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公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
FDA 21CFR(仮和訳)

101  食品の表示
健康効能促進表示の特定要件

§78  健康的主張:果物、野菜と癌

§101.78 健康的主張:果物、野菜と癌

(a) 低脂肪で果物と野菜を多く含む食事と癌との関係。
(1) 癌は、100以上の異なった病気の複合体で、それらは以上細胞の、制御不能な成長と拡張とで特徴づけられる。癌は、その発現において、多くの原因と段階を有する。遺伝子及び環境の危険因子の双方が、癌の危険に影響する。危険因子には、特定の種類の癌に関する家族の病歴、喫煙、アルコール摂取、過重体重と肥満、紫外線又は電離放射線、発癌性物質にさらされる、及び食事因子が含まれる。
(2) 植物性食物にある多くの潜在的に抗癌性のある物質の固有の役割はまだ解明されていないが、多くの研究から植物性食物の多い食事は幾種の癌の危険低下に関連があるというわかっており、こうした研究は果物と野菜の多い食事及びそれから得られる栄養素(ビタミンC、A、食物繊維など)と癌の危険低下とを相関させる。こうした食事をとっている人の上記の栄養素摂取量は高い。現在、科学的見解の一致が見られないは確認されている果物と野菜の抗癌効果が果物と野菜の多い食事の様々な栄養成分(食物繊維、ビタミンA(ベータカロテン)、ビタミンCなど。但しこの限りではない)の結合によるものか、または、食事から脂肪を取り除いたためか、あるいは食物の中にある栄養素ではないが抗癌性のある他の物質によるものか分かっていない。
(b) 低脂肪で果物、野菜を多く含む食事の消費と癌の危険との関係の重要性。
(1) 癌は米国人の主な死因の一つに挙げられている。癌に関する経済的コストは、健康管理費や疾病や死亡による損失を含め、全体としてきわめて高い。
(2) 米国の食事は脂肪が高く穀物製品、果物、野菜が少ない傾向にある。世界各地における研究によると植物性食物の多い食事をとっている地域では幾つかの癌の危険が低いが示されている。こうした食事は一般に脂肪分が少なく食物繊維、ビタミンA(ベータカロテン)、ビタミンCをはじめ多くの栄養素が豊かである。連邦政府関係機関及び全国的に知られている保健専門機関の現行食事指針では脂肪分の消費を減らし(カロリー30%未満)、望ましい体重を維持し、果物や野菜(一日当たり5サービング以上)特に食物繊維、ビタミンA、ビタミンCを含むものを消費するよう勧告している。
(c) 要件。
(1) §101.14に記載されているすべての要件を満たさなければならない。
(2) 特殊要件。
(ⅰ) 本健康的主張の内容。低脂肪で果物、野菜を含む食事と癌の危険低下に関連があるという健康的主張は、本sectionのparagraph(c)(2)(ii)に記述のラベルまたはラベル表示に載せることができる。但し条件として、
(A) 主張は低脂肪で果物、野菜を含む食事は幾つかの癌の危険を低下する「ができる」または「がある」と明記する。
(B) 病気を明記する場合、主張は「幾種の癌」または「幾つかの癌」という表現を使用する。
(C) 主張は低脂肪でビタミンA、C及び食物繊維を含むもある食物として果物と野菜を特徴付ける。
(D) 主張は食物が§101.54の下記されている次の栄養素の優良供給源として食物繊維、ビタミンA、ビタミンCのいずれか1以上を含んでいるという表現を持つものであることを特徴づける。
(E) 主張はどの程度であれ癌の危険低下を低脂肪で果物、野菜を含む食事に帰さない。
(F) 主張はラベル表示の食品の脂肪要素を明記する場合、「全脂肪」または「脂肪」という用語を使用する。
(G) 主張は癌の危険に関連する可能性のある脂肪また脂肪酸の種類を明記しない。
(H) 主張はラベル表示の食品の食物繊維要素を明記する場合、「繊維」、「食物繊維」、「総食物繊維」という用語を使用する。
(I) 主張は癌の危険に関連する可能性のある食物繊維の種類を明記しない。
(J) 主張は癌の発生には多くの要因があるを示す。
(ⅱ) 食品の特性。(A) 食品は果物または野菜であるかそのいずれかを含んでいるものとする。
(B) 食品は「低脂肪」食品に関する§101.62の栄養含有量要件を満たさなければならない。
(C) 食品はビタミンA、ビタミンC、食物繊維の少なくともいずれか一つの「優良供給源」に関する§101.54の栄養含有量要件を栄養強化なしで満たさなければならない。
(d) 任意に表示される情報。
(1) 主張は低脂肪で果物、野菜を含む食事の消費と幾種かの癌の危険との関係及びその重要性をまとめている本sectionのparagaraph(a)及び(b)の情報を含めてもよい。
(2) 主張は癌発生に関する以下の危険因子を少なくとも1つ断定できる。すなわち、特定種類の癌に関する家族の病歴、喫煙、過重体重と肥満、アルコール摂取、紫外線または電離放射線、発ガン性物質にさらされる、食事因子である。
(3) 主張はビタミンAという語のあとで括弧書きで「ベータカロテン」という語を用いてもよい。但し、当該食品のビタミンAがベータカロテンである場合に限る。
(4) 主張は「栄養と健康:米国人の食生活指針」(米国農務省、保健社会福祉省、政府印刷局)に合致していると示してもよい。
(5) 主張は米国の癌患者数に関する情報を含めてもよい。但し、情報の出所は必ず確認し、情報は国立衛生研究所全米保健統計センターまたは「栄養と健康:米国人の食生活指針」(同上)の最新のものでなければならない。
(e) 健康的主張の模範例。下記の健康的主張の模範例は低脂肪で果物、野菜を含む食事と癌の危険との関係を示す食品ラベル表示に使用できる。
(1) 果物及び野菜(低脂肪で食物繊維、ビタミンA、ビタミンCを含むもの)が豊かな低脂肪の食事は様々な要因が関係する病気である幾種かの癌の危険を低下できる。ブロッコリーはビタミンA及びCが豊富で食物繊維もたくさん含まれている。
(2) 癌の発生には様々な要因がある。低脂肪で果物及び野菜(低脂肪でビタミンA、ビタミンC、食物繊維を含むもの)を多く含む食事をするで幾つかの癌の危険を低下できる。オレンジは低脂肪で繊維やビタミンCが豊富な食物である。
 
[58 FR 2639, Jan. 6, 1993]