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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
  

§A  Part 101 に関して 食品医薬品局、Center for Food Safety and Applied
Nutritionの Monier-Williams Procedures(修正を含む) for Sulfites in Food (1985年11月)

補遺A Part 101 に関して 食品医薬品局、Center for Food Safety and Applied Nutritionの Monier-Williams Procedures(修正を含む) for Sulfites in Food (1985年11月)

亜硫酸塩のAOAC公式方法(Official Methods of Analysis, 14th Ed., 20.123-20.125, Association of Official Analytical Chemists) は、FDA研究所で修正され、食品内で 10 ppm か 10 ppm 近似値の重硫酸塩を容易に定量できるようになった。修正などを含めて方法については以下に説明す。
  

装置

図に示した装置 (図1)は、沸騰している塩酸水溶液中の沸騰に試料から二酸化イオウを選択的に3%過酸化水素溶液に移すことができるように設計されている。この装置は、公式の装置より組み立てが簡単であり、装置内の背圧は、3% HO溶液の高さがバブラー(F)の先端より上にあるための、不可避的圧力に限られている(F)。背圧をできるだけ低く保つことは、漏れによる二酸化イオウの損失の可能性を低くする。
 この装置は、分液漏斗をフラスコの間のジョイント以外の全てのジョイントの密封面に活栓用グリースを薄く塗って、図1に示してあるように組み立てるものとする。各ジョイントは締め付け、分析を行っている間確実に完全に密閉されているようにしておく。分液漏斗Bは、100 ml以上の容量があること。ホース接続器の付いた注入アダプタ、A (Kontes K-183000 かそれと同等のもの)は、溶液の上に水頭圧力 (head of pressure) をかける方法として必要である。 (均圧滴下漏斗は、恐らく二酸化イオウを含む凝縮物が漏斗内とサイドアーム内に析出するので、望ましくない。) 丸底フラスコCは、24/40 テーパジョイントが3コ付いた1000 ml のフラスコである。ガス注入管D(Kontes K-179000 かそれと同等のもの)は、フラスコの底部 2.5 cm 以内に窒素を取り入れることができるだけの長さがあること。

 球管冷却器E (Kontes K-431000-2430かそれと同等のもの)は300 mmの長さのジャケットを備えている。バブラーFは図2に示した寸法に従って、ガラスで作られたものである。3%の過酸化水素溶液は内径約 2.5 cm 、深さ 18 cmの容器Gに入れることができる。

  

ビュレット

Ascarite管かそれと同等の空気洗浄装置用のホース接続とオーバーフロー管の付いた 10 mlビュレット (Fisher Cat. No.03-848-2Aかそれと同等のもの) 。これにより、標準0.01N水酸化ナトリウム溶液上に二酸化炭素を含まない空気を保つことができる。
  

冷却水循環装置

冷却管は、20%のメタノール−水などの冷却剤で冷却し、5℃に保たなければならない。Neslab Coolflow 33と同等の循環ポンプが適切である。
   

試 薬
  

a 塩酸水溶液、4N

分析のたびに、60 ml の蒸留水に 30 mlの濃塩酸 (12N)を加えることによって、90 ml の塩酸水溶液を用意する。
  

b メチルレッド指示薬

100 mlのエタノールに 250 mg のメチルレッドを溶解させる。
  

c 過酸化水素溶液、
    3%

ACS試薬等級30%過酸化水素を、蒸留水により3%に希釈する。使用の直前に、メチルレッド指示薬を3滴加え、0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、黄色になる終点まで滴定する。黄色になる終点を過ぎてしまうまで加えた場合には、溶液を捨て、もう1度3% HO溶液を作る。
  

d 標準滴定溶液、
    0.01N NaOH

公認試薬を使用してもよい (Fisher SO-5-284)。標準液フタル酸水素カリウムを用いて調製すべきである。
    

e 窒素

1分間に 200 cc の流量を常に維持する流量調節器と、純度の高い窒素源が必要である。窒素内に酸素が含まれるのを防ぐため、アルカリ性のピロガロールトラップなどの、酸素洗浄溶液を使用してもよい。以下の通りにピロガロールトラップを調製する。
1.4.5 g ピロガロールをトラップに加える。
2.2〜3分間、窒素によりトラップを清浄にする。
3.85 ml の蒸留水に 65 g のKOHを加えることによって調製したKOH溶液を用意する(注意:熱)。
4.トラップ内に窒素を保ちつつKOH溶液をトラップに加える。
   
   
定 量
図1に示すように装置を組み立てる。フラスコCを、 Variac かそれと同等の電力調節装置によりコントロールされる加熱マントル内に置くこと。フラスコCに、400 mlの蒸留水を加える。分液漏斗Bの栓を閉め、この分液漏斗に 90 mlの4N塩酸を加える。 200±10 cc/分の速度で窒素を流し始める。この時に、冷却器の冷却液も流れ始めなければならない。容器Gに、0.01N NaOH により黄色に変化する終点まで滴定した、3%過酸化水素を 30 ml加える。15分後に、装置と蒸留水から完全に酸素を除去して、装置へ試料を導入する準備を整える。
    

試料調製 (固体)

50 gの食品か、適切な量の SO (500 〜 1500 mcg SO) を含む量の食品を、食品加工機か混合機に移す。5%のエタノール水溶液 100 ml を加え、この混合物をしばらくの間すり砕く。フラスコCの 24/40ポイントを通ることができる程度食品が細かくなるまで、すり砕きや混合を続けること。
  

試料調製(液体)

50 gの試料か、適量の SO (500 〜 1500 mcg SO) を含む量を、5%エタノール水溶液 100 ml を混合する。
  

試料導入と蒸留

分液漏斗Bを取りはずし、エタノール水溶液中の食品試料をフラスコCに定量的に移す。実験室用ティッシュペーパーでテーパージョイントをふいて清浄にし、分液漏斗の外側のジョイントに活栓用グリースを塗り、分液漏斗Bをテーパージョイント付フラスコCに戻す。漏斗BがフラスコC内の適切なジョイントに再挿入されるや否や、窒素は3%過酸化水素溶液を通って再び流れ始めなければならない。各ジョイントが確実に密栓状態になっているかどうかを調べること。
弁を備えたゴム球付きのB内にある塩酸溶液に水頭圧力(head pressure)をかける。Bの活栓を開いて、塩酸溶液がフラスコCに流れるようにする。塩酸溶液に十分な圧力を加え続けて、溶液がフラスコCに入るようにする。
必要であれば、活栓を閉じて、塩酸にかかっている圧力を加えた後、再び開いてもよい。
分液漏斗に二酸化イオウが漏れて入るのを防ぐため活栓を閉めた後、分液漏斗から最後の2〜3 ml を排出させる。
加熱マントルに電気を通じる。凝縮液が1分間に80〜90滴、冷却器Eからフラスコ内に戻るよう電流を調節する。1000 ml のフラスコの内容物を1.75時間沸騰させた後、トラップGを取りはずす。
   

滴定

内容物を、0.01N水酸化ナトリウム溶液により滴定する。0.01N水酸化 NaOHにより黄色になる終点まで滴定する。この際この黄色は少なくとも20秒以上続くまで滴定をする。亜硫酸塩含有量を算定し、下記のように、食品1g当たりの二酸化イオウをマイクログラムで示す(ppm)
ppm = (32.03 ×V×N×1000) ÷W
ここで 32.03=二酸化イオウのミリグラム当量;V=終点に達するために必要な、規定度Nの水酸化ナトリウム滴定液量;係数1000はミリグラム当量をマイクログラム当量に変換するために用いる;W=1000 ml フラスコに導入される食品試料の重量 (g)


図1—最適化されたMonier-Williams装置。本文に、構成要素が同定してある。


図2バブラーの図(図1のF)。長さの単位はmm。

〔42FR14308,Mar.15、1977,51FR25017,July9,1986で改正〕