加と関連があり、従って、心臓冠状動脈疾患の危険の増加と関連があると立証する。また、飽和脂肪とコレステロ−ル値の低い食事は、血中総コレステロ−ル値およびLDLコレステロ−ル値の減少と関連があり、従って、心臓冠状動脈疾患の危険の減少と関連があると立証する。
(b) 食事中の飽和脂肪(saturated fat) 及びコレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患(coronary heartdisease) の危険の関係の重要性。
(1) 心臓冠状動脈疾患は、第一に、他の疾病又は他の疾病群のいかなるものよりも死亡数が多いので、米国における主要な公衆衛生の関心事である。心臓冠状動脈疾患の危険因子の初期の管理は、心臓冠状動脈疾患の危険の減少を助ける、公衆衛生の主要な目標である。血中LDLコレステロ−ル値の増加に伴い、心臓冠状動脈疾患による死亡の危険も増加するという連続性が存在する。血中LDLコレステロ−ル値の高い者は、危険が最も高い。コレステロ−ル値がより緩やかではあるが高い、より多くの者もまた、心臓冠状動脈疾患による死亡の危険が高い。このような人々は、米国人成人の相当数にのぼる。科学的証拠は、飽和脂肪およびコレステロ−ル摂取を減らすことは、大多数の人の、血中LDLコレステロ−ル値を減らし、心臓疾患の危険を減らす、ということを示す。血中コレステロ−ル値が正常域にある人が、飽和脂肪およびコレステロ−ル摂取を減らすこともまた、心臓疾患の危険を減らすということを示す証拠が存在する。
(2) 心臓冠状動脈疾患の他の危険因子には、心臓疾患に関する家族の病歴、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満(体重が、理想体重より30パ-セント 多い)、規則的な運動の欠如が含まれる。
(3) 米国人の多くは、勧められる水準以上の飽和脂肪を摂取している。コレステロ−ルの摂取は、平均的に、勧められる水準、もしくはそれ以上である。心臓冠状動脈疾患危険に関連する、公衆衛生上の主要な勧告の1つは、飽和脂肪からの熱量摂取を10パ-セント 以下とし、全脂肪からの熱量摂取を平均して30パ-セント 以下とするというものである。勧められる、1日当たりのコレステロ−ル摂取は、300mg 以下である。
(c) 要件。
(1) §101.14 に規定された全要件は満足されるものとする。
(2) 特定要件。
(ⅰ) 主張の性質。飽和脂肪とコレステロ−ル値の低い食事と、心臓冠状動脈疾患の危険の減少とを関連づける健康的主張は、左に該当するときは、本section,paragraph c2(ii)に記述された食品表示、又は食品ラベル表示に記載することができる。
(A) 当該主張は、飽和脂肪とコレステロ−ル値の低い食事が、心臓冠状動脈疾患の危険を下げる「ことができる」また「かもしれない」と述べる。
(B) 疾病名を明記する場合、当該主張は、「心臓疾患」または「心臓冠状動脈疾患」という用語を使用する。
(C) 栄養分を明記する場合、「飽和脂肪」、「コレステロ−ル」いう用語を使用し、両方を表示する。
(D) 当該主張は、いかなる程度の心臓冠状動脈疾患の危険の低減をも、飽和脂肪とコレステロ−ル値の低い食事の為であるとしない。
(E) 当該主張は、心臓冠状動脈疾患の発現は、多くの因子に基づくと表示する。
(ⅱ) 食品の性質。食品は、「低飽和脂肪」、「低コレステロ−ル」、「低脂肪」食品のための§101.62の、栄養素含有に関する全要件を満足するものとする。但し、魚類、及び猟獣、猟鳥類(すなわち、鹿、野牛、兎、鶉、野性の七面鳥、がちょう、だちょう)は、§101.62における「他の赤身肉」の要件を満足するものとする。
(d) 任意情報(Optional Information)
(1) 当該主張は、飽和脂肪およびコレステロ−ルに加えて、心臓冠状動脈疾患発現の主要な危険因子であることに、一般的な科学的合意の存在する、次の1または2以上の危険因子を明示することができる。:心臓冠状動脈疾患に関する家族の羅病歴、血液中の、高濃度の総コレステロ−ルおよびLDLコレステロ−ル、過重体重、高血圧、喫煙、糖尿病、運動不足。
(2) 当該主張は、食事中の飽和脂肪、コレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患との関係は、「血中コレステロ−ル」又は「血中総コレステロ−ルおよびLDLコレステロ−ル」により、連結されると表示することができる。
(3)当該主張は、食事中の飽和脂肪、コレステロ−ルと心臓冠状動脈疾患との関係、及び当該関係の重要性を簡潔にまとめた、本section, paragraphs(a)及び(b)からの情報を含めなければならない。
(4) 栄養素を明示する場合、当該主張は、「飽和脂肪」、「コレステロ−ル」という用語に加えて、「総脂肪(total fat)」という用語を含めることができる。
(5) 当該主張は、米国における心臓冠状動脈疾患患者の人数に関する情報を含めることができる。当該情報の源は、明記されねばならず、かつ、国立衛生研究所の国立保健統計センター 、又は農務省、保健福祉省、政府印刷局発行の、「栄養と健康:アメリカ人のための食事指針」からの最新の情報であることとする。
(6) 当該主張は、これが、農務省、保健福祉省、政府印刷局発行の、「栄養と健康:アメリカ人のための食事指針」と一致すること、表示することができる。
(7) 当該主張は、血液中の総コレステロ−ル又はLDLコレステロ−ル濃度の高い者が、医者に、医学的助言及び治療を相談すべきであると記述することができる。主張が、血液中の総コレステロ−ル若しくはLDLコレステロ−ルの高い値、又は平常値を定義するときは、当該主張は、血中コレステロ−ルの高い者が、医者に、医学的助言及び治療を相談すべきであると記述するものとする。
(e) 健康的主張モデル。次に掲げる健康的主張モデルは、食事中の飽和脂肪、コレステロ−ルと心臓疾患との関係を説明するために、食品ラベル表示に使用することができる。
(1) 心臓疾患には、多くの要因が影響するが、飽和脂肪およびコレステロ−ル値の低い食事は、本疾患の危険を減少させる。
(2) 心臓疾患の発現は、多くの要因に基づく。しかし、その危険は、飽和脂肪、コレステロ−ル値の低い食事、および健康的なライフスタイルにより下げることができる。
(3) 心臓疾患の発現は、心臓疾患に関する家族の病歴、高い血中LDLコレステロ−ル値、糖尿病、高血圧、過重体重、喫煙、運動不足、食事パタ−ンの類型を含む、多くの要因に基づく。健康的なライフスタイルの一部としての、飽和脂肪、総脂肪、コレステロ−ル値の低い、健康的な食事は、血中のコレステロ−ル値を引き下げ、心臓疾患の危険を下げることができる。
(4) 心臓疾患に関する家族の病歴、血中の、総コレステロ−ル及びLDLコレステロ−ルの高い値、高血圧、喫煙、糖尿病、過重体重を含む、多くの要因は、心臓疾患の発現に寄与する。飽和脂肪、コレステロ−ル、および総脂肪の低い食事は、心臓疾患の危険の低下を助けることができる。
(5) 飽和脂肪、コレステロ−ル、および総脂肪の低い食事は、心臓疾患の危険を下げることができる。心臓疾患は、食事、心臓疾患に関する家族の病歴、高い血中LDLコレステロ−ル値、及び運動不足を含む、多くの要因に基づく。
  
〔58 FR 2757,Jan.6,1993 〕