Home Home Back Back
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
厚生労働省行政情報

06/19/2015薬事・食品衛生審議会関係資料
既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究

既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究
(平成27年6月19日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会)

 「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」の報告書が、平成27年6月19日に開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会において公表されました。


調査研究報告書

既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究

平成27年3月

主任研究者
西川 秋佳   国立医薬品食品衛生研究所  
安全性生物試験研究センター長
研究協力者
穐山 浩    国立医薬品食品衛生研究所 食品添加物部長
今井 俊夫  国立がん研究センター研究所実験動物管理室
小川 久美子 国立医薬品食品衛生研究所病理部長
菅野 純 国立医薬品食品衛生研所毒性部長
關野 祐子 国立医薬品食品衛生研究所薬理部長
長尾 美奈子 元慶應義塾大学薬学部共同研究員
広瀬 明彦 国立医薬品食品衛生研所総合評価研究室長
本間 正充 国立医薬品食品衛生研究所変異遺伝部長

A.研究要旨
平成8年度厚生科学研究報告書「既存天然添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 林裕造)(以下「林班報告書」という。)においては、国際的な評価結果、欧米での許認可状況、安全性試験成績結果等から、既存添加物の基本的な安全性について検討した結果、489品目のうち139品目について、今後、新たな毒性試験の実施も含め、安全性について検討することが必要であると報告されている。 本研究では、林班報告書において更に検討する必要があるとされた139品目のうち、以下に掲げるすでに安全性の見直しが行われたものや既存添加物名簿から消除されたものを除く7品目のうち、新たに安全性試験成績の収集できたブドウ種子抽出物及びラック色素の2品目について検討を行った。
検討した2品目の既存添加物については、90日間以上の反復投与試験及び変異原性試験等の成績を入手し、これらの試験成績より、基本的な安全性を評価することができた。その結果、結論としては評価した2品目については、添加物として現在使用されている範囲では、ヒトの健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられた。
B.研究目的:
ついては、現時点で直ちにヒトへの健康影響を示唆するような試験結果が認められず、新たな安全性試験を早急に実施する必要がないものと考えられた。」と報告されている。さらに、平成15年度に公表された「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)(以下「井上班報告書」という。)では「安全性の見直しを行った17品目については、現時点において、直ちにヒトへの健康影響を示唆するような試験結果は認められなかった。」(なお、この内の1品目については、念のため、追加試験を実施している。)と報告されている。また、平成16年度、平成18年度、平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度及び平成25年度に公表された井上班報告書又は「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)では、それぞれ14品目、7品目、8品目、7品目、6品目、5品目、1品目及び3品目について、添加物として現在使用されている範囲において直ちに人の健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられる旨報告されている。
本研究は、平成8年度林班報告書で安全性について検討することが必要と指摘された天然添加物139品目から、これまでに安全性の見直しが終了した品目及び既に既存添加物名簿から消除品目を除く、7品目のうち、国内外の試験成績が収集できた2品目について、その試験成績の評価を行うことにより、それらの基本的な安全性を検討することを目的とした。
C.研究方法 本研究は、林班報告書において安全性の確認が必要とされた既存添加物139品目のうち、これまでに安全性の見直しが終了した品目及び既に既存添加物名簿から消除された品目を除く7品目の中で、90日間以上の反復投与試験及び変異原性試験等の必要な成績を入手し得た2品目について、安全性試験成績の評価を行った。
D.研究結果
本研究で安全性の見直しを行った2品目についてのそれぞれの試験成績の概要は別添のとおりである。
ブドウ種子抽出物及びラック色素については、現時点において、人への健康影響を示唆するような試験結果は認められなかった。
E.考察
本研究では、林班報告書において安全性の確認を必要とされた既存添加物であり見直しの済んでいない7品目のうち、少なくとも90日間以上の反復投与試験成績及び変異原性試験成績の双方が入手できた2品目について、それらの試験成績平成7年5月の食品衛生法改正によって、食品添加物の指定範囲が、従来の化学的合成品から天然香料等を除くすべての添加物に拡大された。本改正に伴い、従来から販売・製造・使用等がなされてきた「化学的合成品以外の添加物(天然香料等を除く。以下「天然添加物」という。)」については、経過措置として、既存添加物名簿を作成し、引き続き、販売・製造・輸入等を認めることとされた。 しかしながら、既存添加物名簿に掲げられた天然添加物については、従来から指定されている添加物と異なり、品目毎に安全性のチェックがなされているものではなく、国会等において、その安全性の確認が求められているところである。 これを受けて、平成8年度に公表された林班報告書では、既存添加物489品目について、国際的な評価結果や欧米での許認可状況及び安全性試験成績結果等の情報を用いて、基本的な安全性について検討がなされ、「489品目のうち、159品目については既に国際的な評価がなされており基本的な安全性が確認されている。さらに41品目については入手した試験成績の評価により、また150品目についてはその基原、製法、本質からみて、いずれも現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないものと考えられた。」と報告されており、残る139品目についてはさらに検討が必要であるとされている。平成11年度に公表された「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 黒川雄二)では、「林班報告書により安全性の確認が必要とされた139品目の内、14品目の既存添加物にを評価したところ、いずれの品目についても、添加物として現在使用されている範囲において人の健康に対して有害性影響を及ぼすような毒性はないと考えられた。
なお、厚生労働省は、使用実態のない既存添加物について、平成16年12月及び平成19年9月に続いて、平成23年5月に3回目の既存添加物名簿からの消除を行った。
このように、既存添加物の見直し作業は現時点までに着実に進行しているが、今後ともさらに使用実態の調査等を行い、必要な品目から効率的に見直しを進めていく必要があると考える。
F.結論 本研究は、新たに2品目の天然添加物について、基本的な安全性が確認されることを示した。これらについては、いずれも現段階においてさらなる安全性の検討を早急に行う必要がないものと考えられた。

(参考)既存添加物の安全性見直し状況等  見直し状況等 H27.pdf見直し状況等 H27.pdf

(参考)既存添加物の安全性評価の見直し状況
平成11 年度「既存添加物の安全性評価に関する調査研究」(主任研究者 黒川雄二)において報告された13 品目
平成15 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された16 品目
平成16 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された14 品目
平成18 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された7 品目
平成19 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された8 品目
平成20 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された7 品目
平成21 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 井上達)において報告された6 品目
平成22 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)において報告された5 品目
平成23 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)において報告された1 品目
平成25 年度「既存添加物の安全性の見直しに関する調査研究」(主任研究者 西川秋佳)において報告された3 品目